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2016年11月23日

8353: まことに小さな国が,開化期を迎えようとしている。

清澤のコメント:
 ソプラノのつぐみさんの動画を探していましたら、「坂の上の雲」の歌も歌っておいででした。触発されて、久しぶりにNHKの坂の上の雲の最終回をNHKオンデマンドで見直しました。簡単に言えば感動ものです。

司馬遼太郎には連載中から「本作を映像化させてほしい」とのオファーが殺到していた。しかし「戦争賛美と誤解される、作品のスケールを描ききれない」として司馬は許可しなかった。司馬の死後、NHKの「総力を挙げて取り組みたい」との熱意と映像技術の発展により、1999年に司馬遼太郎記念財団が映像化を許諾。しかし、2004年6月に脚本担当の野沢尚が自殺したことなどで、その制作は遅れたそうです。

 今、子供たちを見ていると、それなりに努力はしているのですが、「社会のどういう階層の,どういう家の子でも,ある一定の資格をとるために必要な記憶力と根気さえあれば,博士にも,官吏にも,軍人にも,教師にも成り得た。」という今の社会にも共通する日本に生まれたメリットに気付けていないようです。

 自分としても、社会の役に立つ個人でありたいという希望を持ち続けたいものです。

  --番組のナレーションです--

まことに小さな国が,開化期を迎えようとしている。

「小さな」といえば,明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。
産業といえば農業しかなく,人材といえば三百年のあいだ読書階級であった旧士族しかなかった。
明治維新によって日本人は初めて近代的な「国家」というものを持った。
誰もが「国民」になった。
不慣れながら「国民」になった日本人たちは,日本史上の最初の体験者として,その新鮮さに昂揚した。
この痛々しいばかりの昂揚が分からなければ,この段階の歴史は分からない。社会のどういう階層の,どういう家の子でも,ある一定の資格をとるために必要な記憶力と根気さえあれば,博士にも,官吏にも,軍人にも,教師にも成り得た。
この時代の明るさは,こういう楽天主義から来ている。

今から思えば,実に滑稽なことに,コメと絹の他に主要産業のない国家の連中は,ヨーロッパ先進国と同じ海軍を持とうとした、陸軍も同様である。財政の成り立つはずがない。が,ともかくも近代国家を作り上げようというのは,元々維新成立の大目的であったし,維新後の新国民の少年のような希望であった。

この物語は,その小さな国がヨーロッパにおける最も古い大国の一つロシアと対決し,どのように振舞ったかという物語である。
主人公は,あるいはこの時代の小さな日本ということになるかもしれないが,ともかく我々は3人の人物の跡を追わねばならない。
四国は,伊予松山に3人の男がいた。この古い城下町に生まれた秋山真之は,日露戦争が起こるにあたって,勝利は不可能に近いと言われたバルチック艦隊を滅ぼすに至る作戦を立て,それを実施した。
その兄の秋山好古は,日本の騎兵を育成し,史上最強の騎兵といわれるコルサック師団を破るという奇跡を遂げた。
もう一人は,俳句短歌といった日本の古い短詩形に新風を入れて,その中興の祖となった俳人・正岡子規である。
彼らは明治という時代人の体質で,前をのみを見つめながら歩く。
上って行く坂の上の青い天に,もし一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすれば,それのみを見つめて,坂を上っていくであろう。
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