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2017年9月11日

9175:多焦点の眼内のレンズによって引き起こされる異常光感覚現象のfMRI

多焦点の眼内のレンズによって引き起こされる異常光感覚現象(Dysphotopsia)の神経行動学的な強さを評価する機能的核磁気共鳴映像法

Andreia M.ローザ他
 
図4
より強く光を煩わしいと感じた群と光を煩わしくは感じなかった群の脳血流を、低いコントラストでグレアによる妨害の下で見せた時の条件で比べた。より強い煩わしさを訴えていた高スコアのグループは、いくつかの脳の領域で血流増加を示した。その領域には、前頭葉と頭頂葉とともに、帯状回および尾状核の活性増加が見られた(q<0.05)。

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目的:多焦点眼内レンズ(IOL)移植を最近受けた患者の視覚領および高次皮質領域の異常な光に対する感覚(dysphotopsia)と脳の神経活性の関係を調査することを目的とする。

デザイン:横断的研究。
参加者:回折型IOL移植を受けて3から4週間後の患者30人と、性および年令を合わせたコントロール群15人を対象とした。

方法:参加者が低コントラストの格子刺激を見た時の、脳血流を機能的磁気共鳴診断装置(fMRI)で見た。試行の半数では、邪魔をするためのグレアを生じさせるために光源が視標を取り囲むようにおかれた。視力、波面分析、視覚の質アンケート(QoV quority of vision)、および精神物理学的な評価が実行された。

主要な評価方法:第一次視覚領および注意に関連する回路網を含む高次脳領域の皮質の活動(ボールド信号)。

結果:白内障患術後早期の患者は、ぎらぎらする光の下で低コントラスト刺激を見る時に、努力に関連する注意ネットワークの有意な活性化を示した。そこには前頭葉、前頭葉中部、前頭葉頭頂部および中心後回が含まれていた。(GLMモデルで、P < 0.03)

それに対して、コントロール群は視覚領での視力低下による相対的な非活性化だけを示した(後頭葉と中後頭回、P < 0.03)。

光に異常を感ずるという徴候により、より強い不都合を訴えている患者は、前頭頭頂回路のいくつかの領域、帯状回および尾状核に活性化を示した。(q < 0.05)。

私達は、QoVアンケートスコアおよび光学的特徴(全体および高次視機能の逸脱、変調伝達機能、およびStrehl比率)とは相関関係を見つけられなかった。

結論:この研究により、光学的なパラメータおよび精神物理学的な性能とは独立に、患者が訴える主観的な困難とfMRI結果の間の相関が示された。注意(前頭頭頂の回路)、学習、認識のコントロール(帯状部)、およびタスクの解決(尾状核)が、おそらく各皮質領域の増大した活動により、多焦点眼内レンズへの神経適応過程の最初の部分が始まっていると説明される。

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神経眼科医清澤のコメント:多焦点眼内レンズの移植を受けた患者の中には異常な眼精疲労を訴え、時にはこれを摘出交換することが必要になる患者が存在する。そのような患者の脳内の変化をファンクショナルMRIを用いて検討したポルトガルからの報告です。

以前私たちも、眼瞼痙攣患者の中で特に強い羞明を訴える患者を対象にして、脳糖代謝を測定したことがあった。その時の結果とこの研究の結果にはそれなりの共通部分がありそうである。

Wakakura M, Horie C, Kiyosawa M, Mochizuki M, Kawasaki K, Oda K, Ishiwata K, Ishii K.Photophobia in essential blepharospasm–a positron emission tomographic study.Emoto H, Suzuki Y. Mov Disor. 25:433-9.2010


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