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2016年5月15日

7752: オキュラー・サーフェス・シンポジウム 2016:聴講メモ

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オキュラー・サーフェス・シンポジウム 2016:聴講メモ
於:品川プリンスホテル。

350名が参加、
大塚製薬は、平成28年度文部科学大臣表彰と科学技術賞を受賞した。

ドライアイの最新の知見
mucosta

1):痛みのメカニスム 田川義晃 (北大)
 BUT短縮型、ムコスタ点眼でSPKの解消に先行して痛みが消えた。
角膜知覚の過敏(痛覚の過敏)が起きている。

TRPチャネルが三叉神経にあり、
TRPチャネルの過敏化が有る。

仮説:ムコスタが痛覚に作用するのか?角膜知覚の測定をする。 
Cochet-bonnet角膜知覚計での測定。  
角膜痛覚過敏はあり、角膜知覚は変化してはいなかった。

TRPV1という痛みのリセプターがある。
カルシウムチャネルをカプサイシン(10のマイナス7乗)で刺激し、細胞内のカルシウム濃度を測定した。ムコスタではカプサイシン刺激への反応を抑えることが出来た。

注:唐辛子に含まれるカプサイシンが辛さ(痛み)を生じさせるメカニズムに、感覚神経にあるTRPV1(トリップ・ブイワン)というイオンチャネルの活性化が関与する。

2)涙の脂、最前線: 有田玲子 伊藤医院
ドライアイでは86%で油が不足している
マイボーム腺機能不全MGDがある:
DEWS report: IOVS 2011によれば、

(1)形態の観察 非侵襲的マイボグラフィーでみる、
(2)機能の評価: 測定法にはMeibographyとTear interferometryがある。
正常眼は:パールライクアピアランス、
涙液減少型ならジュピターライクアピアランス、
蒸発亢進型ならマイボーム腺機能不全。

機能低下は閉塞性と脂漏性が分けられる。
閉塞型ならばプラッキングがあり、BUT1秒など――ムコスタでNIBUTに延長が出た、
一方脂漏型では、瞼縁に脂が溜まっている。

コンタクトレンズユーザーのドライアイと点眼薬 平岡孝浩 (筑波大)
コンタクトレンズ使用者では50%にMGDは見られ、夕刻つよい。
涙液が分断される。
コンタクトレンズ装用後にメニスカスも小さくなる。
結膜上皮も変化する。
リッドワイパーエピテリオパシーも多い。

通常の点眼は保存料が入っている。
人工涙液では効果は不十分で、ムコスタが使える。
ワンデーと2週間用レンズで検討した。:
視機能、視力を見ると:視力は同じだが、コントラスト感度には差が出る。
BUTは改善。染色スコアも改善した。
自覚症状にも改善が有った。
視感透明度、ベースカーブには影響は無い。

コンタクトレンズユーザーの自覚症状とドライアイ所見は並行する
角膜感染性潰瘍にもムコスタが使える。

4)ドライアイ治療薬の抗炎症作用の作用機序について 福田憲 (高知大)

ドライアイは炎症性疾患ですか?

シェーグレンは明らかな炎症、GVHDは炎症の合併。BUT短縮は見えない炎症?、上皮障害なら?

炎症マーカー(IL-6など)と自覚症状の相関が有ることは、いくつかの論文で指摘されてきた。

TNF-αで作った炎症はレバミピド(ムコスタ)で抑制された。
ドライアイ患者では、SPKが無くても角膜バリアは劣化している。(横井)

レバミピドは角膜上皮細胞のタイトジャンクション破壊を抑制する。
バリアは電気抵抗で測ることができる
高い浸透圧はバリアを傷めるが、レバミピドでバリアは守られる。

Danger signal alarmという言葉:(サイトカイン、ヒートショックプロテインその他。)が注目されている。誘導されたIL-6はレバミピドやステロイドで抑制できる。

◎第2部 さらなる患者満足度向上を目指して:(座長:西田 幸二、堀 裕一)

1)  ドライアイ治療も継続は力なり。高静花 (大阪大)
重瞼術後:ムコスタ点眼が正しく為されていない例。それなら4回の使用で改善。
仕切り直したらよくなることも多い。
スリットで見える異常と見えない異常がある。
「美粘膜」が必要。粘膜上皮の正常分化の促進が目標
患者の点眼継続にはモチベーションが必要。

BUT短縮型ドライアイ。はムチン発現の低下による。
点眼ではつけないことが多い。一日4回点眼を指導し。自己判断での中断は禁止する。
急に起こったものではないから、改善には先ずは一か月が必要です。

結論:「ドライアイ治療も継続は力なり」

2) 白内障周術期におけるドライアイ 井上康 (井上眼科)

 白内障手術後、左眼がかすむという症例
自覚症状は?BUTは❓、シルマー1法、角結膜染色スコア、で異常を探す。

白内障前で正常は37%、疑い例46%、確定17%
術後には異常が20%増えるという。
開瞼など、手術関連の周術期ドライアイの原因は多い。
周術期ドライアイにはムコスタによる異物感などの改善が見られた。

3)涙液減少型ドライアイとムコスタ点眼液 横井則彦 (京都府医大)
長期試験結果の再考:BUTの改善は無かったが異物感と眼痛に改善が有った。
涙液減少型ではBUTの改善は乏しいのだが、症状所見は改善していた。

4):ドライアイ治療の評価指標 山田昌和 杏林アイセンター
 医師から見た治療の評価と患者の自覚症状は合致しない。
医師から見ると88%が軽く、患者から見ると44%が重傷と思っている。

1、知覚神経の問題、2、解り難い病変、3、通常の検査でわからない変化があろう

(1)BUT短縮型ドライアイ:である
(2)リッドワイパーエピテリオパシー
 樹状突起の増加もある
このようなサイレントマジョリティーに注意を向けよう。
医師と患者の評価には乖離がある。それは、自覚症状が改善しないからである。

第3部 細隙灯顕微鏡の見方: 木下茂、大橋裕一、井上幸次

6例の写真を見せて3人の演者間での討論が為された。

症例1:左右交換して移植した例で見たサイトメガロ感染症
症例2:移植糸に起きた感染 脂質を要求する菌による特殊な感染の例。
症例3:角膜表面にあるC型の病変:ウイルスは出ない。角膜上皮のデスプレジア(CIS)だった。
症例4:角膜ジストロフィー TGFBI アベリノ角膜ジストロフィーの例、移植しても削っても再度混濁は沈着する。
症例5:角膜移植でカンジダ感染:フルコナゾル点眼 HSV1-DNAが出たと。アシクロビル耐性のヘルペスにトリフルオロサイミジンを使う。
症例6:角膜後面前房に綿状病変。:ベガモクス、フロリードなど使用。真菌(糸状菌)が同定された。

粘膜上皮の異常と見えない変化(炎症や)が、異物感、乾燥感、羞明、眼痛、霧視を起こす。

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