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2017年1月26日

8526:thalamic neglect 視床性無視

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清澤のコメント:先日、古い視床出血で半盲を呈している患者さんを診察することがありました。外側膝状体に出血があり、視放線にかけての病変があれば、当然半盲を呈するわけですが、先輩の石川弘先生の診察によれば、この患者さんには半盲と同じ片側に半側空間無視があるという事でした。そして、この病態は「視床障害に伴う半側空間無視 Thalamic neglect」と呼ばれるものだというのです。

 そこで、このThalamic neglectに言及した文献を探してみました。そこでの文献はこれを含めて、1979年から1980年代初頭に集中していました。
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タラミック無視。行動における視床内側部および網様核の役割:という文献を紹介します。 出典はWatson RT, Valenstein E, Heilman KM. Arch Neurol. 1981 Aug;38(8):501-6.です。

要旨

患者は右視床内側部の虚血性梗塞を有し、その結果として反対側の無視症候群を起こした。我々は、視床内側核、特に内側中央核(centromedian)および傍束核(parafascicular)(CMPF)が、覚醒活性化のプロセスに通常は関与し、それによって組織が新規あるいは重要な刺激によって覚醒して反応するということを提案する。具体的には、(1)中脳網様体が、視床毛様体(NR)を抑制することにより、新規または苦痛を伴う刺激に対する覚醒を支えること、そして、(2)選択的な注意が、皮質から毛様核(NR)への入力によって調節されるということを提案する。 CMPFは、運動系システム(基底核、視床の腹側核 [VL]、および前頭葉)と密接に関連している。 CMPF、前頭皮質、およびVLに関連するNRの部分を含む経路は、強く誘発された構造の行動を準備する上で重要であり得る。したがって、CMPFの片側性病変は非対称性運動低下を誘発し、両側性病変は無動性変異(akinetc mutism)を誘発する可能性がある。
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注1:
◎半側空間無視とは:
〇症状;半側の刺激を無視する。

半側空間無視で重要なのは、患者自身は半側を無視しているということに気付かないということ。そのため、食事の際に半側の料理にまったく手をつけていないにもかかわらず、本人は全部食べたと自覚していることも多い。

〇検査
・線分抹消検査:紙に書いた線分を1つ1つ消していく検査。
・線分二等分検査:紙に書いた線分の中央に丸を付けていく検査。上記のいずれの検査でも障害側にはまったく手が付けられない。
・絵画描画:絵を模写させる検査。障害側が完全に欠落した絵を描く。

注2; 私たちも片側空間無視に興味を持ち、「Neuroimaging analysis of a case with left homonymous hemianopia and left hemispatial neglect. Mizoguchi S, Suzuki Y, Kiyosawa M, Mochizuki M, Ishii K. Jpn J Ophthalmol. 2003 47:59-63
.」(⇒リンク)
帯状回病変で片側空間無視を来したという症例報告をしたこともありました。

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