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2017年1月2日

8450:現代社会に欠如しているバイオレット光が近視進行を抑制:記事紹介

現代社会に欠如しているバイオレット光が近視進行を抑制することを発見-近視進行抑制に紫の光-
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清澤のコメント:
 ①ぼけた映像が近視を作る。②ビデオディスプレーの発するブルーライトが体内時計を狂わせる、③紫外線は日焼けを起こすだけではなく白内障も進行させる:という3つの原理から、私は勝手にブルーに近い紫も近視の進行を止めるのに必要であるとは考えてもみませんでした。
 このヒヨコを使った近視モデルは東京医科歯科大学で所敬教授らも使っていた動物モデルで、医科歯科大学眼科で大学院を終えその後も研究を続けておいでの世古祐子先生によってこのグループに伝えられたものと思われます.
川島素子先生も著者に入っていますね。ランセット関連のオープンアクセス雑誌のようです。

 Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression

Hidemasa Torii, Toshihide Kurihara, Yuko Seko, Kazuno Negishi, Kazuhiko Ohnuma, Takaaki Inaba, Motoko Kawashima, Xiaoyan Jiang, and others
Publication sTAGSe: In Press Accepted Manuscript
EBioMedicine Published online: December 15, 2016

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慶応大学のプレスリリーススは以下の通りです。
2016/12/26 慶應義塾大学医学部

このたび、慶應義塾大学医学部眼科学教室(坪田一男教授)、光生物学研究室(主任研究員:栗原俊英特任講師)の鳥居秀成特任助教らは、ヒヨコを用いた動物実験とヒトの臨床研究を通じて、360-400 nmの光(以下、バイオレット光)が近視進行(眼軸長伸長)を抑制することを世界で初めて発見しました。

近視が発症・進行する原因は不明であり、現在世界の近視人口は増加し続け、世界の近視人口は2050年には約50億人になるという予測が報告されています。これまでに屋外環境が近視進行を抑制することが複数の疫学研究や動物実験から指摘されていましたが、屋外環境の何が近視進行抑制に効いているのか、またそのメカニズムはわかっていませんでした。

本グループは、屋外環境に豊富にあるバイオレット光に着目し、実験近視モデルとして確立しているヒヨコを用いて研究を進めました。その結果、バイオレット光を浴びたヒヨコの近視進行が抑制され、バイオレット光を浴びたヒヨコの目で近視進行を抑制する遺伝子として知られているEarly growth response 1 (EGR1 [ZENK, zif268])が上昇していることがわかり、バイオレット光が近視進行を抑制するメカニズムとしてEGR1が関与している可能性を明らかにしました。また、臨床研究からもバイオレット光を透過するコンタクトレンズを装用している人の方が、バイオレット光を透過しないコンタクトレンズや眼鏡を装用している人よりも眼軸長伸長が抑制されていること、眼鏡を装用していると近視が進行することが示唆されました。さらに現在私達が日常的に使用しているLEDや蛍光灯などの照明にはバイオレット光はほとんど含まれておらず、眼鏡やガラスなどの材質もバイオレット光をほとんど通さないことがわかりました。即ち現代社会においてはバイオレット光が欠如しており、これが近視の世界的な増大と関係している可能性があります。

本研究成果は近視発症・進行メカニズムの解明と新規治療開発を通して、今後の近視人口増加に歯止めをかける一助になる可能性があるものと期待されます。

本研究成果は2017年1月号の「EBioMedicine」に掲載されます。

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