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2016年10月23日

8258:片頭痛,閃輝暗点(今日の眼疾患治療指針第3版)

片頭痛
片頭痛,閃輝暗点
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Migraine, scintillating scotoma
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清澤 源弘 清澤眼科医院・院長
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【概念】 片頭痛は発作性の頭痛や吐き気などを特徴とする疾患で,脳血管の機能的な異常で起きる.時に視野の中に光る発作性の光を見る閃輝暗点を訴えるものがいる.

【病態】 脳の血管のれん縮とこれに引き続き起きる拡張による頭痛で,その頻度は15歳以上の人口の8.4%を占める.男性では3.6%,女性では12.9%と女性に多く,年齢別では30歳代が多い.

【症状】 片頭痛の特徴としてアウラ(aura)と呼ばれる特有な予兆に引き続くズキンズキンと脈打つような激しい痛みがある.頭痛は必ずしも片側に起きる必要はなく,両側に見られることも,また頭痛を示さないこともある.発作の起こる回数は,月に1回から週に2回と患者ごとの幅があり,発生した痛みは1~2時間でピークに達し,吐き気や嘔吐を伴うことが多い.その結果,仕事や勉強などもできず,寝込んでしまうこともある.頭痛は多くの症例に見られるが,一連の症状の進行を伴えば頭痛は必発ではない.

【合併症】 閃輝暗点などの視覚性前兆を伴い受診する場合も多い.閃輝暗点は頭痛の原因である血管の拡張の前に血管れん縮が起こり,後頭葉の視覚領域に一過性の虚血が生じると出現する症状である.ジグザグ模様の光が,多くは視野の中心部分から次第に広がる(図20).20~30分でこの症状は消失する.また,片頭痛の後に眼筋麻痺を発生する眼筋麻痺性片頭痛の存在も小児を中心に知られている.

《診断》
 症状の特徴から片頭痛を疑ったら,まず脳血管障害や腫瘍性疾患などの脳の器質的疾患をCTやMRIなどの画像診断で除外する.次に,血管の攣縮を止める薬剤を処方して,その発作がこの薬剤で抑制頓挫させることができるかを聴取して診断をつける.

【治療法】

■治療方針
 片頭痛の治療には予防薬,予兆時に使用する薬剤,そして発作時に使う薬剤があるので,これを使い分ける.

■治療
 まず予防薬には,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット®)または,カルシウム拮抗薬であるロメリジン塩酸塩(ミグシス®)などが用いられる.次にアウラがあったときにはジヒドロエルゴタミンメシル酸塩が用いられる.
 しかし,この使用は,片頭痛発作の早期であることが必要で,実際に発作が起きた際には,軽度発作であれば非ステロイド系消炎薬,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,経口トリプタン製剤などが有効である.また重症発作には経口トリプタン製剤が用いられる.スマトリプタンの皮下注や点鼻薬なども利用が可能である.

【予後・患者への対応】 閃輝暗点は必ずしも頭痛を伴わないので,患者に対して片頭痛という語を使う際は,誤解されないような注意を要する.片頭痛は年齢によって起きやすい時期があるが,長期にわたってこの病気と付き合ってゆく自覚を患者に持ってもらう必要がある.

清澤のコメント:版権は医学書院です。大きな変更事項なしとして原稿を再提出したのが2015.5.5でした。
今日の眼疾患治療指針 この第3版の表紙の図はまだどこにも登録されていない出来立てほやほやの本です。ほかの記事も処方例なども豊富で使いやすい本ですので、(定価24000円ですが)デスク版か電子版をご常備くださることをお勧めします

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