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2019年12月2日

11343:外傷性に視交叉病変および複視を来した一例:学会演題③

清澤のコメント:両耳側半盲を示すキアズマ症候群では左右眼の視野に重なり部分が少なくて、左右の視野がスリップしてしまう件が知られています。( The separation and vertical slip of the intact nasal hemifields develops with small changes in the alignment of the eyes. )この症例で 演者は「プリズム処方前に融像訓練を実施することが有効 」だったといっています。(当院の提出演題です。)

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P-60外傷性に視交叉病変および複視を来した一例

〇小町 祐子1、井手 奏絵1、石川 弘1、清澤 源弘1.2、

1清澤眼科医院、2東京医科歯科大学

【目的】交通外傷により眼球運動障害と両耳佃l半盲を合併し、複視を来した症例を経験したので報告する。

【症例】40代男性。X年7月バイク事故での頭蓋底骨折により前頭葉脳挫傷。味覚・嗅覚障害とともに両耳側半盲発症。本人によれば、眼球運動障害にともなう大きな偏位により複視を来していた。少しずつ症状の改善がみられていたが、4年後、運転時に遠方視で複視が増悪するとの主訴で当院を受診した。初診時視力:右(0.4)、左(1.2)。両耳側半盲視野が認められた。眼位は近見16△ X(T)’、遠見8△ XT L/Rl△ 。2~ 3mより遠方で斜め方向の複視を訴えていた。MRIにて下垂体柄の腫大がみられたがホルモン検査は異常なく、両耳側半盲は前交通動脈からの細枝のspasmによる循環障害によるものであったと推定した。

【処置および経過】遠方視の複視に対し融像訓練を実施。日常視下での複視は融像可能となったが、フロントガラス越しの遠方視では垂直方向の複視の残存により融像が困難であった。垂直プリズム眼鏡による矯正をおこなうことで複視の改善がみられた。

【考察】融像訓練の上で垂直偏位のみプリズムで矯正することにより、水平方向の複視に対して自己コントロールすることが可能となった。眼球運動障害に両耳側半盲を合併することで融像がより困難であった症例に対しても、プリズム処方前に融像訓練を実施することは有効であると考えられた。

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