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2019年3月11日

10528:視覚障害のあるYouTuberたちから、わたしたちが学ぶべきこと:記事紹介

見えても、見えなくても:視覚障害のあるYouTuberたちから、わたしたちが学ぶべきこと

清澤の見た要点:視覚障害のあるYouTuberたちは、コミュニティを作り上げ、“そうではない”人々を教育し、当事者の立場からプラットフォーム自体のアクセシビリティを高めてきた。彼らが手がける動画は、同じ障害のある人たちの手引きになると同時に、世界をノーマライゼーションに導く。(出典:https://wired.jp/2019/03/10/blind-youtube-creators/

本文EMMA GREY ELLIS、翻訳:MIHO MORI/GALILEO WIRED(US)  2019.03.10 SUN 17:30

インターネット上で目が見えないと言えば、最悪の場合、嘘つき呼ばわりされてしまう。

「目が見えない人も、ほかの人と同じようにネットを利用しているし、ネットが大好き。それを毎回説明するのは、ばかばかしい」

では、その対抗手段は何だろうか? それは、視覚障害のあるクリエイターたちが活発な活動を展開しているYouTubeのコミュニティーだ。

生活を見せ、コミュニティーをつくる

クリエイターたちの存在は、「目が見える人々」には知られていない。

視覚障害のある人々のYouTubeチャンネルでは、わたしたちがおそらく考えたこともないような質問に答えてくれる。YouTuberたちは、自分たちの生活を垣間見せることで、一般の人たちを教育している。そしてYouTubeは、より幅広い視覚障害者コミュニティーが集まる場所にもなっている。

自らの手でYouTubeを“使える”プラットフォームに

YouTubeが視覚障害者に最も適しているようには思えない。YouTubeも動画を中心としたソーシャルプラットフォームだから。しかし、視覚障害のあるYouTuberのなかには、それを理由にYouTubeを使うようになった人もいる。

トミー・エディソンは「映画の、すべての展開が視覚的な表現で。まったくわからないままだった」。彼はその苦い経験から、YouTubeチャンネル「Blind Film Critic」を開設した。

「ぼくが知る限り、YouTubeに動画を投稿した視覚障害者はぼくが初めてだったと思う。2011年に投稿を始めたころのYouTubeは、とても使いにくいもので、動画の一時停止や再生ボタンさえ見つけられなかった。」

表示されている文章を音声で読み上げるスクリーンリーダーが役に立つのは、開発者たちがそのための書き込みを行なっている場合のみ。

11年当時、YouTubeはエディソンにとってはほとんど無音の空間だった。スクリーンリーダーの誤作動も多かった。YouTubeではその後、問題のあった部分の再調整が行なわれた。スクリーンリーダーを使うにあたってのチュートリアルを提供し、視覚障害のあるユーザーがキーボードのショートカットで自動的に検索バーなどの主要機能に飛べるようにした。

補助としての動画

視覚障害者たちにとって、動画はわたしたちが想像する以上に利用しやすいフォーマットだ。視覚障害者の大部分には、いくらかの残存視覚がある。法定視覚障害者である映像作家ジェームズ・ラスは、子どものころからカメラの助けを借りながら世界を見てきた。

ラスは、「ぼくは網膜が弱くて文字が読めないけれど、ズームインすればショットの構図を確認することは十分にできます。9歳のころからYouTubeのアカウントをもっていますよ」

グリアも、動物園に行く際にはカメラを持参し、16歳からYouTubeを利用している。

YouTubeにはふとしたときに視覚障害者がアクセスできるコンテンツがたくさんある。製品の梱包を開く「unboxing」動画やレヴュー動画、読み聞かせ動画はいずれも、基本的には語り手によるポッドキャストだ。

動画をつくるときのコツ

クリエイターたちが目指すのは「目が見える人々に対して自分たちの体験を理解させる」以上のことである。

「TheBlindLife」チャンネルのフロントマンであるサム・シーヴィーは、「ぼくは視力が弱い人のためにコントラストを効かせている。背景は意識的に大きな無地の壁にし、4Kカメラを使っています。」

また、自分たちが行動するすべてのことを、こと細かに説明するようにも気を配っている。外国語字幕をつけるのと同じ方法で音声解説をつけることがでれば、YouTubeはこれまで以上に視覚障害のあるユーザーにとって役に立つプラットフォームになるのだという。すべての人にとって真に役立つ動画にするためには、見え方や感じ方の工夫以上のものが必要になる。

すべての“初めての人”のために

彼の視力は成人になってから徐々に悪化した。YouTubeに出会うまでは人と交わることもなく、失業状態にあった。

「視覚障害のある人たちに、ぼくの動画で、教えることができればいいなと思う。そうすれば、ぼくが役に立っているということになります」と彼は言う。

その教えは実践的であり、哲学的でもある。

アクセシビリティは障害者だけのものではない

視覚障害の有無にかかわらず、クリエイターと視聴者の両方にとって、これらのチャンネルは誰かの世界を広げるだけでなく、世界をノーマライゼーションへと向かわせるものでもある。「とてもシンプルな内容ですが、わたしたちはほかの人とそれほど違わないということを人々に見せられるのは素晴らしいことです」とグリアは語る。

「いまは視覚障害とともに生きるには、いちばんいい時代だ」と語るシーヴィーの言葉は、よい点を突いているのかもしれない。その大部分はテクノロジーによるものだ。

「アクセシビリティは障害者だけのものではない。」「ものを見ないで何かができるようになれば、マルチタスクが可能になって、生産性も向上する。その利点を、すべての人が理解することが重要だと思います」

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