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2019年2月19日

10482:寿命つかさどるたんぱく質「ルビコン」を発見:阪大

寿命つかさどるたんぱく質を発見 自食作用抑える 阪大など研究チーム

清澤のコメント:最近このブログでも言及することが多かったライソゾーム関連の話題をもう一つ。要するに、「ルビコン」は ライソゾームによる細胞内で不要物を分解するライソゾームに関連する「オートファジー」(自食作用)を抑えるたんぱく質である。ニューロンにおけるルビコンのノックダウンは寿命に影響を与える。ルビコンは、いくつかの長命の虫やカロリー制限のあるマウスでは抑制されている、ということだそうだ。

2019年02月19日 19時00分 毎日新聞

 寿命や老化現象に関わるたんぱく質を発見したと、大阪大などの研究チームが19日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)で発表した。細胞内の不要物を分解する「オートファジー」(自食作用)を抑えるたんぱく質で、細胞内で作れないようにしたハエや線虫は寿命が1.2倍に延び、マウスはパーキンソン病の発症が抑えられたという。

 オートファジーは大隅良典・東京工業大栄誉教授が仕組みを解明し、2016年のノーベル医学生理学賞の受賞対象となった。カロリー制限などでオートファジーが活発になると、寿命の延長や加齢に伴う病気を予防できると動物実験で分かっている。しかし、どのように活性化するかは不明だった。

 オートファジーを抑制するたんぱく質で、09年に発見された「ルビコン」にチームは着目。老いたショウジョウバエと線虫、マウスのルビコンを調べると、若い個体より約1.5~2倍に増えていた。

 遺伝子操作でルビコンを作れなくすると、ショウジョウバエも線虫も寿命が最大20%延びた。老いた線虫で比べた場合、ルビコンがない線虫の運動量は通常の2倍あり、若いころの筋肉が保たれたとみられる。

 腎臓と脳にルビコンがないマウスを作製すると、腎臓の機能不全につながる繊維化が半減し、脳ではパーキンソン病の原因たんぱく質が生じなくなったという。

 ルビコンは人にもあり、薬などで増加を抑えられれば寿命延長や病気の抑制ができる可能性がある。チームの吉森保・阪大教授(細胞生物学)は「オートファジーは日本がリードする分野だが、創薬など事業化が遅れている。大学発ベンチャー企業を設立し、この成果を生かしたい」と話している。【渡辺諒】

オートファジー

 生物が飢餓を乗り越えたり、細胞を新陳代謝したりするために、細胞内の不要物を分解し再利用する現象。病原体など有害物を除去する働きもある。細胞内に隔離膜と呼ばれる膜が現れて不要物を包み込み、分解酵素を含んだリソソームが融合して不要物は分解される。

原著に戻れば:

ルビコンによる自食作用の抑制は加齢のサインです

Nature Communications 第 10 巻、記事番号:  847(2019) 

抄録

進化的に保存された細胞質内分解系であるオートファジーは、様々な長寿経路における収束機構として関与している。自食作用活性はいくつかの生物において年齢とともに減少するが、その根底にある機序は不明である。ここでは、オートファジーの負の調節因子であるルビコンの発現が転写産物および/またはタンパク質レベルで老齢の虫、ハエおよびマウスの組織で増加することを示し、ルビコンの年齢依存的な増加が経時的なオートファジーを損ない、それによって削減することを示唆する動物の健康スパン。この考えと一致して、ルビコンのノックダウンは、ワームとハエの寿命を延ばし、いくつかの年齢に関連した表現型を改善します。組織特異的実験は、ニューロンにおけるルビコンノックダウンが寿命に最大の影響を与えることを明らかにする。ルビコンノックアウトマウスは腎臓の間質性線維症の減少および脳内のα-シヌクレイン蓄積の減少を示す。ルビコンは、いくつかの長命のワームやカロリー制限のあるマウスでは抑制されています。まとめると、本発明者らの結果は、ルビコンによる自食作用活性の抑制が老化の兆候の一つであることを示唆している。

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