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2017年5月26日

8880:「風俗店に出入り」でピンと来た!…謎の視力低下、梅毒が原因 :記事紹介

2017年5月25日

「風俗店に出入り」でピンと来た!…謎の視力低下、梅毒が原因

神経眼科医清澤のコメント:
◎米国ではHIV感染者に梅毒が多いという話を研究室の同期生が発表していました。
Becerra LI, Ksiazek SM, Savino PJ, Marcus DK, Buckley RM, Sergott RC, et al. Syphilitic uveitis in human immunodeficiency virus-infected and noninfected patients. Ophthalmology. 1989;96:1727–30. [PubMed]

◎それとは違いますが、視神経萎縮の人に活動性のある梅毒感染が見つかることはあります。第3期の神経梅毒です。これが下に引用した記事。

◎ぶどう膜炎や視神経萎縮のほかにも、梅毒ではアーガイル・ロバートソン瞳孔というものもあります。

アーガイル ロバートソン瞳孔とは(http://oisha.livedoor.biz/archives/50368365.html)、Argyll Robertsonによって神経梅毒に特異な瞳孔所見として1869年に発表された。過去にはArgyll Robertson瞳孔が神経梅毒に高頻度に出現したが、近年は、糖尿病,多発性硬化症,脳炎,中枢神経系の変性疾患,アルコール中毒など、非梅毒で本瞳孔を呈する頻度が高まっている。詳しい病態は不明だが、脊髄癆や中脳の障害で出現する。
その主徴は、
1)直接および間接対光反応の欠如,
2)迅速な輻湊反応 (近見反応は正常),
3)縮瞳である (対光反射は消失するが、輻湊反射は保たれる)。
症状は一般に両眼性であるが瞳孔不同や脱円をみることが多い。

ーー記事引用ーー
国立感染症研究所は今年3月26日までの梅毒の感染者が1000人を超え、平成11年以降、最速で増加していると発表しました。

梅毒については、ヨミドクターのコラム 「知って安心!今村先生の感染症塾」で解説されていますから、全体像はそちらを参照してください。

では、なぜ眼科医が性感染症である梅毒を話題にするのでしょうか。

目へのとばっちり、つまり、視神経炎やぶどう膜炎の原因になるからです。

通常の性行動で、いきなり目に感染することはまずありません。ですが、初期感染(第1期)の症状が消えてから1~3か月後あたりの第2期や、さらに長い時間を経てじわりと広がる第3期以降に発症することがあるのです。

過去40余年の眼科診療の中で、教科書にあるような激しい梅毒性ぶどう膜炎の症例はまだ見たことはありません。ただ、原因不明の難治な 虹彩毛様体炎(こうさいもうようたいえん) (前部ぶどう膜炎)の原因が、結局梅毒性だった例は何度か経験しました。

一方、ここ10年の間に、私どもの神経眼科外来で発見した梅毒性視神経炎は5例を超えています。それまでの30年間に2、3例しか経験しませんでしたから、頻度が上昇していることは体験的にも確かです。

大半は両眼の視力が著しく低下し、眼底検査では視神経乳頭が白く萎縮してしまった状態、つまり失明に近い状態で見つかります。

しかし、医者が視神経の様子を見て、梅毒が原因だと即座にわかるわけではありません。視神経萎縮になる原因はたくさんあるからです。

患者さんも、もちろん原因が梅毒だとは、夢にも思っていません。

実は、私にはこの件で苦い経験があります。

原因不明の両眼視神経炎で受診した50歳代の男性。画像検査や、血液検査でも原因はつかめませんでした。視力はどんどん低下し、次第に視神経は白く萎縮しました。1年近く経過したころ、その患者さんが風俗店に出入りしていたことが、ひょんな会話の中で出てきました。そこで、「ひょっとして」と思い至って、梅毒の血液検査をしてみますと、当たりでした。

抗菌剤を使った駆梅療法を継続的に長期に行い、ステロイド療法も試しましたが、結局重度の視覚障害者になってしまいました。

彼は「なぜもっと早く見つけて治療してくれなかったのか」と、私を責めました。「自分の性行動を棚に上げて…」という思いもないではありませんでしたが、医師としては反省しなくてはいけません。

この反省から、視神経炎の原因検査のための血液検査に必ず梅毒検査を加えました。ところが、今度は診療保険点数の審査機関のほうから、過剰検査ではないかと疑問が寄せられました。事情を説明し、今では視神経炎の原因検査として、当たり前の項目になりました。(若倉雅登 井上眼科病院名誉院長)

元の記事を読む
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170524-OYTET50018/#csidx6a0933c8034475ebb0e60f19b047b61
Copyright © The Yomiuri Shimbun
ーー引用終了ーー

Categorised in: ぶどう膜炎