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2016年11月24日

8356; 神経眼科学会抄録集にある、知っておくべき病名1、

空港での待ち時間に、ざっとプログラムを見て、確認しておきたい単語を拾い出してみました。読者がそんなのはわかりきっているということであれば、それでよいのですけれど。各項目を足早に140文字程度で解説してみましょう。後で内容を追記し、順番も整理するかもしれません。

O-5-1: IgG4関連眼疾患:今までミクリクツ病と呼ばれてきた涙腺の腫大をきたす疾患の一部に、このIgG4という分画の免疫グロブリンが高いものがあることが分かっています。外眼筋腫大や涙腺炎など眼窩の炎症や腫瘤のある患者ではそのチェックも必要です。膵炎も伴うことがあり、その採血には膵炎疑い(あるいは今からならばIgG4関連眼疾患でもよいかも)と書きます。

O-5-2、O-5-6、P-1-6: 特発性眼窩炎症:Idiopathic orbital inflammmationでIOIと略します。従来、眼科炎性偽腫瘍と呼ばれてきたものが、これに相当します。ステロイドの経口投与に反応し眼球突出や複視の症状を抑えることが出来ますが、リンパ腫や甲状腺眼症などの適切な除外も必要です。どちらかというと、除外して残った時の診断名です。

O-5-5 MPO-ANCA関連肥厚性硬膜炎:
ANCA関連血管炎は、ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody、抗好中球細胞質抗体)と関連した毛細血管や細動静脈などの小血管に主に病変がある壊死性血管炎です。p-ANCA(perinuclear-ANCA)の代表的な抗原はMPO(myeloperoxidase)です。ANCA関連血管炎は、顕微鏡的多発血管炎(MPO-ANCA陽性)、多発血管炎性肉芽腫症(PR3-ANCA陽性)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(MPO-ANCA陽性が多い)の3つに分類されます。それが関連した肥厚性硬膜炎であるということです。脳や視神経周囲の肥厚性硬膜炎をおこすものがありますので、視神経炎疑い例ではANCAも調べ、画像で視神経周囲の変化も除外しましょう。

O-6-1, O-6-2: 難治性視神経炎:その名のとおり、ステロイド投与にに抵抗し、あるいはステロイドを減らすとすぐに再発するような視神経炎という意味です。具体的な原因の候補としては?抗アクアポリン4抗体視神経炎(横断性脊髄炎をおこし予後不良)や抗MOG抗体視神経炎(再発回数が多い視神経炎)などが考えられているようです。北里大学眼科が中心になって研究のための採血が全国主要機関で行われています。

O-6-3: 抗AQP4抗体陽性視神経炎(抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎 http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/aquaporin.pdf):水分子を運ぶチャネルであるアクアポリンのうちの4型に対する抗体ができて、視神経炎をおこすものがある。神経学的には横断性脊髄炎(デビック病)に関連するとされています。治療にはステロイドのほか血液の透析なども有効とされている。視神経炎疑い例の最初の検査としての採血から取入れるべきか?には議論がありそう。また、これを疑えば、その治療は確定診断に先行して開始されるかもしれません。

O-6-5、O-6-6: 視神経部分低形成:SSOH(superior segmental optic nerve hypoplasia)と呼ばれる視神経の部分低形成は下または耳側に抜ける暗点を検出し、それに対応する先天的で将来的にも広がることの少ない暗点を示します。最初はハンフリー視野で、確認にはゴールドマン視野も有効。眼底の視神経でその部分の縁(リム)が薄いとされますが、その視認は容易ではありません。この診断なら、まずは経過観察でと思っておりましたが、大脳中隔欠損などが半数から1/3に合併するそうで、MRI画像診断も必要だそうです。

P-1-1:AZOOR: (Acute zonal occult outer retinopathy 急性帯状潜在性網膜外層症) 急性で部分的な網膜外層の病変で視野欠損を示す。眼底写真には異状なく、局所網膜電図で異常が見られるものとされてきました。ステロイドには反応性がなく、回復はしたりしなかったり。今一つ病因も治療法もはっきりしない疾患。Gassが発見して、神経眼科の雑誌にはじめは紹介したことが知られています。

その2に続く https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54687519.html

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