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2021年7月15日

12987:ぶどう膜炎を伴う尿細管間質性腎炎(TINU症候群)

眼科医清沢のコメント:TINU症候群という診断のついた患者さんを初めて拝見した、尿細管間質腎炎にブドウ膜炎を伴うもので、若年者のブドウ膜炎では注意して鑑別すべきものであるそうだ。

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1)ぶどう膜炎を伴う尿細管間質性腎炎(TINU症候群) 柳原 剛 

日本医科大学小児科 2020年5月1日DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001344PDF(517KB)

ぶどう膜炎を伴う尿細管間質性腎炎症候群は,原因不明の間質性腎炎にぶどう膜炎を伴う症候群である.思春期の男女に好発するが,成人や老人にも発症する.何らかの宿主側の要因に環境因子が作用することによって異常な免疫応答が惹起され,疾患が進行すると考えられている.症状は,発熱や倦怠感,多尿,羞明や視力障害など非特異的である.疾患特異的なマーカーはなく,診断は除外診断による.とくにサルコイドーシスとの鑑別が重要であるが,しばしばその鑑別は困難である.治療は従来,ぶどう膜炎に対する治療を中心に組み立てられてきたが,慢性腎不全に至る症例もあり,ステロイドの適応など治療方針は慎重に判断する必要がある.

2)別の文献によると:

①前眼部炎症:虹彩新生血管を伴う前部ブドウ膜炎、虹彩・隅角に多発結節を形成する肉芽腫性ブドウ膜炎。

②後眼部炎症:黄斑部付近の滲出性網膜剥離、視神経乳頭浮腫・肉芽腫、脈絡膜肉芽腫、多発性脈絡膜炎、広範な網膜血管炎・滲出性脈絡膜炎、ぶどう膜炎に続発した乳頭・網膜新生血管、ステロイド点眼療法に抵抗性を示す黄斑浮腫。SUN Working Groupの分類による+2以上の硝子体混濁。(小児非感染性ぶどう膜炎初期診療の手引き 2020年版 – 羊土社https://www.yodosha.co.jp › book Nov 27, 2020 — TINU症候群におけるぶどう膜炎では前眼部炎症を呈する症例が多くステロイド点眼療法と散瞳薬による局所治療が主体となる.一般的に視力予後は良好であるが後眼部病変により視力が低下する症例もみられる)

3)TINU症候群 :間質性腎炎の基礎と臨床 御手洗哲也講演から
ぶどう膜は虹彩・毛様体・脈絡膜で構成され,血管と色素に富む組織とされている.ぶどう膜炎は虹彩・毛様体・脈絡膜やそれに隣接する組織に起きる炎症の総称であり,原因は多岐にわたる.ぶどう膜炎の症状と徴候は炎症部位によって異なるが,TINU症候群では前部ぶどう膜炎が特徴で,痛みや発赤,羞明,視力低下を認める.
1975 年にDobrinがTINU症候群を報告してから多数の報告があり,小児や成人女性に多いこと,両側,あるいは片側の前眼房から発症するブドウ膜炎を合併すること,骨髄やリンパ節に肉芽腫が見られる場合があることなどが明らか
にされている.しかし,ぶどう膜炎を合併した場合でもサルコイドーシス,Behçet病,Wegener肉芽腫症などに伴う間質性腎炎の可能性もあり,診断に注意する必要がある.
織所見は著しいが,比較的早期に発見されるこ
と,副腎皮質ステロイド療法に反応することか
ら予後は比較的良好で,教室の 3 例も 4 年以上
の経過観察で末期腎不全(end stage renal disease:ESRD)に進展した例はない.

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