お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2015年12月23日

7306:アトロピン点眼で近視進行を長期抑制【米国眼科学会】:記事紹介

アトロピン点眼で近視進行を長期抑制【米国眼科学会】(https://www.m3.com/clinical/news/379805?portalId=mailmag&mmp=EX151223&mc.l=136343614&eml=1756210a17735ed5a4a971a8844ddcd7)

低用量点眼薬で小児の近視進行を安全に抑制

米国学会短信2015年12月2日 (水)配信 小児科疾患眼科疾患投薬に関わる問題

眼科医清澤のコメント:近視進行を遅らせる方法としては、一番当たり前に行われるのが1)調節緊張を抑えるミドリンM点眼、2)累進レンズを用いて調節不可を抑えることで近視化を抑えるツアイス社のMCレンズ眼鏡、3)ナイトレンズをはじめとするオルソケラトロジー、そしてこの4)低濃度アトロピン点眼療法です。日本では1)から3)が一応医師の裁量権を含めて、治療に使用が可能です。この4)低濃度アトロピン点眼については濃度や頻度、そして期間など定まったプロトコールも未だ確立されてはなく、日本国内でも一部の大学で研究的に行っているだけだと認識していますから、私はまだ臨床的には用い始めてはいません。しかし、低濃度ですと、アトロピン1%点眼で屈折を見るテストの時のような散瞳や調節麻痺の副作用は出なくて使いやすいと大学の研究会では聞いています。

  --記事の引用---
 米国眼科学会(AAO)は11月16日、低用量アトロピン点眼薬では、高用量に比べて僅かな副作用で、小児の近視進行を大幅に抑制するという5年間の臨床試験の結果を紹介した。第119回 米国眼科学会年次会議で発表された。

 この数十年で近視は世界的に急増しており、アジアの先進諸国においては80-90%の若年者が近視と報告されている。視力は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できるが、重度の近視の場合、網膜剥離、黄斑変性症、白内障や緑内障の早期発症のリスクが高まるなどの悪影響がある。

 シンガポールで2006年に始まった本研究では、6-12歳の小児400人を対象に実施。0.5%、0.1%、0.01%濃度のアトロピン投与群に無作為に割り付け、2年間にわたり毎晩点眼してもらった。その後1年間は点眼を中止し、その間近視が進行した(-0.5D以上)小児に対してさらに2年間0.01%の点眼を行った。

 点眼開始から5年後、0.01%の低用量アトロピン点眼薬投与群において、高用量投与群よりも近視の進行が抑制された。また、低用量のアトロピンは瞳孔散大を1mm未満に抑え、6-12歳の小児でも安全に使用できることが確認された。一方、これまでの研究において、未治療群の小児と比べ0.01%点眼薬投与群では近視の進行を50%抑制する効果も明らかになっている。

 アトロピンは眼軸長の伸展を阻害して近視の進行を抑えるとされているが、その機序は明らかになっていない。また、高用量投与では瞳孔散大による光過敏や間近で物を見る際の視界不良等の副作用があり、高用量の投与を受けた小児は遠近両用眼鏡やサングラスを必要とする場合が多い。アレルギー性結膜炎や皮膚炎の原因にもなりうるため、米国ではアトロピンによる近視治療は普及していない。

 研究者は、「5年間の臨床研究により、リスクよりも長期的な利益が確認された」と説明。ただし、「低用量投与群の9%に最初の2年間での効果が認められなかったことから、どのような小児を本薬剤の治療候補とするかを確定するにはさらなる情報が必要だ」と指摘している。

関連リンク
Nearsightedness Progression in Children Slowed Down by Medicated Eye Drops

Categorised in: 未分類