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2016年7月3日

7918:ソフトコンタクトレンズ装用眼の涙液層動態(聴講印象記)

ソフトコンタクトレンズ装用眼の涙液層動態
日本コンタクトレンズ学会 シンポジウム3:聴講印象記です

◎横井則彦 イントロとして:
ソフトコンタクトレンズ装用者の涙液層は裏表に2分されていて、表層がブレークアップしやすい。摩擦も強くなるし、涙液成分とレンズの相互作用もある。

CL-S3-1
◎高静花(大阪大)涙液から見たSCL(ソフトコンタクトレンズ)装用眼の視機能

:CL装用者の視覚の質は?
視力以外の要素はどうか?:
レンズの種類は⇒涙液動態に影響する。
水濡れ性は⇒残余乱視に影響する。

装用者の50%がドライアイ症状を示す。(IOVSドアイアイレポート2012)
装用者の82%が乾燥感(浜野)を訴える。

レンズの水濡れ性の低下(乾く)は⇒視力の低下を引き起こす。
視機能の測定方法には
・コントラスト感度 1992
・散乱測定1993
・Point spread function などの方法がある。

レンズ表面が乾き、眼底写真も曇って写る、コントラスト感度も低下した。

評価には波面センサーが使える。ハルトマン像も、高次収差マップも変化している。
水濡れ性と素材:保湿成分PVPを入れる。あるいは素材を変える事が出来る。
高次収差が保湿レンズを使うと裸眼より更に安定する。

戸田先生のデータ:ハイドロゲル(エタフィルコンA)とシリコーンハイドロゲル(セノフィルコンA)の比較では、後者が安定している。

コンタクトレンズを取り巻く現状:中高年は見え方にこだわり、若年層は利便性を重視する。
結論:水濡れ性と素材は視機能にも影響する。

CL-S3-2 ソフトコンタクトレンズ装用眼の涙液層動態 横井則彦(京都府医大):

コンタクトレンズ上には角膜上にはある「膜型ムチン」がないからブレークアップしやすい。
量の評価には平行なスリットを角膜上に投影して涙液層メニスカスの曲率半径を算出するメニスコメトリーが有効(量)
涙液動態を見るならば、ビデオインターフェロメーターが有効。

メニスカスの薄いことは、レンズを外せば戻る。つまり、レンズの載っている場所だけレンズ前の涙液層が薄いことの現れで有って、涙液メニスカスの曲率半径も小さくなる。

層別診断:
ランダムブレーク(蒸発による)
エリアブレーク:涙液は何もない
スポットブレーク:ぱちぱちと穴が開く
 Thin aqueous layer break:ソフトレンズ装用に特異的なもの
ラインブレーク:わずかな水分が上瞼に急激に引き上げられる
ディンプルブレーク:開瞼に伴う涙液の塗り付けが途中で躓く形

ソフトコンタクトレンズ装用眼ではシンアクエアス、ライン、ディンプルなどに分けられ、正常の涙液の様態とは変わる。

結論:ソフトコンタクトレンズ上の涙液の動態分類でも従来のTFODが使える。

清澤の印象:今回はThin aqueous layer breakという言葉が更に導入されました。横井先生のTFODは日々進化を続けています。

CL-S3-3 CL装用による眼表面の生化学的評価 杏林大 山田昌和

抄録と違う話をする。脂質と酵素について

油層の構造と量:コレステロールとリン脂質が涙液にはあり、リン脂質はマイボーム腺分泌部には含まれない。これは涙腺が分泌するリポカリン由来のものである。
シリコンレンズに脂質が沈着するというのは誤りである。
レンズに沈着する脂質はほとんどがコレステロールである。

◎眼科医療のバズワードを応募しようとの呼びかけ

CL-S3-4 リンドン・ジョーンズ Lyndon Jones(Waterloo大)
付着物に関する従来の考え方では蛋白のレンズへの付着には否定的な評価がついて居た。しかし、
1、蛋白のレンズへの付着には長い時間は不要であり、
2、蛋白の付着は殺菌などの面でで有用かもしれない
3、装用感の悪化は蛋白付着とは関連しない:などが言われる。

リゾチームの研究から、グループⅣ素材レンズとの相互作用が強い。
最近の研究法には:125I放射性部室を使う、その他の方法がある。
アキビューモイストは(エタフィルコン グループⅣ)、プロクリアワンデーは(オマフィルコンA,グループⅡ)である。

ワンデーアキビューモイストには60分で他に比べて多くの蛋白が付く。
その多くはリゾチームである。付着したリゾチームは、変性しないで活性を保つ。
シリコーンハイドロゲルレンズではその多くが早いうちに変性してリゾチームとしての活性を失う。そして炎症の原因にもなる。

炎症反応:以前は炎症の研究をするのに、多くの検体が必要であったが、今は少量のサンプルで分析できる。

ヒト角膜上皮細胞に対する変性リソゾームの影響は?:直接の毒性は無いのだが、lTNFα、などの炎症サイトカインを出させる影響が有る。
したがって、付着蛋白と共存する性質の有る素材は、実は眼に良い素材である可能性がある。

清澤のコメント:最近は、必ずしもシリコンハイドロゲルが良いという訳ではないという事になってきているのでしょうか?

村戸ドール:(東京歯科大、市川)
1700万人がコンタクトレンズを装用している
その50-70%がドライアイを持つ。
話題1:オフィスワーカーでも高校生でも、コンタクトレンズ装用者ではドライアイが多い。涙液が薄いことなどが、それには関連する。コンタクト装用2週間で自覚症状には変化は出るが、コンフォーカル顕微鏡には変化がでない。長時間のVDT作業者はメニスカスが低い。このほか、エアコンも悪い影響を与えている。
纏め;コンタクトと長時間VDTは関連する。
話題2、タバコとコンタクトレンズの関連。コンタクトレンズには保護作用があるかもしれない。
話題3、紫外線との関連の研究:同様にコンタクトレンズには保護作用があるかもしれないという件についても話されました。

コメント:暫く慶応で研究に従事されていた演者です。流ちょうな日本語で有り、発表内容も理解しやすい内容でした。3つの話題を同時に取り上げたので、次の特別講演を控えて時間が迫ってしまい、座長に話の終結を求められておいででした。

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