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2016年5月22日

7772:TMDU眼科フォーラム 聴講印象記 その1

演題1:強度近視黄班円孔の最新の外科治療
島田典明 医科歯科大 助教

強度近視黄班円孔の手術成績は、水晶体嚢を移植(レンズカプスラー・トランスプランテーション)ではその成績は100%、内境界膜反転フラップ(インバーテッド・インターナル・リミッティングメンブレーン・フラップ IILの成績は80%である。

清澤のコメント:内境界膜をはがして翻転し黄班円孔を塞ぐという方法については聞いていたが、水晶体嚢の破片を使うという話は不勉強で、初めて伺いました。

演題2 加齢黄班変性におけるsertuin 1の役割と可能性
吉田武史 東京医歯大 講師

加齢黄班変性は50歳以上の1,2%に存在し、失明原因の第4位を占める。
滲出型の前駆病変はドリューゼンで有る。酸化ストレスとAMDに関連が有って、免疫関連物質がそのストレスの原因となる。
萎縮型には治療法なく、滲出型には抗VEGF抗体が硝子体内に投与される。
予防治療の必要性がある。RPEは複数の経路を介する保護作用を持つ。
タンパク質(転写因子、シャペロンなど)の修飾を行うサーチュインが重要である。
SIRT1遺伝子の発現調節をしているSirt1がAMDの発現に関与しているのかもしれない。
Sirt1のAMDへの関与は①RPEの細胞死と②血管新生促進因子の発現亢進の2点に関連する。

トピックス2つ
1)p53のアセチル化がアポトーシスを起こす。
2)Nrf2:Nuclear factor –like 2 最も強い防御因子である。
その説明にはレスべラトロールという単語が関与する。
 
清澤のコメント:医科歯科大学眼科においても、基礎医学の実験が行われていることは大変重要なことです。それがまた、臨床での研究に深みを増すことになるでしょう。トピックス以下の部分については残念ながら十分には聞き取ることができませんでしたが、今後また理解すべく話を伺う機会もあることでしょう。

以下は、この話に出て来た単語の復習です。ご参考までに。

○ サーチュイン遺伝子とは?:長寿遺伝子または長生き遺伝子、抗老化遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされる。サーチュイン遺伝子の活性化により合成されるタンパク質、サーチュイン(英語 Sirtuin)はヒストン脱アセチル化酵素であるため、ヒストンとDNAの結合に作用し、遺伝的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられている。

○ p53遺伝子とは:p53遺伝子(ピー53いでんし)とは、一つ一つの細胞内でDNA修復や細胞増殖停止、アポトーシスなどの細胞増殖サイクルの抑制を制御する機能を持ち、細胞ががん化したときアポトーシスを起こさせるとされる。この遺伝子による機能が不全となるとがんが起こると考えられている、いわゆる癌抑制遺伝子の一つ。p53のpはタンパク質(protein)、53は分子量53,000を意味しタンパクは393個のアミノ酸から構成されている。

○Nrf2とは:NF-E2-related factor 2(Nrf2)は、塩基性ロイシンジッパー構造をもつ転写調節因子。Nrf2はDNAやタンパク質などの生体高分子を酸化して攻撃する親電子性物質、活性酸素および活性窒素種などの様々な反応性分子種により活性化されて、標的遺伝子の転写を増強します。Nrf2は、親電子性物質を直接解毒するグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)その他の酸化ストレス防御遺伝子群の発現を統一的に制御している。

○レスベラトロール(英語:resveratrol)はスチルベノイド(スチルベン誘導体)ポリフェノールの一種。ブドウの果皮などにも含まれる抗酸化物質として知られる。
レスベラトロールは赤ワインに含まれることから、フレンチパラドックスとの関連が指摘されており、心血管関連疾患の予防効果が期待されている。レスベラトロールは寿命延長作用の研究が報告され、2006年、「Nature」にてマウスの寿命を延長させるとの成果が発表され大きな注目を集めた。近年、レスベラトロールがサーチュインタンパク質を活性化することもわかっている。

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