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2016年3月20日

7585:Siglec1によるバセドー病の再燃、再発予測 橋本貢士 先生を伺いました

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新規バイオマーカーによる再燃、再発予測
◎東京医科歯科大学メタボ先制医療講座 准教授 橋本貢士 先生のお話を伺いました。
(第29回甲状腺眼症研究会) 

Siglec1によるバセドー病の再燃、再発予測

背景1:バセドー病の再燃再発率は20-75%と高い。4人に1人では甲状腺機能亢進が解除されない。

背景2:JST(科学技術振興機構http://www.jst.go.jp/index.html)で国際特許を取ろうとしたが、認められにくかった。

背景3:バセドー病の再燃を見る検査法がない。バセドー病寛解を判断できない。
6か月以上TSHを含め甲状腺機能が正常なら減量を検討してもよいとされている。(2割が再発)TRAb陰性でも3割は再発する。陽性でも3割は寛解する。
TRAbは感度67%、特異度65%、陽性的中率は64%。

目的:再発を示す分子マーカーは無いか?
寛解の定義は::
再発、再燃の定義:治療薬剤の増量を余儀なくされたもの。
新しい分子マーカーの検索 DNAマイクロアレイで検索した。
白血球中のsiglec1、siaroadehesin,CD169が候補に挙がってきた。
免疫グロブリンスーパーファミリーに属するものである。
これは、インターフェロンαおよびγで誘導される。
R(再発)とノンR(非再発)の症例のRNAを抽出した。Siglec 1mRNAを逆転写 (RT)しPCRで定量する。
対象:ノンR群47人、R群28人
結果:血清中のsiglec1濃度には差がなかった。遺伝子発現レベルには差が有った。
ROC曲線(清澤注1):255で切って感度82,9%、特異度95,7%だった。
多施設での共同研究に進んだ。
フリーT3とフリー-T3とはsiglec1mRNAレベルは相関しない。
群馬大、伊藤病院、隅病院を加えた他施設研究、nonR178, R119名に進んだ。

301コピーで、感度78,2%特異度73%。陰性的中率83,3%であった::
同一患者での再測定を試したが、あまり変わっていない。
TRAbは寛解と再発に影響される。

症例1:40歳代女性、シグレック1が高い。
シグレック1は自己免疫疾患に共通のマーカーである。
インターフェロンシグネチャーという単語がある。
肺高血圧や1型糖尿病にも関連している。
感染ストレス、性ホルモン、妊娠出産、加齢、喫煙、薬物、食物とも関連しているだろう。

眼科医清澤のコメント:
1)私も本態性眼瞼痙攣の疾患感受性遺伝子の研究:蕪城 俊克講師に協力していますので、遺伝子のお話は、大変興味深く伺いました。

2)会場からの追加発言で、「事象として望ましいものをX群とし、そうでないものをノンX群とするならば、レカレンス群よりも、レミッション群として両軍を入れ替えた方が良いのではないか?」という発言がありました。そんなものか?と感心した親切な追加質問でした。

3)ROC曲線(Receiver Operatorating Characteristic curve、受信者動作特性曲線)は、もともとレーダーシステムの通信工学理論として開発されたものであり、レーダー信号のノイズの中から敵機の存在を検出するための方法として開発された方法だそうです【統計学】ROC曲線とは何か、アニメーションで理解するを見るとやや理解できます。(http://qiita.com/kenmatsu4/items/550b38f4fa31e9af6f4f)

4)インターフェロンシグネチャー:も重要なキーワードです。
http://www.natureasia.com/ja-jp/ni/pr-highlights/9377に因れば、
「Stetsonたちは、ストレスによって異常な「自己」RNAが生じ、これが同様に細胞のRNA検出機構を活性化することが、強力な免疫活性化物質であるI型インターフェロンの生産につながることを明らかにした。この応答を制止しないと、免疫疾患の発症につながる恐れがある。SKIV2Lが遺伝的に欠失した小児患者には、強いI型インターフェロン発現シグネチャー(I型インターフェロンによって誘導される遺伝子の発現上昇)が見られた。」としています。残念ながらこの概念を、私は十分には理解できておりません。

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