タカタのエアバッグ問題は自動車業界全体の問題でもあった

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清澤のコメント:タカタが絶体絶命になった原因:北条氏の落城の話を読んでいます。戦国時代にはいくつもの戦国大名家が滅び、またいくつかの大名家が生き残ったわけですけれど現代でも同じことが起きているように感じる記事です。主は組織を守るために今しなくてはならぬことが何であるのかを常に考えることが必要といえるでしょう。タカタ一族にとっては耳の痛い話ではあるわけですが、タカタ社員にとっても苦しみは続くことになりそうです。

ーー要点をまとめます NEWSポストセブン 2017年6月20日 7時0分ーー

エアバッグの欠陥問題で気息奄々の経営状況に陥っていたタカタが民事再生法申請の最終調整に入ったという報道を受け、6月19日・月曜の東京証券取引所ではタカタの株が大暴落。取り引きが成立しない状態となっている。このまま倒産した場合、債務残高は1兆円を超える可能性があるという報道もある。ーーー

タカタ問題の処理に関わった国内自動車メーカー関係者のひとりは語る。「タカタといえば、ホンダさんと共同でエアバッグを低コストで量産する技術を確立したことで有名。当然、ホンダさんはタカタについて何らかの支援を行うものと多くの関係者がみていましたが、伊東社長(当時)は早い段階で距離を置くような発言をしていた。

そのときは冷たい対応なんじゃないかと思ったのですが、後で法務を含めた交渉の過程でタカタの態度をみて、ホンダさんが真っ先に見切りをつけたのはタカタの体質に辟易としてのことだったのだろうと思うようになりました」

タカタのエアバッグに関する不良や欠陥の問題が取り沙汰されたのは今から9年前の2008年。折しもメキシコをはじめ、部品メーカーが完成車メーカーの要求によって海外進出を加速させることが求められていた時代で、同時期にはタカタだけでなく、多くの部品メーカーがさまざまな部品について品質問題を起こしていた。

その時点でタカタが開発体制や品質管理にメスをしっかり入れていれば、傷口は浅くてすんだであろう。が、タカタはそれをやろうとせず、小手先の策で乗り切ろうとした。ーー

2014年にアメリカで大々的に欠陥隠蔽疑惑が取り沙汰された時点で半死状態に陥っていたタカタだが、同社の経営を仕切っていた創業家一族の保身ぶりには、メーカー側もあきれ返るばかりだったという

国内準大手の社員は、「タカタの物言いには、タカタだけが悪いわけじゃないのに、なぜタカタだけが責められなければいけないんだという考えが多分に含まれているように感じた。

自分も彼らとはもう話をしたくないと思ったくらいでしたが、話し合いの場でそれ以上に怒ったのは、タカタと取り引きのあった欧米の自動車メーカーの担当者たちでしたね。これでは日本の自動車産業のイメージが落ちてしまうとすら感じました」と振り返った。ーーー

一連の問題を振り返ってみると、タカタは自分の身を守ろうとして、かえって自滅の道を歩んでしまったといえる。ーーー

タカタが初動を誤らなければ、タカタの責任は免れないものの、一社に限らず自動車業界全体の問題であるという方向に話を持っていくことも可能だった。また、タカタが自社の問題を積極的に情報公開し、解決策を示せば、タカタは信用に足る企業だと考えてもらうこともできたろう。ーーー

問題を隠蔽すること、問題を放置すること、味方になってもらうべき相手を敵に回すこと、無意味な時間稼ぎをすること……タカタを絶体絶命の状況に追い込んだのは、保身に走るあまりリスクマネジメントでやってはいけないとされることをフルコースでやってしまった経営陣の無明のなせるわざだったと言えようか。

■文/井元康一郎(自動車ジャーナリスト)