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2019年1月10日

10380:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症=チャーグ・ストラウス症候群とその眼症状

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)(チャーグ・ストラウス症候群)とその眼症状


好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 はアレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis:AGA)あるいはチャーグ・ストラウス症候群(Churg Strauss syndrome:CSS)と呼ばれてきた血管炎症候群で、大学病院の神経眼科眼科外来では上強膜炎様の患者に遭遇することがしばしばあります。また、此の特定疾患名を持つ患者が一般眼科外来を訪れることも有ります。また本ブログでは「チャーグ・ストラウス症候群Churg-Strauss syndromeの眼症状」という過去の記事があります。https://www.kiyosawa.or.jp/uncategorized/38069.htmlにリンク。また、下の記事は難病情報センターの記事(http://www.nanbyou.or.jp/entry/3878)を参照したものです。

○ 概要
 
1.概要
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)は、従来アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis:AGA)あるいはチャーグ・ストラウス症候群(Churg Strauss syndrome:CSS)と呼ばれてきた血管炎症候群で、2012年の国際会議で名称変更がなされた。日本語名も、これに呼応して検討され、表記のように定められた。
臨床的特徴は、先行症状として気管支炎喘息やアレルギー性鼻炎がみられ、末梢血好酸球増多を伴って血管炎を生じ、末梢神経炎、紫斑、消化管潰瘍、脳梗塞・脳出血・心筋梗塞・心外膜炎などの臨床症状を呈する疾患である。30~60歳の女性に好発し、男:女=4:6でやや女性に多い
我が国における年間新規患者数は、約100例と推定されている。年間の医療施設受診者は、約1,800例と推定されている。
血中の好酸球増加以外に、好酸球性組織障害因子(ECPなど)の上昇、IgE高値なども認められる。抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)のサブタイプであるミエロペルオキシダーゼに対する抗体(MPO-ANCA)が約50%の症例で血清中に検出される。
病理組織学的特徴は、真皮小血管を中心に核塵を伴い、血管周囲の好中球と著明な好酸球浸潤を認める細小血管の肉芽腫性あるいはフィブリノイド変性を伴う壊死性血管炎や白血球破砕性血管炎(leukocytoclastic vasculitis)が認められ、ときに、血管外に肉芽腫形成が観察される。
診断は後述の診断基準によってなされ、(1)先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎、(2)血中の好酸球の増加、(3)前項にある血管炎症状を認めることによる。さらに病理組織所見が存在すると確実になる。参考所見として、血沈亢進、血小板増加、IgE高値、血清MPO-ANCA(p-ANCA)陽性などが重要である。
 
2.原因
気管支喘息、アレルギー性鼻炎が先行し、著明な好酸球増多症を呈することから、何らかのアレルギー性機序により発症すると考えられる。ロイコトリエン受容体拮抗薬を使用後に本症が発症することがあるが、明らかな因果関係は証明されていない。
 
3.症状
主要臨床症状は、先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎と、血管炎によるものである。発熱、体重減少、末梢神経炎(多発性単神経炎)、筋痛・関節痛、紫斑、胃・腸の消化管出血、肺の網状陰影や小結節状陰影、心筋梗塞や心外膜炎、脳梗塞・脳出血などである。多発性単神経炎は、急性症状が改善してからも、知覚や運動障害が遷延することがある。
 
4.治療法
軽・中等度症例は、プレドニゾロンで治療する。重症例では、ステロイドパルス療法あるいは、免疫抑制薬(シクロホスファミドパルス療法など)を併用する場合もある。副腎皮質ステロイドに治療抵抗性の神経障害に対してガンマグロブリン大量静注療法が用いられる。
 
5.予後
上記の治療により、約90%の症例は6か月以内に寛解に至るが、継続加療を要する。残りの約10%は治療抵抗性であり、副腎皮質ステロイド単独による完全寛解は難しく、寛解・増悪を繰り返す。この内の10%は重篤症例で、重症後遺症を残すか死に至る。寛解例でも、多発性単神経炎による末梢神経症状が遷延する場合や、時に血管炎が再発を来す症例があるので、注意を要する。

Categorised in: 未分類

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