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2020年10月4日

12323:開けづらく、痛みや異物感も―眼瞼けいれん;記事紹介

眼科医清澤のコメント:ネットで目に関する情報を毎日探しています。今日は私も得意分野とする眼瞼痙攣についての国際医療大学原教授のインタビュー記事(メディカルトリビューン=時事 で配信)を見つけました。文中で紹介していただいた、視床における活動の亢進(糖代謝の増加https://doi.org/10.11476/shinkeiganka.34.405)は、私たち東京医科歯科大神経眼科グループが東京都健康長寿医療センターPET室と研究して得られた成果で、ここで紹介していただけたことをうれしく思います。清澤眼科医院に(電話予約の上で)来院いただければ、本文に紹介された自己評価の質問から初めて十分な説明の上で、最短なら本人の納得が得られ次第、当日中にボトックス投与まで受けていただくことが出来ます。また合併する眼痛なども担当の神経内科医が後日適切な鎮痛薬を処方して抑制を試みられます。

(末尾に論文の抄録を採録)

中高年女性に多いまぶたのトラブル・開けづらく、痛みや異物感も―眼瞼けいれん

 「眼瞼(がんけん)けいれん」は、両目のまぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)が過剰に緊張してまばたきがしづらくなる病気。目の痛み、目の周りの異物感などの症状も伴っている。進行は遅いが、治ることはまれだ。この病気に詳しい国際医療福祉大学(栃木県大田原市)視機能療法学科の原直人教授に聞いた。

眼瞼けいれんの自己チェックシート

 ▽事故につながる危険も

 眼瞼けいれんは、その名称からまぶたがピクピク動く病気と間違われやすいが、実際は、目が乾く、まぶしい、目を開けられなくなり、目をつぶっていたほうが楽といった症状をもたらす病気だ。ドライアイを合併していることが多く、単にドライアイと誤診されることもある。進行すると、自分の意思に反して目が閉じてしまい、歩行中に電柱にぶつかったり、運転中に接触事故を起こしたりする原因にもなる。60代以降、特に女性に起こりやすい。

 抗不安薬、抗うつ薬、睡眠導入薬などの長期服用による薬剤性眼瞼けいれん、パーキンソン病や脳梗塞などの病気に伴って起こる2次性眼瞼けいれんの場合もあるが、多くは原因不明である。

 原教授は「最近の研究で、眼瞼けいれんの患者では、脳の視床という部位の興奮が高まっていて、眼輪筋が自分の意思に反して収縮を起こし、目を開けにくくなることが分かってきました」と説明する。介護疲れや家族との死別、仕事などでストレスを感じる出来事を経験した人に多く、「ストレスが発症の誘因となると考えています」。

 ▽注射療法が有効

 根本的な治療法はなく、第1選択はボツリヌス毒素(商品名ボトックス)療法だ。細菌の毒素であるボツリヌストキシンをまぶたや眉間に注射し、顔面の筋肉の緊張を緩めて症状を緩和する。1回の注射で3~4カ月は効果が持続する。約8割の患者で改善効果が得られている。長期間の治療により寛解する人もいる。ほかに、まぶしさを軽減しつつ明るさを保つ「遮光メガネ」の使用も大切だ。

 なお、抗けいれん薬、睡眠薬・抗不安薬などを治療に用いることがあるが、原教授は注意が必要だと指摘する。「一部の抗けいれん薬・抗不安薬は、短期的にはよく効きますが、逆に長期的な服用は眼瞼けいれんを誘発したり、症状を悪化させたりする恐れがあり、勧められません。診断と治療は、まず眼科医を受診して、眼瞼けいれんと分かれば、神経眼科医を紹介してもらうのがよいでしょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

(2020/10/03 06:00)

抄録:眼瞼痙攣の診断と眼瞼痙攣患者の脳機能変化(神経眼科 34(4), 405-410, 2017)

眼瞼痙攣は,眼輪筋の間欠性または持続性の不随意な過度の収縮により開瞼困難をきたす疾患である.局所性ジストニアの一型であり,病因についてはまだ解明されていないが,脳の機能的異常が原因と考えられている.眼瞼痙攣患者の自覚症状の訴えは,「まぶしい」,「眼を開けていられない」など多様で,特に初期では眼輪筋の異常収縮がみられないことも多い.眼瞼痙攣と鑑別を要する疾患として,ドライアイ,眼瞼ミオキミア,片側顔面痙攣,開瞼失行症などが挙げられるが,これらの疾患は眼瞼痙攣に合併することもある.診断は,問診,視診,既往歴などから総合的に判断するが,特に明らかな眼輪筋の異常収縮がみられない症例に対しては,速瞬,軽瞬,強瞬などの誘発試験を用いると有用である.また,薬剤性眼瞼痙攣も存在するためベンゾジアゼピン系薬などの服薬歴の聴取も必要である.ポジトロン断層法と<sup>18</sup>F-フルオロデオキシグルコースを用いて本態性眼瞼痙攣患者21例,薬剤(ベンゾジアゼピン系)性眼瞼痙攣患者21例,ベンゾジアゼピン系薬を使用している健常人24例の脳糖代謝を測定した.本態性および薬剤性眼瞼痙攣群では,健常群63例と比較して両側視床の糖代謝亢進がみられ,薬剤使用健常人においても視床の糖代謝亢進がみられた.眼瞼痙攣では,基底核-視床-大脳皮質回路の賦活化によって視床の糖代謝亢進がおこっており,それが病因の一つになっていると推測した.

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