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2016年9月8日

9109:点頭癲癇の眼症状とは:

点頭癲癇(West 症候群)の眼症状とは:

nysTAGSmus-34-638 その眼症状についての記載は多くはないですが、我々が作成した「神経眼科臨床のために」では、以前の藤野の記載を継承して「低振幅の両眼性振子眼振(ちらちらする)で、時に斜頚torticollis、点頭head noddingがみられることがある」と記載している。各外眼筋にまひなどはないが、固視が安定せず、視線が右左に2秒くらいかけて往復する印象です。時に視線が手足の動きと同期して衝動性に上転します。

 文献としては、ウエスト症候群における視覚的注意の発達Development of visual attention in West syndrome.(Epilepsia. 2002 Jul;43(7):757-63.Guzzetta F1et al:がありました。

 この研究では、症候性ウエスト症候群の乳児を痙攣の発症前から、調べ、認知機能評価、および脳の磁気共鳴画像を含む臨床検査を施し、臨床観察及び固定シフト試験を介して視覚的注意の発達を観察しています。

 固視移動技術の成熟欠陥が、一般的にウエスト症候群の乳児で観察されています。 症例によっては、視覚的注意能力障害が痙攣の発症前数か月で見られ、あるいは認知低下と並行していました。 ウエスト症候群の急性期の間に、乳児は覚醒の典型的な変動に伴い、以前に取得した視覚と認知能力を失った。 通常2年で、固定シフトテストで検出できる永続的な視覚的注意欠陥を生じた。

 視覚的注意と認知能力の並列的な欠陥は、ウェスト症候群の乳児では一定にみられる知見です。 これらは、点頭てんかんの臨床的発症に先行することがある。 視覚的な注意障害の重症度および持続性は、ウェスト症候群の症状に対応する:と結論しています。

神経眼科医清澤のコメント:
 この論文の記述に従えば、点頭癲癇(spasms nutans,West症候群)にみられる視線の不安定は、眼球運動の以上というよりもむしろ視覚的な注意の不安定さを表現したものなのかもしれません。

 乳児期に様々な脳の障害を背景として発症する難治性てんかんであり、精神運動発達の退行を伴う。シリーズ形成性のてんかん性スパズム(Epileptic spasms: ES)、脳波上のヒプスアリスミア、精神運動発達の停止、退行を3主徴とするてんかん症候群であり、好発年齢は生後3~11ヶ月で2歳以上の発症は稀である:とされています。論文にしようとするのでなければ、点頭癲癇(spasms nutans)やWest症候群も同義語と考えてもよさそうです。

West症候群は、全小児てんかんの4.93%を占め、本邦では少なくとも約4000人の患者がいると推測されます。小児の潜因性、症候性全般てんかん症候群の中では最も多いです。

 発症までの発達が正常であり、脳画像所見を含む各種検査で異常がない①潜因性と、異常の存在する②症候性に分類されています。後者の中では新生児低酸素性虚血性脳症、染色体異常症、先天奇形症候群、脳血管障害、結節性硬化症、未熟児傍側脳室白質軟化症などが主な原因とされます。最近、遺伝子変異も発見されています。

1.発症年齢:好発年齢は生後3~11ヶ月で2歳以上の発症は稀である。

2.てんかん発作型:覚醒直後に好発するESで、約5~40秒周期(約10秒程度が多い)で出現する極短時間の四肢の筋攣縮(座位では一瞬の頭部前屈を伴う)が特徴である。ESはその体幹の動きの方向より①屈曲型(34%)、②伸展型(25%)、③混合型(42%)、④非対称型(1%<)に分類される。(難病情報センターのページを参照)

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