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2016年7月24日

7981:近視に伴う乳頭周囲クレセントの皮質上での表現:新しい論文の紹介です

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近視に伴う乳頭周囲クレセントの皮質上での表現:サルを使った新しい論文の紹介です

 近視では視神経の周りにクレセントを持ちますが、そのサルの後頭葉をトリチウムラベルのプロリンで染めてみたら、視野欠損を表す(マリオットの拡大に相当する)部分が後頭葉のほぼ中央でマリオットを示すとされていた柱状構造を持たない部分の拡大として観測されたという論文が出ています。
 この論文の責任著者のホートンは、その昔井上達二やホルムズが示したヒトの視野の後頭葉視覚野への投射を1980年代にもう少しスマートに示して見せた人だったと思います。私たちのPETを使った正常被験者での実験でも、マリオット盲点はこのあたりにあることが示されていました。(ポジトロン断層法を用いた他覚的視野マッピング法の開発)
 いったん視野が後頭葉視覚野に刻まれたのちにマリオット盲点が拡大したと考えれば、視野に対応しない部分が第一次視覚領に表れるというのは理解できるところです。
(この論文には、日本人の論文も数点が引用されています。)

Ophthalmology. 2016 Jul;123(7):1494-9. Epub 2016 Apr 27.

Cortical Representation of a Myopic Peripapillary Crescent.

Adams DL1, Economides JR2, Horton JC3.

要旨:

目的:視神経乳頭と隣接した近視性後天性クレセントが、第一次視覚領皮質の代謝活動にどう影響するかを決定する。

デザイン:実験動物研究。

対象:3匹の短尾。

方法:第一次視覚領の盲点の投射を、チトクロムオキシダーゼ(Co.)組織化学分析および[3H]プロリンオートラジオグラフィーによって調べた。

主要な結果:第一次視覚領での近視性乳頭周囲のクレセントの盲点表現の視覚化、

結果:強度近視では、近視乳頭周囲クレセントと似ている領域は、ちとクロームオキシダーゼ処理された視覚領皮質の切片上に見えた この領域での代謝の活動は、普通近視乳頭周囲三日月と一致している網膜からのインプットにより働く視覚の優越カラム構造が消失していた。

結論:近視における三日月型の網膜欠損部分(クレセント)の構成は、時間的に方向が単に位置の変換がされるのではなく、影響された網膜から供給される視覚領皮質の代謝活動の欠損を伴う。この観察により、網膜の組織が近視の三日月型病変の発生により損われることが立証された。皮質活動の欠陥はサイズと形が近視性乳頭周囲三日月とマッチし、健康で、周辺の網膜によるretinotopicマップの補充が起こらないことを示す。

CONCLUSIONS:

The formation of a myopic crescent is accompanied by loss of metabolic activity in the cortex supplied by the affected retina. This observation confirms that retinal tissue is damaged by the development of a myopic crescent, rather than simply translocated in a temporal direction. The cortical defect matches the myopic peripapillary crescent in size and shape, indicating that fill-in of the retinotopic map by healthy, surrounding retina does not occur.

(図は別ページから借用)

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