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2017年3月5日

8643:嫉妬と自己愛 「負の感情を制した者だけが生き残れる」:読書印象記

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本屋の店先で見つけた比較的新しい本です。私はこの著者の佐藤優さんの冷めたものの見方が以前から好きで、すでに数冊を読んでいます。彼は嘗て外務省の中にあって北海道選出の政治家である鈴木宗男氏に近く、「国家の罠ーー外務省のラスプーチンと呼ばれて」の著者としても知られている人です。その結果、公務員としての地位も失い、刑事罰をも科された経験もある人です。その人が自らの経験も踏まえて、この本の中で「嫉妬」と「自己愛」についての詳しい分析をしています。

 アマゾンの書評 で「捨球磨」氏はこれをうまくまとめています。『今求められるのは自己愛のマネジメントだ。まず嫉妬を買わないこと。鍵は「言葉」だ。相手のコンプレックスをいじる発言をしてはならない。日頃から言葉遣いを意識し、必要なシミュレーションを重ねておく。「自分が言われたらどう感じるか」という想像力、健全なる他者性が必要だ。そして意識して大きな声を出さないこと。人間は自分の声にも興奮する。常にできるだけ冷静な精神状態を保ち、多少のことでは動じない心を養う。過度に感動したりしない。教養の高い人物はつまらないことで感動したりしない。』

また「 なんちゃって、お遍路くん」氏は【第2部では、本谷有希子さんの『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、綿谷りささんの『いなか、の、すとーかー』『ウォーク・イン・クローゼット』、漱石の『それから』、村田沙耶さんの『コンビニ人間』を挙げながら、自己愛が肥大化してしまうとどうなるか、自己愛の制御を間違えてしまうと誰でもストーカーになってなってしまうことを、自己愛が完全に消失するとどうなるかまでーー語ってくれます。】

 とすれば、次のアクションとしては、漱石の『それから』でも45年ぶりに読み直してみるという事になりますか?それとも次に読むべきは世の最先端に飛んで『コンビニ人間』という事になるのでしょうか?

内容紹介(アマゾンから引用)

組織への不適応、ストーカー犯罪、自傷行為、引きこもり……。とくに若者に多く見られる問題行動は、自己愛の肥大あるいは欠如が原因であることが多い。かつては、他者との比較によって沸き起こる劣等感や嫉妬心がそうした行動の大きな要因だったが、時代は変わりつつあるのである。
自己愛のコントロールの失敗は、対人関係の困難さとなって現れ、学校や会社など実社会の中で、本人はもちろん、周囲も大きな不利を被ることとなる。では、どうすれば、このような「負の感情」を制御することができるのか。また、不安定な感情を抱えた“困った人たち“にはどう対応すればいいのか。
本書では、文学作品の中に見られる「嫉妬と自己愛」を読み解いたうえで、精神科医やストーカー対策の専門家などとの対話を試み、さらに講義形式で著者の知見を披露する。外務省の裏も表も知り尽くした実務家かつ、歴史や宗教、文学に通暁する作家として、「負の感情」に打ち克つ方法を、実践的なかたちで伝授する。
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目次

第1部 嫉妬と自己愛の時代(現実が自分を呑み込むか、自分が現実を取り込むか
自己愛の制御を間違えば、誰もがストーカーになる
筆者が嫉妬心を研究するワケ
『それから』にみる男の嫉妬の破壊的な恐ろしさ
友人をツールとしか思わない人たち
もはや嫉妬も自己愛も超越した「コンビニ人間」)

第2部 嫉妬と自己愛をめぐる対話(対談1 斎藤環 精神科医 SNSの「いいね!」が、歪んだ自己愛を培養する

対談2 小早川明子 NPO法人「ヒューマニティ」理事長 SNSが生み出す幻覚がストーカーを激増させる

対談3 井口奈己 映画監督 井口映画が示す自己愛なき空洞人間の末路)

第3部 人生を失敗しないための「嫉妬と自己愛」講座(組織の中の嫉妬と自己愛について
「嫉妬と自己愛マネジメント」の極意

質疑応答

嫉妬に対処するための五箇条

自己愛を制御するための五箇条)

–以下に引用—
嫉妬に対処するための五箇条
1.「人間の能力は多様である」と心得る。自分にしかないもの、できないことが必ずある。それを見つけて、伸ばす努力を。
2.人生は仕事だけではない。趣味や社会活動で自己実現を図ろう。
3.嫉妬の本質を知るために、勉強すべし。敵を知れば恐れるに足らず。教養を広げれば、負の感情はコントロールしやすくなる。
4.嫉妬心の希薄な人間は要注意。標的になって足を引っ張られるようなことがないよう、周囲に気を配るべし。
5.嫉妬のトラブルに対処するときは、標的ではなく攻撃側に働きかけること。嫉妬を軽減する方策を、具体的に考えよう。

自己愛を制御するための五箇条

1.自らの自己愛は、友人によって検証される。「何でも話せる」友達は何人いるか? いなければ、「なぜできないか」を考えてみる。親友づくりは、「健全な自己愛」を育む最良の方法だ。
2.自己愛の薄い人には、責任を持った仕事を与えて、しっかり評価する。自信がつけば、戦力になる。
3.自己愛の強いタイプには、肩の力を抜くようアドバイスすべし。周囲を気にしすぎていては、伸びるものも伸びない。
4.自己愛を肥大化させた「実力0」人間には、組織からフェードアウトしてもらうしかない。この場合は、新自由主義的な評価を突きつけるという荒療治も有効だ。
5.「自己愛世代」の人間に叱責はご法度。とにかく、いいところを見つけて褒めまくるべし。それが最も安全な組織運営である。

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