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2019年8月6日

10986:眼科における指定難病認定 :解説記事が出ています。

清澤のコメント:日本医師会雑誌8月号、興味を惹かれたのがまず上記の「眼科における指定難病認定 」という記事です。どの疾患が我々のテリトリーにあるのか?(ブラウ症候群なんて知ってましたか?)そもそも自分はどの資格(難病指定医なのか協力難病指定医なのか?)なのか?から確認しなくてはなりません。なお、この記事を読むには、雑誌が送られてきたときのあてな用紙に説明のある「ユーザーID」と、「パスワード」が必要です。必要性はわかりますが、せっかくの記事をよくもこうまで必要なときに見難くしたものだと思いました。

眼科における指定難病認定 石原麻美 (要旨を抄出再録)

難病法とは  

「難病」とは,原因不明で治療法が確立されてお らず,長期の療養が必要な希少疾患である.最初 に 56 疾患が特定疾患治療研究事業(医療費助成 事業)の対象となり,担当医が調査票を書き所定 の審査を通過すれば,医療費は公費負担となって いた.

その後,対象疾患の拡大と見直しに迫られ, 「難病の患者に対する医療等に関する法律」いわゆ る「難病法」が成立,2015 年 1 月より施行され た.

難病法において医療費助成の対象である「指定難病」の基準は,患者数が一定の人数に達しな いこと(人口の 0.1%程度),かつ客観的な診断基準があることであり,2018 年 4 月時点で 331疾患となっている.

これにより,難病の治療にかか る自己負担割合は 2 割となり,決められた負担上限月額を超える負担はなくなった.

2.主な眼科関連の指定難病  

全身性疾患では,ぶどう膜炎を合併するサルコ イドーシス,ベーチェット病,潰瘍性大腸炎,クローン病,強直性脊椎炎,若年性特発性関節炎, ブラウ症候群(清澤注:ブラウ症候群は、皮膚と関節そして眼にサルコイドーシスと呼ばれる病気によく似た肉芽腫ができる病気です。 1985年にアメリカの小児リウマチを専門とするブラウ医師によって、皮膚と関節そして眼に4世代に渡って肉芽腫を来す家族が報告されたのが家族例としては最初の報告であり、このためブラウ症候群と呼ばれます。 )のほか,多発性硬化症/視神経脊髄炎,シェーグレン症候群,IgG4関連疾患,スティー ヴンス・ジョンソン症候群,重症筋無力症,高安動脈炎,悪性関節リウマチ,眼皮膚白皮症などが ある.  

眼科疾患では,網膜色素変性症,レーベル遺伝性視神経症,無虹彩症,黄斑ジストロフィー,前眼部形成異常などがある.

3.臨床調査個人票と重症度分類  

難病法では日常生活や社会生活に支障があるか どうかを判断する「重症度分類」が設けられ,「臨 床調査個人票」に反映されている.臨床調査個人票には,診断と重症度分類に関する判定結果が記載され,都道府県において最終判断が行われる.

指定難病と診断されても,重症度分類に則って軽症と判断されると,医療費助成が受けられないことになる.

たとえば,サルコイドーシスでは,--中略ーー助成を受けるために は重症度がIII度以上である必要がある.

眼病変だけの患者は軽症と判定されることが多いが,軽症を保つために継続して高額の医療費がかかる場合 は,「軽症者の特例」として助成が受けられるよう になっている.

4.難病申請と難病指定医  これまで難病の診断は,医師であればだれでも行うことができた.しかし現在は,都道府県・指定都市が指定した「難病指定医」だけが指定難病の新規および更新申請に必要な臨床調査個人票 (診断書)作成ができるので,注意が必要である.

「難病指定医」の要件としては,

①難病の診断また は治療に 5 年以上従事した経験があり,申請時点 において関係学会の専門医の資格を有しているこ と,または,

②難病の診断または治療に 5 年以上 従事した経験があり,一定の研修を修了していることである.

一方,「協力難病指定医」は更新申請 に必要な書類のみ作成できる.  

難病指定医の役割は,臨床調査個人票の作成お よび患者データを登録管理システムに登録するこ とであり,診療や治療の質の向上のために必要な 疫学データベースの構築に重要な責務を負ってい ると言える.

おわりに  

今後,眼科医による臨床調査個人票作成の機会 も増えると考えられる.各疾患の診断基準や重症 度分類は,難病情報センターのホームページ1) を 参照されたい. ーー

文献 1)難病情報センターホームページ.http://www.nanbyou. or.jp/(2019 年 4 月 4 日閲覧)

免疫異常と眼炎症:日本医師会雑誌2019.8
2019年8月1日発行 第148巻・第5号 
目次■特集
免疫異常と眼炎症
企画・監修後藤 浩,寺﨑浩子
【巻頭言】眼所見を示す免疫異常・アレルギー疾患
寺﨑浩子
……861 [ PDF]
【座談会】免疫異常と眼のかかわり
……865~878 [ PDF]
司会:寺﨑浩子・後藤 浩・岳野光洋・白根雅子
免疫異常をもとに発症する眼疾患の概要
後藤 浩
……879~882 [ PDF]
難治性眼表面疾患
外園千恵
……883~887 [ PDF]
シェーグレン症候群によるドライアイの臨床像と免疫異常による病態
小川葉子
……889~892 [ PDF]
関節疾患と眼炎症
武田彩佳・堀 純子
……893~896 [ PDF]
Vogt―小柳―原田病
山木邦比古
……897~900 [ PDF]
サルコイドーシス
園田康平
……901~904 [ PDF]
炎症性腸疾患と眼炎症
南場研一
……905~907 [ PDF]
IgG4関連疾患
高比良雅之
……909~912 [ PDF]
小児に特有な眼内炎症
坪田欣也・後藤 浩
……913~917 [ PDF]
重症筋無力症
木村亜紀子
……919~921 [ PDF]
視神経炎と自己免疫
毛塚剛司
……922~924 [ PDF]
がんと自己免疫網膜症
近藤峰生
……926~927 [ PDF]
■ひとくちメモ
高安動脈炎
長岡泰司
……888 [ PDF]
免疫チェックポイント阻害薬による眼の副作用
川島秀俊
……908 [ PDF]
リウマチ・膠原病治療薬による眼の副作用
篠田 啓
……918 [ PDF]
眼科における指定難病認定
石原麻美
……925 [ PDF]

Categorised in: 全身病と眼, 未分類