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2019年12月5日

11354:インフルエンザで飛び降りなどの異常行動?

インフルエンザで飛び降りなどの異常行動がみられることが最近の話題になっています。抗インフルエンザ薬などとの関連も報じられていますが、異常行動の原因を説明した文章は多くは見つかりません。インフルエンザ脳炎・脳症(http://www.yoshida-cl.com/)の記事が比較的詳しいので抄出してここに採録します。

インフルエンザ脳炎・脳症とは

 インフルエンザに罹った幼児(主に1~5才)に、脳浮腫や、脳圧亢進が生じ、その結果、けいれん、意識障害、異常行動などの急速に進行する神経症状がみられ、さらに、血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなり、その結果、命に関わる重篤な疾患をインフルエンザ脳炎・脳症という。

 一般的に、脳内に直接ウイルスが浸潤して、炎症を起こす場合を脳炎といい、脳内にウイルスが検出されず、過剰な免疫反応が見られる場合に脳症と診断されている。

 インフルエンザ脳症を中心;脳症の発症は急激で、インフルエンザに罹ったその日から1~2日くらいで発症する。約80%が発熱後、数時間から1日以内に神経症状が見られている。1日足らずのうちに重症になることもある。特に有効な治療法もなく対症療法のみです。

 最近は少なくない。脳症の患者の殆どが幼児(主に1~5才)。なぜか日本に多く見られる。

 脳症は、なぜ起こる?

 脳症は、はっきりと原因が解明されていない。脳症では、脳内からウイルスが検出されたことは殆どなく、ウイルスが直接脳内に侵入しなくても発症する。

 免疫を調節し、体内に侵入した病原体を排除する物質を“サイトカイン”と言う。インフルエンザは、“サイトカインネットワーク”を障害し、過剰な免疫反応、「高サイトカイン血症」という状態になる。脳内では、「高サイトカイン脳症」という状態になり、脳細胞が障害を受けて、けいれん、意識障害、異常行動などが見られるようになる。

 さらに多くの細胞が障害を受け、全身状態が悪化すると、多臓器不全へと進み、重症となる。

 鼻粘膜に一番近い脳は、側頭葉で、側頭葉が障害を受けると、感覚・感情の変化→幻覚・幻聴などの異常行動がみられることになる。

脳症の進行は次の四段階に分けられる。

①.ウイルスの感染と鼻粘膜での増殖 (この段階の症状は、熱、鼻汁、咳などのカゼ症状)

②.免疫系の障害→高サイトカイン血症 (脳内では、高サイトカイン脳症→けいれん、意識障害、異常行動)

③.多くの細胞が障害を受け、全身状態が悪化

④.血管が詰まったり、多くの臓器の障害 (血管炎~多臓器不全)

 脳症の症状

 発症は急激で、80%は発熱後、数時間から1日以内に神経症状がみられます。よく見られる症状は、★けいれん、★意識障害、★異常行動などです。

★ けいれん:60~80%に見られ、全身がガタガタ震えるような硬直性が多く、持続時間は一定せず、短い場合は1分足らずです。短時間でおさまるような場合は、「熱性けいれん」の可能性が高いです。

★ 意識障害:起きているのか、寝ているのかわからないような状態です。「呼んでも返事をしない。少しくらいの痛みには反応しない」ような状態です。

★ 異常行動:「インフルエンザ脳症患者家族の会」が行ったアンケート調査から次のような事例が挙げられています。

 インフルエンザ脳症における前駆症状(まえぶれ)としての異常行動・言動の例

・両親がわからない。いない人がいるという。(人を正しく認識できない)

・自分の手を噛むなど、食べ物と食べ物でないものとを区別できない

・アニメのキャラクター・象・ライオンなどが見えるなど、幻視・幻覚的訴えをする

・意味不明な言葉を発する。ろれつがまわらない。

・おびえ、恐怖、恐怖感の訴え・表情

・急に怒り出す、泣き出す、大声で歌い出す

 こういう症状は、持続時間が短ければ「熱性せんもう」と言えるが、脳症の場合は持続時間が長い。基準はないが、意識障害と同様に、症状がどんどん進むようなら要注意。

 上記のような、★けいれん、★意識障害、★異常行動は、脳症が疑わしく、入院経過観察が望ましいと思われます。一般の診療所では対応が困難ですので、早めに総合病院受診を奨める。

 ワクチンは脳症を予防できるか?

 脳症の原因として、「過剰な免疫反応~免疫の暴走」による「高サイトカイン血症」が考えられています。ワクチンは「高サイトカイン血症」を直接防ぐことは出来ませんが、その原因となる「過剰な免疫反応~免疫の暴走」を予防して、脳症の発症を防ぐことが出来るかもしれません。インフルエンザに罹る前にある程度の免疫を作っておくこと。つまり、インフルエンザワクチンが脳症の予防に効果的ではないかと考えられる。

 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ、ラピアクタ、イナビル)は脳症に効くか?

 抗インフルエンザ薬を使用すれば速やかに解熱しますが、抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスの増殖を抑える働きはあるものの、直接免疫反応に働きかけることはない。

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