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2017年5月4日

8820: 外傷性散瞳に関するご質問です:

外傷性散瞳 質問箱からの質問とお答え
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■https://www.slideshare.net/samtendorji/case-of-a-blunt-trauma-to-the-left-eye-causing-traumatic-hyphema (エイトボールというのはビリヤードで使う8番の真っ黒なボールで、これに当てしまうと負けというルール。全面が赤黒い前房出血を不吉な意味でエイトボールと呼ぶ眼科医学的なスラングがある模様。)

2月9日にバドミントンのシャトルが至近距離で右目にあたり前房出血を起こしました。3週間程で症状は治まり、その間投薬は2週間程コソプト点眼とリンデロン点眼のみでした。その後、虹彩の離断は起きてなかったのですが、外傷性散瞳を起こしておりました。視力は若干低下した感じと、近くのものがぼやけ、焦点が合いにくい自覚症状があります。また、羞明により左右で微かですが色味の違いを感じます。現在も通院中ですが、次回が最終受診で6月末となります。
3月上旬に比べ現在の方が羞明は確実に弱くなり裸眼で生活はできますが、就労後2時間程度で眼が腫れぼったくなり、瞬きを我慢した様な痛みを感じだし、霞み目が強くなります。(目を使う仕事です)
現状は上記の様なところですがわからないことがあります。
まず、この様な外傷を眼球に受けたとき、涙がでなくなることはありますか?この涙というのは泣いた時に正常な目からは涙が溢れて流れるのに、外傷を受けた方は無感情な感じで全く流れてきません。右目だけ泣けないといったところです。主治医に相談したことはありますが、様子見ておく様にしか言われません。実際、受傷1週間前にテレビを見て涙を流すことがあったので元々でないわけではありません。
他院に受診して質問をした時も、ドライアイにはなってないという診断と、交感神経の問題だから専門外と言われどうすることもできませんでした。心療内科でショックによってこの様な症状が起こるか聞いてみましたが、片方だけというのは考えにくいともいわれました。現在こちらの涙がでない症状の方が気になります。そのため自分でいろいろ調べてみると神経眼科を知りました。
もう一つの質問は、この様な症状は神経眼科領域になりますか?
もしそうなら神経眼科の医師に受診したいと考えています。
どうかご教示お願いします。

お答え:それが原因で涙の分泌が少なくなることは考えにくいと思います。
涙の量は5分間濾紙を挟んで左右差が無いかを見れば容易に判断できるでしょう。
むしろこの場合、前房への出血があったのですから虹彩離断( iridodialysis)までは行ってはいないとしても隅角解離(angle recession)があると考えるべきでしょう。虹彩の根部で隅角が裂けていて、今は高くなくても房水の流出が障害されて、将来のいずれかの時点で眼圧が上がる緑内障を発症することを恐れます。
それに気が付かないでいると、数年後に視野が損なわれていることに気が付くかもしれません。
ですから、今はまだ終診にしてしまわずに永続的な観察を長期にわたって月に一度程度は続ける必要があるのではないかと考えます。前眼部にスリーミラーを当てて、虹彩根部の傷がないかをよく見ていただいておいてください。
私なら、眼圧を下げる薬剤とステロイドは切らないで出し続けるかもしれません。

追記:瞳孔括約筋が目をぶつけた瞬間にひき広げられて、細かいところで断裂しているかと思います。瞳孔縁をよく見るとブイ字状にくぼんでいるかと思います。縮瞳作用のある副交感神経の麻痺や、散瞳作用を起こす交感神経の興奮などの眼自律神経の障害ではなかろうと推測します。
くれぐれもお大事に。
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眼球打撲でわたくしが、患者さんへの説明によく使う図です。
角膜びらん、隅角解離、虹彩離断、水晶体小体の断裂(レンズのズレ)、網膜剥離(鋸状縁断裂)、網膜振盪、脈絡膜破裂、眼窩吹き抜け骨折なども起こりうるものです。

過去の関連記事です 
2006年06月19日 116 眼球打撲後の飛蚊症⇒ https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50553916.html

2009年12月27日 1192 前房出血とは⇒ https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51390813.html

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