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2020年12月17日

12508:急性網膜壊死症ARN・硝子体網膜リンパ腫VRLを含むぶどう膜炎:記事紹介

RETINA Medicineという雑誌が届けられました。その特集が「定着するのか!?最新の術式」:というもので、11の話題が取り上げられています。今日は「ぶどう膜炎(急性網膜壊死症ARN・硝子体網膜リンパ腫VRLを含む)」という章の話題をなぞってみましょう。著者は丸山和一(大阪大)と武田篤信(九州大)両先生です。大学に紹介するにしても必要な知識と感じられることが書いてありました。(私が典型的と思うような図を出典をつけて引用しておきます。)

 --本文の要点を抄出---

1、難症例に関する外科手術:外科手術を要するぶどう膜炎症例は少ない。急性網膜壊死(ARN:)、サルコイドーシス、眼内悪性リンパ腫(vitreoretinal lymphoma)を論ずる。ポイントは①ARNでは裂孔原生網膜剥離が出現してから手術加療する。②重症サルコイドーシスの若年者(牽引性網膜剥離を伴う)では初回手術から輪状締結を併用した硝子体手術を行う。③VRLでは網膜裂孔の併発に注意との事です。

https://www.retinalphysician.com/issues/2013/october-2013/diagnosing-and-managing-acute-retinal-necrosis

1)急性網膜壊死:ヘルペス属ウイルスで起きる。初期は網膜周辺部に白色の病変が出現し、その後徐々に癒合して、円周状に進展し、後局部に向かい進展。白色の網膜病変は病状が沈静化すると正常網膜との境界が明瞭になり、退色、菲薄化し後部硝子体剥離(posterior vitreous detachment)を伴うことで、裂孔となり、その部位から網膜剥離を生ず。病初期の高度な眼内炎症を、抗ウイルス薬と糖質コルチコイドで抑制して手術は待機する。硝子体内にはサイトカインストームが起きている。ARN手術では残存した網膜を守る方針で手術する。硝子体充填物ではSF6ガスが良い。

2)重症眼サルコイドーシスに対する硝子体手術:大部分は薬剤投与で炎症コントロールが可能。網膜周辺で、肉芽腫による牽引性網膜剥離と硝子体出血では手術適応。弱年者では水晶体温存で輪状締結を合わせて硝子体手術する。後極側への光凝固追加。プレドニゾロンを経口投与する。

3)眼内悪性リンパ腫(primary vitreoretinal lymphoma)

硝子体混濁が強い場合に、診断目的で手術。網膜生検は通常はしない。VRLでは頻回に硝子体注射するから、硝子体除去が望ましい。一定割合で網膜裂孔を合併している。

2、検体検査を意識した外科手術の工夫:

ポイント①臨床所見からPVRL,白血病の眼内浸潤などが疑われれば、診断目的での硝子体手術を考慮する。②PVRLは生命にかかわるシッカンデアリ、専門施設紹介が望ましい。③PVRLの確定診断は細胞診により、悪性細胞を検出することによる。④サイトカイン測定、遺伝子再構成の検出、フローサイトメトリーによるモノクロなりティーの検出は補助診断。

手術器具の進歩、小切開化、手術可視化剤:などにより診断目的の硝子体手術が行われるようになった。リンパ腫による「仮面症候群」もその対象である。PVRLの5年生存率は60%と不良。中枢神経系リンパスは、60-90%の症例で、眼症状後数年で発症する。PVRLは「CNSリンパ腫を伴わない場合でも局所療法に加えて、MTXを基盤とした全身化学療法と眼局所化学療法、全脳照射などで予後の改善が得られる。それには細胞診が必要。

1)方法:セルブロック法(セルブロックとは細部浮遊液を固形化し病理検体のようにパラフィン包埋したもの。眼ね記染色、PCRによる遺伝子検索、In situ hybridizationが可能。)、免疫染色、

2)具体的サンプル採取方法。ポイント:セルブロックには水晶体の混入を避ける。かん流液から硝子体を回収するのにケナコルトを使用すると回収しやすい。

まとめ:VRLの組織が他の大部分が非ホジキン、びまん性大細胞型Bsaibou リンパ腫である。MYD88,L265Pなどの遺伝子変異の診断がスタンダードとなる日が来るかもしれない。

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