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2018年11月13日

10266:10266:片側顔面痙攣手術適応検討に3次元コンピュータグラフィクス利用:記事紹介

VRを使った教育や研究を推進:という記事紹介です

清澤のコメント:片側顔面痙攣の分野でも「開発を進める手術シミュレーターでは、手術適応の可否の判断にも役立つ。例えば、これまで26年間手術不適応とされてきた顔面痙攣の患者の場合、開発したシステムでシミュレーションをしたところ、手術可能とわかった。」といったお話が研究会では話されたようです。眼科医は片側顔面けいれんは原則的にはボトックス注射で対応していますが、患者さんの希望によっては顔面神経への微小血管減圧術も行われます。その適応の決定の場面と思われます。今後もこのような研究が進み、臨床医療に役立てていただけることに「片側顔面痙攣を扱う眼科医」として期待しております。

〈記事抜粋〉出典: https://www.huffingtonpost.jp/katsue-nagakura/vr-perspective_a_23579839/

 日本のVR研究者らは1990年代の第一次VRブームの時期から、アカデミアVRで存在感を示してきたが、その中心となったのが東京大学の研究者らだった。(中略)

 今年2月、東京大学は、「バーチャルリアリティ教育研究センター(VRセンター)」を設置した。11月1日に開催された設立記念式典「東京大学が挑戦するバーチャルリアリティの未来」では400人近くが参加し、産学官からの期待の高さがうかがわれた。

 若手講演・パネルディスカッションの「バーチャルリアリティへの期待」とした前半では、若手教員が現場からの課題とVRへの期待を議論した。

 前半の「バーチャルリアリティへの期待」に最初に登壇した医学系研究科(東大病院脳神経外科)助教で医師の金太一氏は、自身もVRを使った手術シミュレーションの研究と臨床現場での利活用を進めている。脳腫瘍など脳神経外科手術では、知識、戦略、判断、手先の器用さが必要となる。こうした知識やスキルの支援、トレーニングとして、手術プランニングソフトや手術トレーニングといった手術シミュレーションがある。だが、金氏は「現状はどちらにも課題がある。(現場で使いやすい)手術プランニングソフトはほぼ皆無。手術トレーニングに必要な高精細な生体モデルが存在しない」と説明する。

講演する金氏 dims.jpg

 そこで金氏はこうしたシミュレーターの開発を進めているが、「反省したこと」として紹介したのが、脳動脈瘤クリッピングシミュレーターの開発だ。脳動脈瘤クリッピングの手術シミュレーションとして実際に手術症例で使ってみて役に立ち、またこれをもとに研究論文を書くこともできた。だが、現在は使っていないという。「役に立ち、日々現場で使われるにはどうしたらいいか。(研究としての)業績優先もほどほどにしなければいけない」とした。

 金氏は現状の取り組みを紹介した。手術1症例あたりの医用画像は数十種類、数千枚にものぼり、その情報を融合しようとしている。手術のシミュレーションとして臨床現場で活用するために、「(3DCGの)シンプルなモデルでも、プアであってはならない。研究開発済みだからといって、更に研究する要素がないというわけではないし、社会還元という課題がある」と話した。

 開発を進める手術シミュレーターでは、手術適応の可否の判断にも役立つと。例えば、これまで26年間手術不適応とされてきた顔面痙攣の患者の場合、開発したシステムでシミュレーションをしたところ、手術可能とわかったという。こうして手術前のシミュレーションとしてこれまでに900症例以上で活用してきた。

 金氏は手術シミュレーターの3DCGモデル開発について、開発と臨床現場に携わる立場から2つの視点を述べた。ひとつは、形状を変形させたときの物理的整合性は必要か?という課題について、「厳密な物理的整合性は必要ない。本当に見たいのは、変形させたときの脳の奥にある構造だ」と話した。また、視覚的なリアリティはどこまで必要か?という課題については、「『多分必要になるからリアルに作る』というのではなく、目的を明確にする必要がある。単に視覚的にリアリティがあればいいというわけではない」とした。

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