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2020年10月13日

12349:ロービジョン者用日常生活活動評価指標「the low-vision-specific function and activities of daily living measure(LVFAM)」の開発 小野峰子 論文紹介

清澤のコメント:仙台で東北文化学園大学教員として活躍されている小野峰子先生が日眼会誌に、上記論文を発表されました。「日常生活活動(ADL)は広く使用されるが,本邦にはロービジョン者のためのADL評価指標はない。ロービジョン者用ADL評価指標を開発した。」ということでした。Rasch分析という手法で、評価に使うのには不適切な設問を除いてゆき、洗練された質問票を完成させています。今後このような分析結果をプライマリーの医師で把握したうえで、リハビリセンターに患者を紹介できるように、広く使われるようになれば良いと思います。清澤の脚注:Rasch分析とはもご参照ください。

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ロービジョン者用日常生活活動評価指標「the low-vision-specific function and activities of daily living measure(LVFAM)」の開発小野 峰子1)2), 鈴鴨 よしみ2), 陳 進志3), 高津 育美4), 鮫島 智子5), 仲村 永江6), 丹治 弘子1), 山縣 祥隆7), 出江 紳一2)1)東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科視覚機能学専攻
2)東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻肢体不自由学分野
3)あさひがおか眼科
4)東北大学病院診療技術部リハビリテーション部門
5)日本医科大学付属病院眼科
6)関西医科大学附属病院眼科
7)山縣眼科医院

目 的:日常生活活動(ADL)はリハビリテーションの評価指標として広く使用されるが,本邦にはロービジョン者のためのADL評価指標はない.本研究はロービジョン者用ADL評価指標の開発を目的とした.
対象と方法:ロービジョン者のADL測定に関連する国内外の文献や類似領域の調査票から項目を収集し国際生活機能分類(ICF)の「活動」の内容に照らし合わせて「日常視機能」に関する28項目と「日常生活活動」に関する9項目からなる暫定版を作成した.186名のロービジョン者を対象に暫定版指標の調査を行い,Rasch分析を実施した.各項目の評点段階のRasch分析を実施した後,各項目の項目難度と適合統計値を算出してRaschモデルへの適合度を検討した.さらに,0~100点の間隔尺度となる変換値を算出した.
結 果:Rasch分析の結果,評点段階は日常視機能項目3段階,日常生活活動項目4段階となった.Raschモデルに適合しない項目を除外した結果,日常視機能22項目,日常生活活動9項目にて評価指標が構成された.
結 論:日常視機能と日常生活活動の2段階によって評価するADL評価指標「the low-vision-specific function and activities of daily living measure(LVFAM)」が完成した.(日眼会誌124:783-793,2020)
キーワード
日常生活活動(ADL), ADL評価指標, ロービジョン者, Rasch分析, Raschモデル, 国際生活機能分類(ICF)別刷請求先
〒981-8551 仙台市青葉区国見6-45-1 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科視覚機能学専攻 小野 峰子
miono@rehab.tbgu.ac.jp


受付:2020年1月8日 改訂受理:2020年6月2日
利益相反:利益相反公表基準に該当なし
日本眼科学会雑誌 124: 783-793,2020

清澤注:Rasch分析とは,数値で表された順序尺度を間隔尺度に変換し,課題の難易度を数値化する解析手法である。各項目の難易度はlogits(log odds units)という独自の単位で表現される。logitsは0が標準難易度であり,値が大きいほど難易度が高い。適合度指標は,患者データの当てはまり具合を検討するもので,期待分散に対する観察分散の割合である平均平方統計値で表される。平均平方統計値は情報に重みづけられた平均平方統計値(infit)と,はずれ値に敏感な平均平方統計値(outfit)があり,この値が1.5以上の場合,Rasch分析に不適合と判断される。

Categorised in: 視力低下