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2016年9月25日

8160:眼内腫瘍の診断を東京医大 後藤浩教授に伺いました。

眼内腫瘍の診断 東京医大 後藤浩 教授

 今年は、東京医科大学創設100年である。大正5年日本医大の前身であった日本医学専門学校で、卒業すれば開業医資格が与えられるという話だったのに、政府によってその特権が奪われたことに対して生徒の多くが反発して退学するという騒動があり、その結果、新たにできたのが東京医大であった。その創設に医師として参画した有力な人物が2人いて、その一人は森林太郎(文学者の森鴎外、軍医総監も歴任)と中浜東一郎(ジョン万次郎の子息で東大教授歴任)であった。:というお話から講義は始まりました。

眼内にみられる腫瘍性病変には多くの種類があって、1)非色素性腫瘍、2)色素性腫瘍、3)転移性腫瘍 があげられる。

1)非色素性腫瘍

○脈絡膜血管腫;非色素性腫瘍では(孤立性/限局性)脈絡膜血管腫がある。橙赤から赤色で隆起はわずかであり、境界が比較的鮮明。FAは早期に網目状を示す。似て見えるものに網膜下血腫もある。血管腫はアーケード内が70%と多く、3-4乳頭径。CMEや漿液性剥離があれば治療対象となる。ベルテポルフィンを用いた光線力学療法も用いられる。特殊なものにSturge-Weber症候群に伴うものもある。

○脈絡膜骨腫:若年女性、眼底後極、赤橙他、わずかな隆起と凹凸あり。ダメ押し診断がCT,脈絡膜新生血管が33%に出る。(自験例15例)

○後天性網膜血管腫 (Vasoproriferativetomor of the retina:VPTR):下耳側で赤道部に多い。周囲に滲出性変化を伴う(自験例49例)活動性が高く、滲出性変化なら光凝固や冷凍凝固。自然緩解もある。

○網膜星状細胞腫(白くてほわっとした盛り上がり、)網膜過誤腫(乳頭近傍の薄い増殖)

2)色素性腫瘍

○脈絡膜母斑:黒褐色、厚さ1mm以下、直径5mm以下

○メラノサイトーマ(黒色細胞腫)悪性化はまれで、乳頭上に丸いマス。0,5~1.5乳頭径。視野障害が高率である。毛様体や交際にもある。脈絡膜メラノーマとの鑑別を要す。

○脈絡膜メラノーマ(自験例125例)平均58歳、サイズは10×7ミリ程度。診断のポイントは継時的変化があること。ヨーソ123-IMP SPECTも有効。重粒子線による治療も行われる。25から45%は転移し不幸な転機をたどる。重粒子線治療と摘出での生存率に差はない。

3)転移性腫瘍
○転移性脈絡膜腫瘍:ドーム状に隆起する。滲出性網膜剥離(±)、男性は肺癌、女性は乳がん。(自験例70例:平均59歳、男性26、女性44例、両眼例も15%程度)

まとめ
・眼内隆起性病変のすべてが腫瘍ではない
・良性・悪性に特徴がある。
・良性腫瘍も適応があれば治療
・悪性腫瘍でもベストな治療法を模索する。

◎本日の司会をさせていただいた清澤の聴講印象記です。森鴎外や中浜東一郎なども出てきて非常に流麗で印象的なご講義でした。

 私が東北大学で解剖を習った第3解剖学教室の森富教授は森鴎外の孫さんと伺っていました。(森 富:もり・とむ=東北大名誉教授・解剖学、森鴎外の孫。森鴎外の長男、於菟(おと)さんの次男で、「富」の名前は鴎外の命名。仙台大学長も務めた。)

また、大脳生理学を教わって、特に医学祭のための猫のシャームレージの実験でもお世話になった中浜博教授はこの中浜東一郎教授の一族だったのでしょうか?
21RNFK4QQ5L私のジョン万次郎―子孫が明かす漂流の真実 (小学館ライブラリー)1994/9 中浜 博 早速アマゾンで取り寄せて読んでみます。
追記:本を取り寄せて見ましたら、同名の別の方でした。失礼いたしました。

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