お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2017年12月3日

9402: 薬剤による眼障害Update 山田昌和教授: 聴講印象録

薬剤による眼障害Update 山田昌和教授(第48回東京都眼科医会研修会 2017年12月2日 京王プラザホテル)

最近、眼科での検査が指示された薬剤がある。

  イムセラ(フィンゴリモド):MSに対する薬で、黄斑浮腫が0,2から1,2%出る。投与後3-4カ月で現れ、OCTで見る。DMとぶどう膜炎の既往症例に注意。

  サブリル(ビガバドリン):3分の1で不可逆性の網膜障害を起こす。小児の難治性癲癇などに用いる。

  プラケニル(ヒドロキシクロロキン):ブルズアイマクロパシーが数パーセントに出る。総投与量200mgくらいから注意を要す。日本眼科学会のガイドラインがある。視力、細隙灯、眼圧、眼底、(高点障害用)色覚、スペクトラルドメインOCT、10-2で視野検査

 https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54746769.html


◎このほか抗がん剤で

  微小管重合阻害剤(パクリタキセル、ドタキセル):肺がんや乳がんに用いられて、黄斑浮腫を起こす。

注:細胞分裂で重要な役割を果たす微小管に作用し細胞分裂を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬:がん細胞ほかの細胞分裂に重要な役割を果たす微小管という物質がある。細胞分裂後半では、束になっている微小管がばらばらになる(脱重合する)必要がある。本剤は微小管の脱重合を阻害し細胞分裂を阻害する作用をあらわす。

 

  分子標的薬

注:分子標的薬は、ゲノム・分子レベルでがん細胞の特徴を認識し、がん細胞の増殖や転移をおこなう特定の分子だけを狙い撃ちにするので、正常な細胞へのダメージが少なくなっています。

 

  分子標的薬+微小管重合阻害剤(エムタクシンほか):これはHER2(EGF受容体)を標的とする

注:HER2(ハーツー)は、細胞表面に存在する糖タンパクで、受容体型チロシンキナーゼ。上皮成長因子受容体 (EGFR) に類似した構造をもつ。HER2 は、human epidermal growth factor receptor familyに属するタンパク質。 HER2タンパクは正常細胞において細胞の増殖、分化などの調節に関与する。 

 

◎TS-1 :内服中止で2カ月で回復。5-FUのプロドラッグで、胃がん、大腸がんなどに使われる経口投与薬。不正なSPK、異形上皮浸潤、情報に強い。メニスカスは高い。治療はステロイドとムコスタ。涙道の閉鎖予防措置。

 

◎全身投与剤で起きる合併症。

アミオダロン:不整脈用材で角膜沈着を起こす。ファブリ病と間違わぬように。

クロルプロマジンと金製剤:水晶体や角膜への沈着がある。

アマンタジン(シンメトレル):パーキンソン病の薬。上皮障害がみられる。

 

◎緑内障点眼薬:その消費金額は2000億円でうなぎのぼり。

その副作用の一つがBAK(バック:ベンザルコニウム)によるもの。これは逆性石鹸である。様々なアルキル基を持ち、水溶性で抗菌作用を持つ。涙液と上皮細胞に悪影響を持つ。BAKは角膜の中まで浸潤してゆく。SPK,ハリケーン角膜症、クラックライン、遷延性上皮欠損、輪部不全などを順に起こす。バックフリーまたはUD(ユニットドーズ)に変える。治癒には時間もかかる。ホウ酸使用はバックよりも良いとは言えない。

 

清澤の聴講印象録:新しい薬剤性の眼障害の全貌を聞くことが出来、大変参考になりました。ことに、抗てんかん薬のビカバトリンについては、以前私も製薬会社とともに調査に参加し、その結果上市見送りになった薬剤という経緯がありました。このため、大変興味深く伺いました。製薬会社はむしろ及び腰で、小児神経科の学会主導で発売認可が出されたのだそうです。視野が測れない患児も多く、眼瞼型ERGが必要で、大学などでの使用に限られるそうです。


Categorised in: 未分類