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2020年11月27日

12465:虹彩後癒着を伴う激しい前部ぶどう膜炎

最近、初診で全貌の炎症と虹彩後癒着の強い患者さんを見ました。そこで虹彩後癒着(ポステリア― シネヒア)について調べなおしてみました。

臨床的特徴: 虹彩後面とレンズ表面の間の癒着は、急性前部ブドウ膜炎および慢性後部ブドウ膜炎でよく見られる所見です。 特に360度の癒着(seclusiopupillae)が発生した場合、虹彩ボンベ(irisbombè)が発生して虹彩前面が前方に湾曲し、閉塞隅角緑内障を合併する可能性があります。癒着解除の治療には、毛様体筋麻痺の点眼(ミドリン)を試みることができます。外れにくい時にはアドレナリンを輪部周囲の結膜下数点に、わずかな量注射することもありますが、血圧上昇に注意が必要です。

図: posterior synechia secondary to HLA B27 anterior uveitis – EuroTimes

さてここで出てきた急性前部ぶどう膜炎ですが、これもまあ臨床現場でも見かけることのあるぶどう膜炎の一形です。昔はあまり診断がされませんでしたが、HLA B27が検査できるようになると、診断されることも増えたように私は感じています。

急性前部ぶどう膜炎(AAU)の症状:通常は片眼性で、急性に発症する。

自覚症状:眼痛、羞明、視力低下などを自覚。

他覚症状:他覚症状は①強い結膜充血、毛様充血、②前房:多数の炎症細胞、強い蛋白、フィブリン(フィブリンが虹彩あるいは水晶体全面に付着し、瞳孔領を覆うこともある。)、前房蓄膿、隅角蓄膿、③角膜:細かい角膜後面沈着物(KPs)、Descemet膜皺壁、④虹彩後癒着によりiris bombeを起こし、急性閉塞隅角緑内障を起こすこともある。前眼部に軽度硝子体混濁、視神経乳頭の発赤、網膜静脈の拡張、嚢胞様黄斑浮腫(CME)などを伴うこともある

急性前部ぶどう膜炎(AAU)の診断:上記記載の他覚症状から診断される。HLA-B27陽性か否かは臨床症状から判断できないが、検査は費用の問題もあるため必須ではない。AAUが疑わしい場合にはHLA-B27関連疾患(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患に伴う関節炎など)の合併も精査する必要がある。

急性前部ぶどう膜炎(AAU)の治療:前房の炎症が強いため、ステロイドによる消炎を行う。また、虹彩後癒着を防止するため散瞳剤も用いる。

処方例)

  1. リンデロン点眼・点耳・点鼻液(0.1%)1~2時間ごとの点眼(その後6回→4回→2回/日と減らしていく)
  2. ミドリンP点眼液およびネオシネジンコーワ点眼液(5%)1日3回点眼
  3. デカドロン(3.3㎎/ml)1回0.3ml結膜下注射、あるいはケナコルト-A(40mg/ml)50μlずつを結膜下2か所に注射
    or
    プレドニゾロン錠(5㎎)1日30㎎を3日間、さらに1日20㎎を3日間、1日10㎎を3日
  4. 急性前部ぶどう膜炎(AAU)の予後:視力予後は概して良好だが、炎症の持続期間は1~2カ月間とされる。

Categorised in: ぶどう膜炎