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2016年7月11日

7946:Google傘下企業が眼疾病発見アルゴリズム開発で英病院と提携:という記事

Google傘下のDeepMindが眼の疾病早期発見人工知能(AI)アルゴリズム開発で英病院と提携:という記事が出ておりますが、その原典はロンドン最大のモアフィールド病院のプレスリリースです。

Google傘下の人工知能企業DeepMindは、大手眼科病院と協力し、病院の1万人以上の匿名化された眼のスキャンデータを使って眼の疾病を早期発見するための機械学習アルゴリズムを構築する。[佐藤由紀子,ITmedia] より、

 米Google傘下の人工知能企業DeepMindは7月5日(現地時間)、眼の疾病の早期発見のため、英ムーアフィールド眼科病院と提携したと発表した。

 ムーアフィールド眼科病院は英国民健康サービス(NHS)が運営する、欧州では最大規模の眼科病院。DeepMindの拠点はロンドンにある。

 この提携により、ムーアフィールドは匿名化した100万人の眼球スキャンデータとそれに紐付けられた症状のデータをDeepMindに提供する。DeepMindはこのデータを基に疾病を検出する機械学習アルゴリズムを構築する。

 眼科医清澤のコメント:
 最近の3次元画像解析装置の発達には目を見張るものが有り、そのデータによって正しい眼疾患の治療法が医師の眼と頭脳で判断されるようになっています。多くの症例において得られた(3次元網膜断層画像に限らぬ)画像情報を各症例で得られた治療法やその結果と結び合わせて多変量解析などの手法で解析すれば、標準的な治療法を啓示するようなプログラムを作ることは一見可能な様に思われます。
 殊にこのプレスリリースで述べられているように、対象疾患を糖尿病性網膜症や加齢黄班変性の様に比較的均一で数の多い疾患に限定してこのようなデータ処理を加えれば、比較的リーズナブルな処置法がシンプルに示せるかもしれません。
 しかし、使われる機材は日々進化しており、大病院では借用も含めてその病院で使える機械も月単位で更新されてゆきます。また疾患の病態もそれほど単純に分けられるものでもなさそうです。
 ですから、疾患のどこを見てどう分類するのか?とか、比較しうる治療法には何と何が有るのか?とか、研究に着手する前に決めておかねばならないことも限りなく多そうです。
 ヨーロッパで一番大きい病院と言っても加齢黄班変性症が1万例も居るという訳ではなさそうです。
 最近はデータ自体にその成分を予見無く分類を探させるというアルゴリズムもあるようですが、私には「比較する2対象群を決めて、その成果の違いを比べる」という従来の方法の方が遥かに話しが見えやすいように思われます。
 また、上のビデオにはイギリスの専門医受診の順番待ちという言葉が出てきます。日本では国民健康保険のお陰でそのようなことは無く、網膜三次元画像解析程度であれば、それなりの医療機関に行けば、開業医レベルでもその日のうちに判断材料はそろうことでしょう。

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