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2016年5月30日

7803; TORCH症候群

7803; TORCH症候群

江東微生物研究所の微研ジャーナルでは2016.5(Vol39,No2)でこのTorch 症候群を取り上げています。眼科にも関係のある疾患なので抄出し採録します。

1、TORCH症候群

TORCH症候群(トーチしょうこうぐん、英: TORCH syndrome)とは、母体の症状は軽微であるが、妊娠中の感染によって胎児に奇形または重篤な母子感染症を引き起こす恐れのある疾患の総称。

以下の英語の頭文字をとって名づけられている。「Torch」とは英語で「たいまつ」という意味。
Toxoplasmosis(トキソプラズマ症)
Other(その他多く:B型肝炎ウイルス、コクサッキーウイルス、EBウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス,梅毒など)
Rubella(風疹)
Cytomegalovirus(サイトメガロウイルス)
Herpes simplex virus(単純ヘルペスウイルス)

トーチのTORは経胎盤感染を、ORCは感音性難聴を起こす。

2、トキソプラズマ症:哺乳類と鳥類に感染する原虫。非常に広範に蔓延しており、日本人の5-10%が感染している。細胞内寄生虫で、最終宿主はネコ。オーシストで経口的に感染する。汚染した肉だと組織シストで感染する。急性の初感染と、免疫不全者での感染がある。妊娠中に初感染すると胎盤を通過し胎児へ移行し、水頭症、脈絡網膜炎、脳内石灰化、精神運動機能障害(これが4大兆候)を起こすIgMは急性感染の指標。IgG抗体は帰還船を示す。

3、風疹
ウイルス罹患後14-21日の潜伏期で発症。発熱、後頭部痛、頚部リンパ節腫脹。数日中に球結膜充血と淡紅色の発疹。不顕性感染が多い。先天性風疹症候群は(congenital rubella syndrome: CRS)は妊娠早期の感染で多い。(妊娠1か月で50%以上、2か月で18%)検査には抗体検出、ウイルス分離、ウイルス核酸検出。

4、サイトメガロウイルス:ヘルペスウイルスの一種。無症候性に体液に分泌されるウイルスに接触して感染。最近の抗体陽性率70%以下。妊娠中の初感染で30-50%で胎内感染、その10-20%に先天性CMV感染症発症。年間人程度で最多。黄疸、小頭症、運動障害、脈絡網膜炎、難聴など。

5、梅毒:梅毒スピロヘータ感染。第一期、第2期梅毒で感染性が強い。胎児の経胎盤感染のリスクは60-80%。治療が行われないと40%は流産早産、40%は先天梅毒。母体及び児の血清反応で判定。女性患者の増加でこの疾病も増加。

6、その他およびジカウイルス感染症:ジカはデングや日本脳炎と同じフラビウイルス。
ジカは発熱、頭痛、関節痛、結膜充血、皮疹を来すが、デングより軽症で、結膜充血は多い。ブラジルで多数の小頭症の報告がある。内反足や関節拘縮とともに網膜病変もある。

清澤のコメント:ジカウイルスは今後もブラジルオリンピックを控えて話題になりそう。疾患の概要は眼科医としても押さえておきたい。(2016.7.10記事抄出完成。)

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