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2018年11月12日

10264:ナメクジを食べた男性が、脳を侵すネズミの肺寄生虫で8年後に死亡:記事紹介

Man Who Ate Garden Slug Dies From Rat Lungworm

ナメクジは食べないで Peter Nicholls-REUTERS:気持ち悪いだけでなく命の危険もある。


2018年11月6日(火)<友だちとパーティー中にふざけてナメクジを食べたせいで、広東住血線虫症にかかり重い障害を負った青年は、短い一生を終えた>

オーストラリア在住の27歳の男性が、広東住血線虫症に起因するさまざまな合併症を患った末に11月2日死亡した。原因はなんと8年前に庭にいたナメクジを食べたことだという。

彼は19歳だった2010年、友人たちと自宅の庭でワインを飲んでいた。「ちょっと大人ぶるためのワインだった。その時、その時、ナメクジが這い出てきたんだ」と、友人は地元メディアに語った。「『食べてみせようか?』と言うと、代わりにサムが食べた」

それから数日、サムは足に痛みを覚えるようになった。ナメクジが原因かもしれないと心配になって病院に行くと、広東住血線虫症だと診断された。脳や脊髄に影響を及ぼす病気だ。

広東住血線虫症は線虫が寄生することで引き起こされる病気で、その成虫は通常ネズミなどからのみ検出される。だがこの寄生虫に感染したネズミの排泄物の中に幼虫がいる場合があり、ネズミの排泄物を食べたナメクジやカタツムリが感染していることがある。

米疾病対策センター(CDC)によれば、広東住血線虫症は多くの場合、時間の経過と共に自然に治癒する。だが一部のケースでは、脳の損傷や死につながるような重篤な合併症を引き起こすことがある。

サムの場合は、広東住血線虫が原因で好酸球性髄膜脳炎を発症。一年以上にわたって昏睡状態が続き、その後、意識を取り戻したものの脳に損傷を受けていた。

2017年10月には、バラードが障害者保険から受給していた給付金が削減され、バラードの病状に注目が集まった。11月4日、オーストラリアのテレビ番組がバラードの死を報じた。

広東住血線虫症で死に至るケースは稀だ。アメリカではハワイ州で発症が確認されることが最も多く、他州ではほとんど発症例はない。CDCは広東住血線虫症への感染を回避するために、ナメクジやカタツムリ、カエルや海老を生で、あるいは加熱不十分な状態で食べないように呼びかけ、次のように勧告している。「カタツムリやナメクジに触る時は手袋をして、その後はよく手を洗う。生鮮食品は必ずよく洗う。旅行で寄生虫が多い地域を訪れるときは、生野菜を食べない」バラードの死を無駄にしないためにも。(翻訳:森美歩)

広東住血線虫症とは『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば:広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)の幼虫寄生を原因とする人獣共通感染症。

広東住血線虫の終宿主はネズミであり、ネズミから排出された第1期幼虫が中間宿主であるナメクジ類に摂取されると、その体内で第3期幼虫まで発育する。このナメクジ類がネズミに摂取されると第3期幼虫は中枢神経に移動し、第5期幼虫まで発育する。第5期幼虫は肺動脈へと移動して成虫となる。中間宿主が最終宿主に摂取されると第3期幼虫のまま寄生する。

ヒトでは中間宿主や最終宿主に汚染された食品の摂取により寄生が成立する。ヒトの体内に侵入した第3期幼虫の多くは中枢神経へと移動し、出血、肉芽腫形成、好酸球性脳脊髄膜炎などを引き起こす。サイアベンタゾールやメベンタゾールなどが治療に使用される。第3期幼虫が中枢神経へ移動する理由としては、免疫システムからの回避、成長に必要な脳由来酵素の獲得、槍型吸虫やロイコクロリディウムのような宿主のコントロールといった仮説が挙げられる。

目に対する感染の話としては:寄生虫ベクトル。 2016; 9:161に犬の3症例報告がある。眼におけるAngiostrongylus vasorumの新規症例報告および文献レビュー。ビト・コールレラ他

バックグラウンド部分を含めて抄出してみる。:

Angiostrongylus属の線虫は、いくつかの動物種およびヒトにおいて潜在的に生命を脅かす疾患の重要な原因である。 Angiostrongylus vasorumは、イヌ、赤キツネおよび他の肉食動物の心臓の右心室及び肺動脈に影響を及ぼす。広範な臨床徴候のために、イヌの広東住血線虫症の診断は困難かもしれない。眼の症状はめったに報告されていないが、罹患した犬には深刻な影響を及ぼす。

