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2016年7月23日

7978:点眼薬関連アレルギーの話題が日本の眼科7月号に多数出ています。

点眼薬関連アレルギーの話題が日本の眼科7月号に多数出ています。

日本の眼科2016.7号が届きました。

総説とわかりかりやすい臨床講座は点眼薬関連アレルギー関連の記事で埋まっています。

◎点眼薬関連アレルギー 庄司純 (千葉県庄司眼科・日大 p849) 総説
要約:点眼薬関連アレルギーは、点眼薬に起因した免疫反応が眼局所に生じて発症する予知不可能な異常薬物反応と定義することができる。アレルギー学的背景には即時型(Ⅰ型)過敏反応と遅延型(Ⅳ型)過敏反応とが多くみられ、スクラッチテストやパッチテストなどの皮膚反応が原因薬剤の診断に用いられているが、陽性率は低い。臨床病型としては、眼瞼接触皮膚炎、角結膜炎、薬剤性眼類天疱瘡などがあり、中毒性結膜炎や薬剤起因性角膜上皮炎との鑑別が必要であるが、その境界は明白ではない。
清澤注(本文より抄出):
○アレルギー反応はCoombs and Gell分類により4タイプに分けられる。
・Ⅰ型アレルギー反応とはIgE関連即時型反応でアナフィラキシーが代表的。花粉や食物中の蛋白質(アレルゲン)に対して、免疫グロブリンの一つであるImmunogloburin E (IgE)が生体内に産生されることで発症する。Ⅰ型アレルギー反応では、IgE受容体を介してマスト細胞に結合したIgEが再びアレルゲンと結合することによりマスト細胞が脱顆粒をし、ヒスタミンやロイコトルエンなどのケミカルメディエータ―が放出される。ケミカルメディエータ―はアレルギー性結膜炎で見られる結膜充血や結膜浮腫の原因物質である。

・Ⅳ型アレルギー反応とは遅延型過敏反応のことで、接触皮膚炎が代表的な反応。感作リンパ球による細胞性免疫で生じるアレルギー性反応

◎点眼薬関連アレルギーと接触眼瞼皮膚炎 稲田紀子 (日大) (分かりやすい臨床講座)
「要約:点眼液・眼軟膏による接触眼瞼皮膚炎は、Ⅳ型アレルギーに分類される遅延型過敏反応である。「かぶれ」と呼ばれる皮膚炎は、眼瞼皮膚の発赤と掻痒感で発症し、紅斑、浮腫、丘疹、小水疱などがみられる。接触皮膚炎の原因抗原の検出にはパッチテストが有用であるが、アミノグリコシド系抗菌薬が多い。治療は抗原となる薬剤を中止し、副腎皮質ステロイド薬を局所投与し、重症症例にはステロイド薬や抗ヒスタミン薬を全身投与する。」

要点の抜書き:点眼薬で接触皮膚炎の原因になる主な薬剤は、抗菌薬、緑内障治療薬、抗アレルギー薬、散瞳剤が挙げられるが、製剤の主成分に反応する場合と、塩化ベンザルコニウムなどの製剤内の添加物が原因抗原になる場合がある。

接触皮膚炎を起こすと報告されている点眼液、眼軟膏
① 抗菌薬および抗菌薬含有眼軟膏:トブラマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン
② 緑内障治療薬:チモロール、ニプラジロール、ジペベフリン
③ 抗アレルギー薬:ケトチフェン、アンレキサノクス、クロモグリク酸
④ 散瞳薬:フェニレフリン、アトロピン

◎点眼薬関連アレルギーと角・結膜炎  角 環(高知大)
「要約:点眼薬による接触アレルギーは角膜炎と眼瞼炎を合併するアレルギー性接触眼瞼結膜炎である。問診から原因物質を予想し、パッチテストにより、確定できれば、以後の発症を予防できる。また点眼薬による上皮障害は主剤の細胞毒性と、添加物による細胞属性と細胞増殖抑制による創傷治癒遅延により生じる。治療には薬剤の減量や中止が必要であるが点眼薬の特性の理解と眼状態の的確な把握がその選択には必要である。」

点眼薬関連アレルギー:偽類天疱瘡 上田真由美 (京都府立医大)
「要約:偽眼類天疱瘡は、点眼薬の長期投与によって眼類天疱瘡と類似の眼所見を生じる疾患である。眼科で眼類天疱瘡と呼ばれる疾患は、皮膚科では粘膜類天疱瘡と呼ばれている疾患群の一病型であり、眼病変の存在するものをさす。初期には、慢性結膜炎症状を示し、病変の進行とともに結膜嚢が短縮して瞼球癒着、睫毛乱生、ドライアイが生じる。進行すると、結膜組織が角膜に侵入して高度の角膜混濁をきたす。偽眼類天疱瘡は、初期には薬剤毒性の所見を呈し、進行すると眼類天疱瘡と同様の所見となる。」

本文の図2にフォスターの眼類天疱瘡臨床分類がある。

眼科医清澤のコメント:今日の話題は患者さんレベルというよりは、眼科研修医レベルとなりました。実際にそれらしき症例に出会われましたら、どうぞいずれも分かりやすく書かれていますから、日本の眼科7月号の本文に戻ってご検討下さい

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