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2018年11月18日

10276:「スポーツの可能性~パラリンピックと視覚障害者~」為末大さんのお話を聞きました。

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清澤のコメント:代表的な日本人アスリートの為末大さんのお話を聞きました。この方の論説はその昔感激して読んだことも有りました。
記録は目の前で破られるのを見て破れるものだと知る。といったお話が印象的でした。

4746 五輪が東京に来るということの一番の意味は、20年に日本がどんな社会であるべきか、自分はどう生きているかを皆が想像したこと;為末大  https://www.kiyosawa.or.jp/socioeconomy/40606.html)

本日は、網膜硝子体外来、神経眼科外来、大学からの応援と私と4人の医師で午前の外来診療を済ませて、応援の医師達とお昼を食べてから駆けつけたのが「スポーツの可能性~パラリンピックと視覚障害者~」です。

以下が聞き書きメモの内容です:

プログラム集には略歴が記されただけで、こんな話をするというアブストラクトはありませんでした。

スポーツマンは視覚で① スペーシング ② タイミング ③ グレーディング の3つの成分を同時に見るのだそうです。障害者では何かが欠けていると思われがちだが、同時に別の何かが卓越している。パラリンピック出場者ではアダプテーションが良いとか、可塑性があるとかと表現できるものが有る。

スポーツで選手が見るという場合3つまたは4つのカメラが想定されます。第1のカメラでは(私が見ている)風景という見方です。第2のカメラは、スーパーマリオの画面の様に傍らで私を含めて見ているカメラの風景です。世阿弥は「離見の見」と芸事の極致を表現しています。優れたスポーツマンやコーチは1カメよりから2カメへと進化しますが、時に天才的スポーツマンはあくまで1カメ視点で話をすることが有ります。第3のカメラは相手から見た自分を眺める画像です。例えば、フェイントをかける場合にはこの視点が必要です。問題なのが第4のカメラで、監督から見てどう映るかを見てしまいます。チームのピンチや、自分が失敗したときに選手が何処を見ているかを見ると、其処にとらわれている選手は見分けられます。

話ついでに空手キッドの話をします。沖縄出身の空手の達人が、空手を学ぶ白人の子供に、「右手でワックスを掛け、左手で拭く」ことをさせます。その理由がわからぬまま少年はそれをしていますが、ある時相手に殴り掛かられた場面で右手で受け、左手で攻撃ができることを悟るという話です。闘う時には相手のパンチをパンチを見なくてはなりません。ドリブルをうまく行うには、練習でドリブルするボールではなく試合の流れを同時に見る目が必要なのです。

 次に型を記憶するという話があります。最初に付いた運動の癖は直し難いものです。例えば、ハードルを跳び越すときには足の裏を前方に残しますが、足を尖足にして飛ぶ癖を持った選手にそれを直させることは困難でした。パラリンピアンと過ごすと、人間を理解するという事、人間の可能性を理解するという事に気付きます。

 ロジャー・バニスターという1600メートル走の名選手が居ました。長年4分を切れないとされた記録を破った人です。インターバルトレーニングを取り入れ、ペースメーカーを取り入れと多くの工夫をしてこの記録を塗り替えました。然しその3カ月後、またその後と記録は2年で7回も書き換えられたのです。人々はこの流れの変化を練習方法の変化だとか、ドーピングがあったのではないかなどと言いましたが、ヒトは成し遂げられた新記録を見て記録更新が可能であったと気づきそれを試みるものだという事だと思います。ほとんどの人には本当の限界が見えてはいないという事でしょう。日本人でも100メートル走で10秒が切られています。更に記録はこうしんされるでしょう。

 野茂選手が出たことが、日本人の大リーグへの進出の先駆けとなりました。セリエAがテレビで見られるようになって、日本人のサッカーレベルが向上したと言われます。

 2020年に向けて何が限界を決めているのか?が問われます。カールルイス9,99.いま世界は9,58です。人は学習や技術ではなく先陣を見て成長するのでしょう。オリンピックを自国で見られることの生家は大きいでしょう。

 パラリンピックの走り幅跳びに下腿義足というカテゴリーがあり、健常人より良い記録を出す人がいます。この人は、オリンピックに出場したいとしていますが、反対も有ります。障害とは何か?を考えさせる事例です。

 盲人と車いす使用者が一緒に出掛けるという場面を見ることがありました。それは、普通に考えがちな様に、身体障害者を健常者が支えるという事ではなく、お互いが支え合って行けることを示しています。

 ある環境との接点で感ずることは、引退する選手はその後コーチになりたいと思うという事です。

  「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」という孔子の言葉があります

 陸上競技の訓練でエンデュランス(忍耐力)トレーニングというのがあります。選手は週に5~6日この苦しい練習をします。その中から成績の良い選手が選ばれてオリンピックに参加できる人が決まります。その中で、苦しいだけではなく工夫をしてみることが面白くなってきました。25年の現役時代を通して、やってみることを楽しみとしたのが知恵だろうと思う。そうして、無理だと思われたことが出来ることに代わったのです。

QA:体形を保つコツは?との座長の質問に対し、炭水化物ではなく植物性蛋白からなる豆腐を多数用意して、空腹を満たしたという答えをされていました。

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