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2017年11月4日

9325: 先天性筋緊張性ジストロフィーにおける異常なMyokineシグナル伝達 :論文紹介

清澤のコメント:筋緊張性ジストロフィーは目にも白内障や網膜変性を示すことでも知られている筋萎縮を示す疾患です(文献)。その遺伝子には異常な反復部分が見られることがすでに知られていました。今回、著者らはその症状を示す筋において、インターロイキン6というケモカインが増えていることから、炎症が関連した病態が存在するという結論を導いたようです。
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https://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&u=http://www.cell.com/cell-reports/abstract/S2211-1247(17)31450-X&prev=search

元論文でのハイライト

CTGリピートサイズおよびCpGメチル化状態は、CDMにおける疾患重症度と相関する
・異常なメチル化は、リピート周囲の調節不全転写と関連する
・両方向の転写調節不全がCUG RNA RNA毒性を高める
・強化されたRNA毒性は、CDM筋肉におけるIL-6ミオカインシグナル伝達経路をアップレギュレートする 

概要

筋緊張性ジストロフィー1型(DM1)および2型(DM2)は、それぞれ伸長したCUGおよびCCUG反復の機能的な毒性獲得によって引き起こされる優性遺伝性の神経筋障害である。両方の疾患は臨床的に類似しているが、重度のDM形態である先天性筋緊張性ジストロフィー(congenital myotonic dystrophy:DMM)はDM1にのみ見られる。CDMはまた、成人DMでは観察されない筋繊維の未成熟を特徴とし、特定の病理学的メカニズムを示唆する。ここでは、CDM筋肉におけるインターロイキン-6(IL-6)ミオカインシグナル伝達経路のアップレギュレーションを明らかにした。我々は、筋肉の未熟化とIL-6発現だけでなく、反復の上流のCTG反復長およびCpGメチル化状態の拡大との間の相関も見出した。異常なCpGメチル化は、反復座位での転写調節不全と関連し、IL-6をアップレギュレートする毒性RNA負荷を増加させた。

IL-6経路は筋細胞成熟および筋萎縮に関与するので、本発見者らの結果は、RNA毒性の増大が異常なIL-6シグナル伝達による重篤なCDM表現型に寄与することを示している。

ーー新聞記事ーーー

難病・筋ジストロフィー、患者最多「筋強直性型」の仕組みを解明

全身の筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィーの中で、最も患者数が多い「筋強直性ジストロフィー」が発症する仕組みを解明したと、大阪大の中森雅之助教(神経内科)らのチームが発表した。
免疫に関わるたんぱく質が異常に分泌され、筋肉を 萎縮(いしゅく) させていた。治療薬の開発につながる可能性があるという。論文は1日付の米科学誌「セル・リポーツ」電子版に掲載された。

筋強直性ジストロフィーは成人後に発症し、患者数は国内で1万人以上とされるが、根本的な治療法はない。患者からは、共通する遺伝子の特徴が見つかっていたが、どうして発症するかは不明だった。

中森助教らは、重症患者10人から採取した筋肉の細胞を詳しく調べた。その結果、インターロイキン6(IL6)というたんぱく質が大量に作られていることがわかった。IL6には激しい免疫反応を引き起こす作用があり、筋肉を維持するバランスを崩しているらしい。IL6の働きを抑える薬は、関節リウマチの治療で広く使われており、応用が期待できるという。

国立精神・神経医療研究センターの木村 円(えん) 室長の話「難病のメカニズムを明らかにした重要な研究だ。ただ、一般的に難病については不明な点も多く、治療法の確立には時間がかかるだろう。産官学が協力して取り組むべきだ」


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