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2016年2月3日

7434;『「韓国危機論」は本当か?:記事紹介です

韓国経済の不調がしばしば論じられ、韓国国債がデフォルトになる確率が上昇していることなども記事になっています。そこで『「韓国危機論」は本当か? 日本総合研究所上席主任研究員 向山英彦』(2016年02月02日 14時01分)なる記事が出ていました。長大な記事ですが、その要点を纏めて、現状への理解を多少なりと深めようと考えてみました。

見えない所でも既に深く結ばれた日韓、日中の経済関係を考えると、中国の経済的不調を喜んでも居られないという事のようです。昨今の日韓関係改善も、韓国が中国側に寄せすぎた軸足を、やや日米側に戻したという文脈の中で理解すべきだと言っています。それにしても多くの米国債を買い、韓国と台湾をも取り込んだ中国恐るべし、です。
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 韓国経済が、苦境にあえぐ。韓国を代表する企業の業績が悪化、経済が減速するたびに、韓国は「崩壊」「終わった」などといわれる。

◎通用しなくなった過去のモデル

 蔚山の現状リポートでは韓国製造業の心臓である蔚山が「病んでいる」。韓国では2011年以降、実質GDP成長率が2~3%台で推移し、6%を超えていた時代は遠い昔。低成長の長期化とともに、サムスン電子や現代自動車などの大企業の業績が悪化し、「韓国危機論」が叫ばれる。

◎近年の低成長は2つの視点からとらえる必要がある。

 1つは、長期的なトレンドとして、成長率が低下傾向にあること。「漢江の奇跡」と呼ばれた高成長は投資の拡大に支えられたが、資本ストックの増加に伴い増加の勢いは鈍化した。少子高齢化も、経済の足かせ。子どもを持たない理由は経済的なもの。子どもを海外留学させる親も多く、日本の4倍。

 2つめは、従来の輸出主導型の成長メカニズムが機能しなくなったこと。韓国では中国が最大の輸出相手国になり、その変動の影響を受けやすくなった。韓国経済は中国に左右される世界経済の現状を映す鏡。

◎チャイナショックの荒波がもろに

 チャイナショックは金融資本市場を通じた影響と実体経済を通じた影響に大別できるが、実体経済を通じた影響は主に3つ。

 第1は、中国の成長鈍化に伴う対中輸出の減速。対中輸出額の対GDP比は韓国が台湾に次いで高い。中国の影響を受ける業種も多い。

 第2は、中国の高成長期に形成された好循環メカニズムの逆転。:中国の成長鈍化で資源の需要が減退し、資源国では貿易赤字、財政赤字、通貨安。負の影響は、韓国で海運や造船、掘削機械などの需要減少で、韓国企業を直撃。最近では中国以外の新興国向け輸出の減少幅が対中輸出の減少幅を上回る。韓国企業は新興国市場を積極的に開拓したから、韓国の輸出に占める新興国向けの割合は58.8%とアジアで最も高い。

 第3は、中国における過剰生産の影響。:中国ではリーマンショック後、大規模な公共投資が実施された。素材産業で増産が図られ、その後の過剰生産能力を抱えた。近年、安価な中国製鋼材が海外市場に出、市況は悪化し、鉄鋼各社の業績悪化要因になった。

◎矢継ぎ早の景気対策

 チャイナショックとフェリー沈没事故(14年4月)の影響で、韓国政府は14年から小刻みに景気対策を実施した。景気対策が奏功し、15年の実質GDP成長率が+2.6%伸びた。一方、輸出は+0.4%と伸び悩む。今の韓国経済は内需が成長を下支える。ただし、景気が再び減速する恐れがある。

◎過度な中国依存からの脱却:韓国が持続的成長を遂げるためには、次の3つの課題が存在する。

 第1は、「過度な」中国依存の是正。生産拠点の分散化を進めて、中国経済から受ける影響度を小さくするのが必要。

 第2は、新産業の育成と内需の拡大である。:経済再生のためには構造調整が避けられないが、その影響を最小限なものにするためにも新規事業の育成に力を入れるのが必要。バイオ産業や次世代自動車関連産業などを有望視。サービス産業の振興を通じた内需の拡大も課題。金融・保険、教育、医療健康など高付加価値サービス産業の成長を促す。

 第3は、高齢社会の到来に備えた財源の確保。;韓国では18年に高齢社会に入る。高齢者の貧困が深刻。基礎年金制度の財源をいかに確保するかは未解決。

◎外交の軌道修正を始めた韓国

 昨年12月の慰安婦問題に関しての歴史的合意など、日韓関係は改善に向かった。中国の「抗日戦争勝利70周年」の軍事パレードを朴大統領が参観するなどで、米国の韓国に対する不信感が高まり、韓国外交に軌道修正の力が働き始めた。韓国は中国に寄り過ぎた軸足を少し米国の側に戻した。日韓関係の改善はその文脈で読み解くべき。

 国際金融市場が不安定になる中で、日韓通貨スワップ再締結など、経済分野でも日韓両国政府の協力関係を再び強化しようという動きがみられる。

 韓国は日本にとって3番目の輸出相手国。日韓は目に見えないところで深く結びついている。必要なことは国際環境が変化する中で、韓国がなぜ日韓関係の改善に動き出したのか、その背景を理解すること。現実を再認識し、新たな日韓関係を築いていくべき。

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