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2016年4月9日

7633: 第120回 日本眼科学会 総括的印象記 その1: 日本のこの20年の医学教育の変遷(嘉山孝正先生)他

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第120回日本眼科学会総会 2016年4月7日(木)から10日(日)での注目されるトピックスを探してみました。

3日間の参加で、最終日を残して東京に戻ってきた清澤のコメントです:

 評議員会指名講演の演者3人中の2人が大学以外に籍を置く人だという事にも、時代の変遷を感じ、市井の開業医としては心強く思いました。

今は主管校ではなく、プログラム委員会が演題の選定をするように変わっています。最近は一般演題の採択率も96.5%とかなり高いようです。シンポジウムのような聴衆の興味に合わせた企画演題も増えた印象でした。

会場は:
仙台国際センター。山形大学が主管ですが、ホテルの多い仙台を選んだのは英断とすべきでしょう。

4月7日(木曜)

①ポスター:土曜日までかけて一応全部読みまして、プログラムの面白いと感じた物の部分にマークをしましたから、追ってこれは別記事にいたします。

②一度ホテルに戻って身軽にしてから能舞台のある高級レストランで海外時代の旧友と夕飯。わたくしの愚痴も聞いていただきました。(別記事に記載)

4月8日(金曜)
①11:20 招待講演 OCTの過去と未来(David Huang):発明者の講演で中国系のアメリカ人ですが、英語もきれいでわかりやすいご講演でした。(メモは取りませんでした。)

②ランチョンセミナー:Acrysof®の現状とこれから:日本アルコン社。

 わたくしは現在白内障手術に手を出しておりませんが、どこに白内障患者を送るかを考えるのに必要な知識と思いましたので、このセミナーをあえて選びました。

 大鹿先生が今回無菌性眼内炎(TASS)を起こしてしまった特定のシリーズの眼内レンズについて、その原因が水の中での検査で付着したアルミニウム粉の所為であったという説明をなさいました。

 今のコンタクトレンズ業界は、「保険適用外の遠近両用と乱視レンズを積極的に売りに行こう」という場面であり、それをいかに保険適用または先進医療に取り込んでゆこうかという場面でしたから、この製品事故は会社にも諸術者にも苦しい事態で会ったことは容易に想像できました。(先日の三宅先生の講演につながるお話でした。)

③機械展示:
 今回はあらかじめ展示会社の方:(1)ビーライン社、(2)カールツアイスメディテック(ハンフリー800シリーズ関連)にアポをいただき、緑内障視野を整理して表示するプログラムを詳しく説明していただきました。この見学が今回の学会の最も大事な目的の一つでした。

 (3)クリュートメディカルシステムズ社のかぶる形の視野計(過去の記事に書いたものです)も試させていただきました。両眼開放で明室で測定できますが、わたくし自身のデータは全体が下がった結果に出てしまいました。いつも緑内障の患者さんが苦労してボタンを押しているのは、こんな経緯で出た結果だったのだろうと良くわかりました。

④15:00 (教育セミナー)マスターしておきたい眼瞼手術:これはかろうじて最後の部分だけ聞くことができました。

眼瞼の小腫瘍・外傷 小幡博人先生(自治医大)母斑(瞼の縁にできる。瞼板を削らず、シェイビン グのみ)や脂漏性角化症(皮膚割線に沿って舟形に切り取る。)眼周囲の外傷では瞼板や涙小管の傷に気を付ける。皮膚は層と層を合わせる。もし涙小管の断裂があれば、私ならば自分のクリニックで涙管再建までは行わずに近隣の病院にお願いするでしょう。

⑤小柳美三先生の墓標を訪ねて、八幡町龍宝寺墓地へ。没後50年でしかないのに、なんと、なくなってしまっていました。

4月9日(土曜)
 9:00 シンポジウム19 平成28年度診療報酬改定の評価:わたくしの会場への入場が遅かったため、配布資料をいただくことができませんでした。「医療費改定においては厚生労働省は医療界の味方、大蔵省が敵」という言葉が耳に残りました。病院への短期入院での高めの料金設定を使用して、片眼の手術終了後いったん退院として2週間後に対側を行うという病院側の対応に対しては、支払い側はそれを完全に把握して、対策を打ってきているそうで、そこで今回の手術料金の引き下げがなされたとのことです。
 白内障手術は眼科の全手術の85%を占めるので、病院勤務医にとっては同等以上に頑張ってもすでに昨年実績を維持するのは難しそうです。さらに、急性期医療を担う大学病院などには、白内障よりも難易度の高い手術を主に施行することが求められるようです。白内障などの定型的手術を多く行い、総点数を上げるという対応の道はやがて閉ざされてゆく方向性であるようです。

10:40 招待講演2 日本のこの20年の医学教育の変遷(嘉山孝正先生)

 仙台市長町にある江南病院の旧病棟で新米の眼科医として脳外科の鈴木次郎教授(もやもや病の命名者)の総回診を数年間毎週見せていただいたときの懐かしい先輩です。

 その時には後に東北大総長・大学入試センター長になられた吉本先生が助教授。福島県立医大の教授になられた児玉先生が医局長でした。後に岩手医科大学の総長になられた小川先生もおいででした。嘉山先生はまだ病棟医長くらいでした。嘉山先生はやがて、山形大学の助教授でご栄転になり、後には築地がん研究センターの理事長にまで登られました。仙台の江南病院は将に梁山泊の様相だったわけです。

 今日のお話は、医学教育の歴史と将来について。ことに専門医は脳外科なら脳外科学会が責任をもって教育すべしというお話をされておいででした。真剣勝負の学会が大事で、あり、教科書的な講演会を聴講して聴講点を数えるなどナンセンスとのいまだ衰えぬ闘志満々のご講演でした。(ウィキペディア参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%98%89%E5%B1%B1%E5%AD%9D%E6%AD%A3#.E7.B7.A8.E8.91.97)

注:国立がんセンターでなぜガンは治らない? 闇に葬られた改革 (文春新書) (単行本) 前田 洋平 (著)は参考になるかも。(私はすでに発注しました。)

14:10 特別講演1、網膜機能障害解析の多角的アプローチ(寺崎浩子)
名古屋大学眼科教授としての集大成のご講演でした。

15:10 評議員会指名講演、眼科手術のサイエンス、

前眼部手術のsustainabilityを考える(宮田和典)

16:00 同上、強度近視合併症における病態の理解と治療の考え方(生野恭司)

⇒詳細記事全文へ https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54635228.html

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