方法;英国、フランスおよびイタリアで診断されたイヌにおける広東住血線虫症感染3例の臨床歴が、診断手技および治療に関する情報とともに獣医師の臨床記録から得られた。感染したイヌの眼から採取した線虫は形態学的に種レベルに同定され、核18S rRNA遺伝子の増幅によって分子的に分析された。

結果;入院時には、目(結膜下)に運動性のある物体が存在したため、イヌは様々な程度の眼不快感を示した。3匹の罹患した犬は眼の手術を受けて線虫が除去され、その後形態学的および分子的に2匹の成熟した雄と1匹のA.vasorumの雌と同定された。

結論:診断を改善し、この寄生虫病に対する臨床的勧告を提供するため、犬広東住血線虫症の新規3症例が報告された。他の発表された臨床事例のレビューを併せて報告する。さらに、宿主体内の幼虫の移動パターンの重要性についても議論する。獣医の医療従事者は、眼疾患の鑑別診断においてイヌ広東住血線虫症を鑑別に含めるべきである。

キーワード:Angiostrongylus vasorum、Lungworm、眼感染症、眼、Metastrongyloidea、診断、カタツムリ

上記の抄録だけでは有用な情報が無いので、バックグラウンド部分も採録する。

Angiostrongylus Kamensk(Strongylida、Angiostrongylidae)属の線虫は、いくつかの動物種およびヒトにおいて生命を脅かす可能性があるり重要である。Metastrongyloidea属内の蠕虫症は、最終的な宿主における肺および関連する血管におけるそれらの局在のために、通常「肺炎」として知られている。 中間宿主として作用するカタツムリおよびナメクジによって発症し、それらが伝播する。これらの寄生虫の中で、Angiostrongylus cantonensis(広東)とAngiostrongylus costaricensis(コスタリカ)は、齧歯類、時にはヒトで好酸球性髄膜炎及び腹部血管病を引き起こす。イヌはA. costaricensisの最終宿主として認識されており、家庭環境でもこの寄生虫の貯留宿主として行動する可能性がある。 Angiostrongylus vasorumは、呼吸困難を特徴とするイヌ、赤キツネおよび他の肉食動物において重症の臨床的疾患を引き起こす可能性がある。この寄生虫感染症は、熱帯、亜熱帯、温帯地域(ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカなど)など、世界の多くの地域で不均一な分布をしており、新しい地域や明確な風土病としての局在は無い。 A.vasorumの診断における国際的なサーベイランスの欠如と困難は、その広がりと世界的分布に関するデータの収集を妨げている。それにもかかわらず、A.vasorumの地理的拡大の重要性についての決定的な結論を導き出す前に、寄生虫生物学に関する知識の向上が必要である。例えば、Aelurostrongylus abstrusus (Strongylida、Angiostrongylidae)の感染性第3段階幼虫のカタツムリから鼻への伝染は、風土病地域における腹足類感染症に関連する線虫の広がりの重要な例であると仮説されている。

他の転移性線虫と同様に、A.vasorumは、およそ16日間で、第1段階の幼虫(L1)から感染性幼虫(L3)までがカタツムリおよびナメクジに発生する。 イヌ属の最終的な宿主では、L3は腹部リンパ節で2回の脱皮を経て、5期の幼虫(L5)として右心室および肺動脈に到達し、そこで成虫になる。メスの成虫は、呼吸器系で産卵し、糞便中に卵を排出する。 イヌ属では、幼虫の排出頻度は年々変化するが、彼らの一生の間にL1を産生する可能性がある。この典型的な感染経路とともに、カエルもまた、A.vasorumの宿主として働き得る。さらに、犬では、環境中に居るカタツムリBiomphalaria glabrataからL3期幼虫を実験的に感染させることができる。

イヌ広東線虫症の臨床診断は、幅広い臨床徴候があり、不顕性臨床感染も起こるので、感染の真の有病率を過小評価してしまうことから、正しい診断が困難である。実際、呼吸器の兆候はA. vasorumによる感染の主な臨床症状であると考えられているが、血液凝固系、心血管系および神経学的障害も記載されている。

臨床像は、この状態が数カ月または数年も未診断のままであるという事実によって、さらに複雑になり得る。 呼吸器系および心臓の臨床徴候はA. vasorum感染と最もよく関連しているが、目の兆候はめったに報告されていない。 眼の線虫感染症を意識することで診断と治療は改善されるであろう。

清澤注:汚染した沼の水で泳ぐと鼻粘膜から感染するという疾患が何かあったような気がしたのですが、思い出せません。

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