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2016年6月8日

2829: 他人のiPS世界初移植へ 網膜再生

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先日の日眼で「他人のiPS細胞を集めておいて、HLA型の合う患者の網膜再生に使う」という杉田先生の話を聞いてきていたのですが、そのプロジェクトがいよいよ実現するようです。

 『臨床研究は、視野のゆがみや視力低下が起きる「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」で、症状が進んで視力が相当落ち、既存の薬が効かない患者が対象。他人に移植しても拒絶反応が少ないとされる特殊な型の細胞を健康な人から集めてiPS細胞を作製、備蓄する京大の「iPS細胞ストック」を利用する手法のほか、患者自身のiPS細胞も使う。

 それぞれの手法で、iPS細胞から作った網膜の色素上皮細胞をシート状にして移植する方法と、色素上皮細胞をまぜた液体を傷んだ網膜に注射する方法に取り組む。網膜にできた異常な血管などを取り除く手術が必要ならシート移植、手術不要なら液体を注射する。

 計20人への実施を目指し、移植後1年間、がん化が起きないかなどの安全性、効果を評価する。』というのが研究の骨子のようです。

 なお、来年度のTMDU眼科フォーラムでは、このお話を拝聴させて戴くためのティームリーダーの先生からの内諾が戴けたという内部情報を承っています。世話人会の一人として、今年の2題と共に来年も良い招待講演のお話が聞けることを楽しみにしております。

 ーー記事全文の引用ーーー

他人のiPS世界初移植へ 網膜再生、来年前半にも 理研や京大、臨床研究再開

臨床 2016年6月7日 (火)配信共同通信社

 他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を、重い目の病気の患者に移植する世界初の臨床研究を実施すると、理化学研究所や京都大など4施設が6日、神戸市で発表した。

 iPS細胞から作った細胞を移植した2014年9月の世界初の手術は、患者自身の細胞から作ったiPS細胞を使用したが、他人のiPS細胞は低コスト、迅速に利用でき一定の安全性が確保できる。再生医療の普及促進が狙いだ。

 当初、引き続き2例目も実施予定だったが、患者のiPS細胞の遺伝子変異により見送られた。中断していた臨床研究は新たに4施設で再開する。6日記者会見した理研の高橋政代(たかはし・まさよ)プロジェクトリーダーは「時期は分からないが来年前半に手術をしたい」と説明、京大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授は「4施設がタッグを組めたのは大きな前進。非常に力強く感じている」と話した。

 臨床研究は、視野のゆがみや視力低下が起きる「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」で、症状が進んで視力が相当落ち、既存の薬が効かない患者が対象。他人に移植しても拒絶反応が少ないとされる特殊な型の細胞を健康な人から集めてiPS細胞を作製、備蓄する京大の「iPS細胞ストック」を利用する手法のほか、患者自身のiPS細胞も使う。

 それぞれの手法で、iPS細胞から作った網膜の色素上皮細胞をシート状にして移植する方法と、色素上皮細胞をまぜた液体を傷んだ網膜に注射する方法に取り組む。網膜にできた異常な血管などを取り除く手術が必要ならシート移植、手術不要なら液体を注射する。

 計20人への実施を目指し、移植後1年間、がん化が起きないかなどの安全性、効果を評価する。

 4施設は今年5月30日付で連携協定を結び、京大のストックのほか、理研多細胞システム形成研究センター(神戸市)はiPS細胞から色素上皮細胞を作り、神戸市立医療センター中央市民病院と大阪大は移植を担当する新体制を発足させた。6月中に市民病院の倫理委員会に申請する方針。

 京大のストックを使うと、移植までに1例目で11カ月かかったのが最短1カ月になり、約1億円だった費用は5分の1以下になると期待される。

 ※人工多能性幹細胞(iPS細胞)

 皮膚や血液など特定の機能を持った細胞に数種類の遺伝子を導入し、受精卵のようにさまざまな細胞や組織に変化する能力を持たせた細胞。培養条件を変えることで心臓や神経など特定の細胞になる。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が開発し、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した。病気や事故で機能を失った組織や臓器を修復する再生医療、創薬への応用が期待されている。

 ※加齢黄斑変性

 目の奥で光を受け取る網膜の中心部にあり、物を見るときに中心的な役割を果たす黄斑部の機能が老化によって低下し、視野の真ん中のゆがみや視力低下などが起きる病気。光を感じる細胞に栄養を与える色素上皮の組織が縮む「萎縮型」と、生えてきた異常な血管により色素上皮が傷む「滲出(しんしゅつ)型」がある。日本では滲出型が多い。
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