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2016年9月14日

8126:人身・後遺障害事故における損害賠償請求について

後遺症認定が認められなかったが、その根拠が気になるという患者さんが時々受診されます。今日は人身・後遺障害事故における損害賠償請求について考えてみましょう。

◎交通事故には人身事故と物損事故とがあります。この人身事故のうち,被害者が人身に傷害を負った場合の事故のことを傷害事故と呼びます。傷害事故は,さらに通常の傷害の場合と後遺障害(後遺症)が発生してしまった場合に分けることができます。この人身・後遺障害事故における損害賠償請求についての話です。

交通事故にあって障害が残ってしまった場合、その補償額には公平な基準があるのでしょうか?。:「事故の審査は保険会社を通じて公平に行われる」と思いがちなのですが、どうもそうとばかりも言えないようなのです。つまり、争う余地がなくもないということです。もちろん医師としては、補償を求めて争うことを勧めるわけではありません。むしろわたくしは日々、「早く過ぎたその事故のことは忘れて、明日に向かって生きることを考えないと、日々刻々あなたの貴重な時間が失われてゆきます。」と早期の解決を求めることをお勧めしています。

◎治療が進み、症状固定になったら、医師に後遺障害診断書を書いてもらいます。用紙は保険会社に送ってもらいます。⇒後遺障害診断書を保険会社に提出します。⇒書類は保険会社から損害保険料率算出機構(もしくはJA共済連)というところへ転送されます。⇒損害保険料率算出機構の調査事務所で後遺症について調査が行われ、結果が保険会社に通知されます。

◎さて、この後遺障害等級認定では、審査で「非該当」と判断されてしまうことがあります。この「非該当」の判断が出やすくなってしまう条件があるそうです。

1、事故が軽微であった場合:「その程度の事故でそのように大きな被害が出るはずがない」という判断。

2、通院実績が乏しい:通院実績がない場合には「通院する必要がなかった」と評価されます。

3、症状に一貫性や連続性が見られない:後遺障害は「一貫し、かつ連続した所見があること」が条件。

4、重篤な症状でない、常時性のある症状でない:後遺障害の条件は、「常時、後遺症の症状がそれなりにあること」。

◎書類審査主義の後遺障害審査の場合、医師の診断書は大きな判断材料になります。しかし、医師は「後遺障害に認定されるために診断書を作る」わけではありません。しかし後遺障害とは「交通事故を起因とした、治る見込みはないと医師が判断した症状」を指しています。

◎これらの記事を見て眼科医としてわたくしが思うことは、どの条項に適合するのかを診断書を書く医師が的確に判断していることの必要性です。また、事故後相当な日時がたってからの初診では、もう事故と現況を結び付けて論ずる診断書の書きようがありません。

 診断書の書き方ひとつで、後遺障害審査が通らなくなることもあるでしょう。担当医師との信頼関係を構築し、これを維持することは、適正な障害認定を取得するために極めて重要です。

 ネットを開いてみると、多くの法律家がこの人身・後遺障害事故における損害賠償請求についてページを開設しています。

 その中から、「別表第二」の後遺障害における「等級と対応する視覚に関する後遺障害」を抜き出してみます。

第1級の
1、 両眼が失明したもの

第2級の
1、1眼が失明し,他眼の視力が0.02以下になったもの
2、 両眼の視力が0.02以下になったもの

第3級の
1、1眼が失明し,他眼の視力が0.06以下になったもの

第4級の
1、両眼の視力が0.06以下になったもの

第5級の
1、1眼が失明し,他眼の視力が0.1以下になったもの

第6級の
1、 両眼の視力が0.1以下になったもの

第7級の
1、1眼が失明し,他眼の視力が0.6以下になったもの

第8級の
1、 1眼が失明し,又は1眼の視力が0.02以下になつたもの

第9級の
1、 両眼の視力が0.6以下になったもの
2、 1眼の視力が0.06以下になったもの
3、 両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
4、 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

第10級:
1、1眼の視力が0.1以下になったもの
2、 正面を見た場合に複視の症状を残すもの

第11級
1、 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2、 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3、 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

第12級
1、1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2、1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

第13級
1.1眼の視力が0.6以下になったもの
2、正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3、1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

第14級
1、 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

となっています。

注:13級の2、「正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの」:という項目について、以前「ヘスチャートで周辺30度のいずれかの点で5度以上のずれを示す。」ことであると聞いたことがありましたが、今回はそれを追認する原資料を見つけることができていません。

上記注への追記:上の記憶は不正確でした。ヘススクリーンで「水平方向又は垂直方向の目盛りで5度以上離れた位置」であることとなっていました。この基準の記載ページは労働災害の認定基準でした。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0625-2g.html#top(せき柱及びその他の体幹骨、上肢並びに下肢、眼の障害等級認定基準の一部改正について) こちらにありました。
付表(http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0625-2g.html)
  イ 複視

  (ア)  「複視を残すもの」とは、次のいずれにも該当するものをいう。

   a  本人が複視のあることを自覚していること
   b  眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められること
   c  ヘススクリーンテストにより患側の像が水平方向又は垂直方向の目盛りで5度以上離れた位置にあることが確認されること

  (イ)  上記(ア)に該当するもののうち、

   a  「正面視で複視を残すもの」とは、ヘススクリーンテストにより正面視で複視が中心の位置にあることが確認されたものをいい、
   b  「正面視以外で複視を残すもの」とは、上記a以外のものをいう。

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