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2021年6月30日

12964:近視改善の目的での眼マッサージは絶対にしてはいけません:緊急の注意

清澤のコメント:成人における近視では眼軸長が延長するものが多くみられます。最近の週刊誌に、軸性近視を取り上げて、その原因に眼窩骨の変形を想定し、さらにその治療法として眼科骨に対するマッサージを勧めている非医師によるとんでもない記事がありました。この記事でも述べられている様に、残念ながら延長してしまった眼軸を短縮する方法は最新の世界の眼科学の進歩をもってしても発見されてはいません。しかし、私が気付いたこの記事に関わる緊急の問題点は、この記事が「眼球の押し込みです。これは、長く伸びてしまった眼軸長を修正して短くするためのメソッド」として、眼球を圧迫することを含むマッサージを勧めていることです。眼球のマッサージは眼球の前面に有る角膜の異常な膨隆による円錐角膜という奇妙で強い近視を作ることが古くから知られています。(下記文献参照)殊に最近では、緑内障術後に眼の中の水(房水)が貯まるブレッブを保つために必要なマッサージに対してさえも、その危険性が述べられています。この著者に対して、このような明確に誤った主張を続けることを制止する意見ないし見解を日本眼科学会や日本眼科医会などの公的学術機関が早々に出してくれることを希望する次第です。

以下に最近の総説の一部を引用提示します。

Int J Ophthalmol. 2019; 12(11): 1775–1781. doi: 10.18240/ijo.2019.11.17

The correlation between keratoconus and eye rubbing: a review

Hatim Najmi, Yara Mobarkiほか,

引用開始:ケラトコヌス(円錐角膜)リスクの原因と要因

角膜の危険因子には、人口統計学的要因、民族的差異、遺伝的要因および環境要因が含まれる。生態学的要因は、目の擦れ、アトピーおよび紫外線暴露を含む

環境や遺伝的要因は考えられる原因の1つである、いくつかの遺伝的欠陥が原因で起きる角膜病変が発見されつつある。いくつかのケースでは、円錐角膜は、特に親族関係が発生した家族でみられ、科学者が染色体リンクを特定できた場所は、この場合にそれなりの役割を果たしている。角膜膜は、干草、湿疹、喘息などの他のアレルギー性疾患に関連している可能性があり、この状態は、目の擦れの問題に明らかに関連し、急速な悪化を引き起こす可能性がある。また、コンタクトレンズを使用する人々にも影響を与える可能性がある

この総説では、角膜の円錐角膜の危険因子としての目の擦れについて強調する。

目のこすり

目の擦れの定義と原因

目の擦れは、目覚め時に、眼刺激疲労と情緒的ストレスに対する応答として一日を通して、睡眠前に自然に起こる一般的な習慣です。異常な目への摩擦は、乾燥やかゆみなどの厄介な症状に対して二次的であり、それは強迫的または挑発的なこすりであって、心因性であることがあると述べられた。アトピーとアレルギーは、異常な目の擦れの慢性習慣のための最も支配的な危険因子であった。また、強迫的な行動、精神的ストレスまたは感情的な緊張および精神的変化は異常な目の摩擦に関連している。

角膜の危険因子としての目の擦れ

慢性異常眼摩擦は角膜の発達に関連している。反復的で穏やかで有ったり、あるいは活発な手拳による擦れは、円錐角膜の進行に関連している。目をこする習慣には多くの理由がある。しかし、その理由は、角膜の発達における持続的な眼の摩擦の役割には影響を及ぼさない。両側円錐角膜は、長期にわたって持続的な目のこすりを実行した4歳の少女でも報告された。

240人の円錐角膜患者を含む調査では、そのうちの65.6%が目をこすった既往を持っていることがわかった。McGheeは、円錐角膜症患者の48%が目をこすっていることを発見した。サウジの研究では、患者の44.8%が目をこすっていることがわかったラビノヴィッツは、彼の症例対照研究で、218人の円錐角膜患者と183人の健康で年齢を一致させた対照において、健康な対照群の58%に比べて、眼の擦れが円錐角膜被験者の83%に存在していたと報告した。イランの研究は、目の擦れの肯定的な病歴と円錐角膜有病率との間に相関関係があることを示した。

サウジアラビアの研究では、円錐角膜患者間の最も一般的な危険因子は、100%を表す目の摩擦であると報告された。眼摩擦の陽性の病歴は、円錐角膜患者で高頻度を示した。非対称的な眼摩擦により角膜湾曲が悪化する。非対称な角膜は、異常眼摩擦によって深刻な影響を受けた眼に関連していることが判明した。両側性に目を擦る患者における単眼円錐角膜は手の支配に関連していることが判明した。角膜は慢性で強迫性のある眼摩擦と心因性の眼の擦れの場合には14か月後に発症する。また、親に同様な既往歴のある患者における眼の擦過が円錐角膜の発症に重要な危険因子であることもわかった。(以下略)

Categorised in: 近視、強度近視