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2016年8月11日

8040:医学研究3指針の改正案、パブコメへ:記事紹介

医学研究3指針の改正案、パブコメへ
研究責任者、来年4月まで対応迫られる

(レポート 2016年8月10日)

眼科医清澤のコメント:私が先輩に付いて学位論文のための研究に従事した1984年頃に比べ、現在の日本では患者さんの人権が大変尊重されるようになっています。更に、私が教官として、後輩に学位のための研究をしていただいた2000年ころに比べても、臨床医学の研究では厳密に患者さんの人権が守られるようになってきました。

 今回個人情報保護に関する法律の改定に伴って新たな注意の必要性が生じているようです。私たちは、眼瞼痙攣の原因を究める目的の研究において、ヒトゲノムを扱う研究にも関与していますから、この居学界の変化は他人事ではありません。下の記事によれば、「改正個情法の施行前から実施していた医学研究で、新たに「個人情報」に該当することになる試料・情報等を取り扱う場合で、研究計画書の見直しが必要になる。」とされているケースに相当しそうです。研究主任者の先生が遅滞なく正しい対応をして、プロトコールに手を加えてくださることと思っています。「一つの倫理審査委員会での一括審査」や迅速審査などの活用で無駄な研究の遅延が避けられることも同時に希望したいものです。

  --記事の要点---

 文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省合同による「医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」(座長:福井次矢・聖路加国際病院長)は8月9日、改正個人情報保護法の全面施行に対応するための医学研究に関する3つの改正指針案を了承した。今後、各省庁の関係審議会に諮り、その後、パブリックリックコメントを求める。必要な修正があれば加え、2017年春予定の改正個情法の施行に合わせ、各指針を施行する。

 改正個情法のポイントは、「個人識別符号」「要配慮個人情報」なども、新たに法規制の対象となる「個人情報」として定義されたほか、匿名化した場合の取り扱いが変更された点。例えば、これまで「個人情報」に当たるか必ずしも明確ではなかったゲノムデータなども、「個人情報」に当たり得る可能性があり、該当する場合には新規取得時のインフォームド・コンセントの取得、安全管理、第三者提供などの際は、改正個情法に則ることが求められる。

 今後、医学研究の場で、患者からのインフォームド・コンセントの取得をはじめ、変更を迫られることは多い。中でも、問題になりそうなのが、改正個情法の施行前から実施していた医学研究で、新たに「個人情報」に該当することになる試料・情報等を取り扱う場合で、研究計画書の見直しが必要になる。各研究責任者は2017年春予定の新指針施行前までに、自らの研究計画を点検し、変更がある場合には倫理審査委員会の審査や研究機関の長の承認など、所要の手続きを経る必要がある。

 9日の合同会議で議論されたのがこの点で、多数の研究計画書の審査が必要になると想定されることから、倫理審査委員会の「迅速審査」の仕組みを使うとともに、同委員会の委員のみでは審査に対応しきれない場合を想定して、研究期間の長が指名する人も審査の支援に当たるなどの対応を予定。

 ただし、そもそも研究責任者が、研究計画書を点検しないことには、計画見直しの要否も判断できないことから、何が新たに「個人情報」に当たるのかについて、医学研究3指針の改正内容を周知徹底する重要性が強調された。厚労省医政局研究開発振興課も、「これまで倫理審査委員会の審査対象外だった研究も、チェックしなければいけない。できるだけ早く周知する必要がある」との認識を示した。

 なお、本合同会議の当初から、「過去に遡ってカルテを見直す、カルテデータ調べは、オプトアウトで実施されていることが多いが、病歴等が含まれる場合は要配慮個人情報となり、オプトアウトでの実施ができなくなる」などの懸念が呈せられていた(『「臨床研究一般の萎縮が生じる」との懸念も』を参照)。9日の会議でも、「カルテなどを調べて行う観察研究については、甚大は被害が生じる可能性がある。日本医学会やその分科会に対して意見聴取する機会を設けなくていいのか」(国立がん研究センター企画戦略局長の藤原康弘氏)などの指摘が出た。この点について、厚労省医政局研究開発振興課は、「公衆衛生」が目的であれば改正個情法の原則適用外と説明、今後考え方を整理する方針。

 医学研究3指針とは、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」。今回の改正を機に、3指針で整合性が取れていなかった点も修正される。倫理審査委員会もあり方も見直され、多施設共同研究が行われる場合には、各研究機関で個別審査を進めるのではなく、一つの倫理審査委員会で一括審査を認める方針。 (中略)

 「カルテ情報」を用いた公衆衛生目的の研究は原則対象外

 現行の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」では、インフォームド・コンセントの取得対象として、血液検体など「人体から採取された試料を用いる研究」と、「人体から採取された試料を用いない研究」は区別されているが、新指針ではこの区別がなくなる。この点のほか、「個人識別符号」「要配慮個人情報」が定義されることから、カルテ情報などを用いた研究が困難になる懸念が呈せられている。

 文科省は、法律の厳格な遵守が求められることから、この区別はなくす必要があると説明。ただし、今進められている研究等を阻害する意向はないとし、改正個情法の適用除外に当たる「公衆衛生の向上」等に該当する研究であれば、インフォームド・コンセントの取得が不要になるよう整理する方針。
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