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2017年12月5日

9409:分子標的薬剤であるリツキマシブ(商品名リツキサン)についてその眼科応用

分子標的薬剤であるリツキマシブ(商品名リツキサン)についてその眼科応用例をググッてみた。 ⇒過去の当ブログ関連記事 https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54548773.html

 リツキシマブは遺伝子組み換え技術により開発された分子標的薬。抗原を認識する領域がマウス由来,それ以外の領域がヒト由来のマウスヒトキメラ抗体。この分子標的薬は,人のB細胞が増殖する時に,高頻度に発現しているCD20抗原を標的として作用する抗体。B細胞リンパ腫では90%以上の症例で,CD20抗原が多く発現している。この抗がん剤はCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対して使用される。

 

B細胞リンパ腫細胞表面のCD20抗原とこの薬剤の抗体が結合し,さらにこの抗体に補体成分が結合し,補体が活性化することで,抗体が腫瘍細胞に対して,細胞融解反応を引き起こされる。もう一方で,腫瘍細胞に結合したこの抗体薬に免疫細胞であるNK細胞やマクロファージが結合することで,これらが腫瘍細胞を破壊する。

 

治療対象となるがんの種類:CD20陽性B細胞性非ホジキンリンパ腫:悪性リンパ腫に対する従来の標準抗がん剤治療であるCHOP療法にリツキシマブを組み合わせたRCHOP療法が主に適用されている。

 

投与法:無色の液状の注射剤で,生理食塩水かブドウ糖液と混ぜ,成人には体表面積に合わせた投与量を1週間おきに静脈に点滴する。

 

リツキマシブ(リツキサン)の主な副作用:分子標的薬に特徴的なアレルギー反応の一種であるインフュージョンリアクションがあり,注意が必要。発熱,悪心,発疹,かゆみなどのアレルギー反応などが高頻度にみられ,重篤な場合はアナフィラキシー様症状,間質性肺炎などの肺障害,心臓障害などにより死亡例も報告されている。

 

腫瘍量の急激な減少に伴い,腎不全,高カリウム血症,低カルシウム血症,高

尿酸血症,腫瘍崩壊症候群が出現し急性腎不全,高カリウム血症,不整脈による死亡例もしくは透析が必要になった例も報告されています。

 

B型肝炎ウイルスキャリアの患者では,劇症肝炎または肝炎の悪化,肝不全による死亡例が報告されている。

 

皮膚粘膜眼症候群(スチーブンス・ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症などの皮膚粘膜症状が出現し,死亡した例が報告されている。この抗がん剤の投与により,好中球減少などの骨髄抑制が起こり,骨髄抑制細菌感染症のリスクが高まることも報告されている。

 

追記:

眼原発悪性リンパ腫に対するリツキシマブ硝子体内投与の効果:という報告を引用します。

橋田 徳康、大黒 伸行、西田 幸二

(大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科学(眼科学))

中枢神経系病変のない眼原発悪性リンパ腫(primary vitreoretinal lymphomaPVRL)に対しては、メトトレキセート(MTX)硝子体内投与(IVM)が行われることもある。PVRL8090%はCD20陽性のB細胞リンパ腫であり、本研究ではPVRLに対する抗CD20モノクローナル抗体(リツキシマブ)硝子体内投与の効果を検討した。CD20陽性PVRLに対しIVMで重篤な角膜上皮障害を来し治療継続が困難であった1320眼を対象として、1mgリツキシマブの1週間ごと、計4回の硝子体内投与を施行した。びまん性棘状角膜後面沈着物(KP)と前部硝子体中の腫瘍細胞浸潤を前眼部病変、典型的な網膜下浸潤病変を網膜病変とし治療経過について検討した。全例において1クール治療で病変の劇的な改善を得た。再発症例が55%、合併症として一過性眼圧上昇が60%、35%に豚脂様KPを伴う虹彩炎を認めたが副腎皮質ステロイド局所投与により正常化した。本治療は前眼部病変・網膜病変両方に有効で、PVRLの眼局所治療の選択肢となりうると考えられる。(日眼会誌 1175132013から転載)


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