お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年11月6日

10243:患者はどのくらいの頻度で緑内障と誤診されるのか?

清澤のコメント:確かに、神経眼科外来を担当していれば、緑内障と思ってあるいは古い視神経萎縮として診られていた患者さんから、視神経への圧迫性病変が見つかることはしばしばあります。上記の記事の概要をまとめてみました。緑内障の患者さんが「私は本当に緑内障なのでしょうね?」と主治医に聞いてみることは、あながち許されないことではないかもしれません。本日、米国眼科学会(AAO)から送られてきた眼科医向け記事の概要です。

(最近の記事は右コラムからご覧ください)

アーカンソー州のヴォルト医師は、「これは思うより頻繁に起こる」と語った。またカリフォルニア州のチェッカーマン医師も “これは極めてまれに見るというものではない。緑内障を患っているという患者が来て、「緑内障点眼が必要ないかもしれない」と思うことは、かなり一般的です”という。

緑内障、頭蓋内の問題(下垂体腺腫、髄膜腫、頸動脈や眼動脈の動脈瘤など)、眼窩の問題(甲状腺眼疾患や眼窩腫瘍など)など、特定の症例は、経験豊富な眼科医にも難易度は高い。しかし、誤診は不必要な検査や処置につながる可能性があるため、眼科医自身の診療法を試行錯誤で見つけることが不可欠だ。さらに悪いことに、その真の疾患が患者の健康や視覚を深刻に脅かす可能性もある。 

病歴:手がかりを聞く。

年齢を考慮する。:若年患者=原因は遺伝性、外傷後、炎症性、感染性。中年では、圧迫および血管事象。高齢*巨細胞性動脈炎も。虚血性視神経症:突然の視力喪失。圧縮性視神経症は緩やかに進行する。

症状、兆候を見よ:リビドーの喪失は男性の下垂体腫瘍の兆候。

眼の症状: 患者に次のいずれかの症状を経験したかどうかを質問する。
・突然または迅速な視力喪失の進行
・1つの目の中で異なる視覚を示す
・1眼での色覚の欠如(赤の不飽和化)
・眼球運動による視力喪失
・重度の頭痛を伴う視力喪失
・複視
・一時的な灰色またはブラックアウト
・眼窩痛または疼痛

神経学的症状:神経学的症状または問題のいずれかを経験したかどうか?
・以前の脳外傷または脳の問題
・うつ、衰弱、うずき
・頭痛、特に朝に目を覚ますほどの頭痛
・性欲の喪失

兆候:視神経乳頭の蒼白はすべての非緑内障状態の特徴でもある。

・眼球突出、眼瞼下垂、顔の非対称
・周辺視力を失うことなく中心視力を失う
・垂直子午線を尊重する中央暗点または視野
・視神経蒼白
・互いの視神経の外観が対称であるが、視野は非常に異なるもの
・非常に非対称的な損傷:求心性瞳孔欠損(APD)/色覚の脱飽和
・結膜充血または結膜炎

眼科検査では:オープンマインドを保つ
「ひとりの患者が緑内障の病名を取得すると、別の医者になっても疑いを受けることは少ない。殊に求心性瞳孔欠損を伴う片側正常圧緑内障は決して正確な診断ではない。

患者が緑内障を発症していると言われたら、同意せよ。しかし、何か「違う感じがする」か、あまり診断と合致しない場合は、別の眼科医の診断に疑問を抱くことを恐れないで。

包括的な眼科検査。

緑内障の診断を確定するために包括的な眼科検査を実施する。
これには、視力、色覚、瞳孔、視野、眼球運動の問題の発見が含まれる。
医師が瞳孔と運動性テストを技術者に任せることは問題がある。
眼圧(IOP)の検査は明らかに重要。視神経乳頭疾患が懸念される場合は、追加の視野が必要かも。
管理されていない糖尿病や高血圧:内科医による徹底的な血管評価、
古い静脈閉塞による網膜損傷には、フルオレセイン血管造影が必要かも。

部屋の灯りをつける。
完全に照らされた部屋で、

甲状腺眼疾患の非対称性または両側性関与(眼球突出)の証拠がないかどうかを調べる。
髄膜腫の患者では、例えば、顔面の患側がより大きくなる可能性がある。
頚動脈 – 海綿性洞瘻は目の表面上の血管の特徴的な拡張、眼瞼腫脹および眼球突出。



触診と測定

眼窩疾患が疑われる場合には、眼球後退に対する抵抗性を調べる。特にアジア人患者に有用。
視野:虚血性視神経症は、緑内障に見られるものと同様の視野欠損を引き起こす可能性がある。腫瘍患者の視野欠損と真の緑内障の別の視野欠損は区別できない。
自動視野は手動視野が垂直子午線を強調するのに及ばない。
正常眼圧緑内障では、病気の後期まで視力を喪失しない。
可能であれば、両眼の視野を一緒に見ることが役立つ。

持ち帰るべきメッセージ

緑内障の患者は、眼科医自身が見続ける必要がある。: この緑内障患者は、視力を喪失している間に約3年間眼科的経過観察が途切れたが、彼女の主治医は緑内障の点眼処方をし続けた。

予想よりも視野損失が多い。: この患者は、緑内障のカッピング程度から予期されるよりも強い視野障害を示し、視力喪失の進行も緑内障で予想されるよりも早く、緑内障以外の病態を示唆した。

視神経乳頭の蒼白に注意せよ。 前部視覚経路の圧迫は、緑内障と同様のカッピングを生じ得る。然し、これらの患者では、乳頭の縁は蒼白を示した。 この場合の蒼白は、患者が緑内障に加えて慢性で非脱髄性の視神経症を有することを示した。 したがって、MRIスキャンが有用であった。

Categorised in: 未分類