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2015年12月20日

7290:「Ronald M. Burde」ロン・バード先生 追悼記事です

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Journal of Neuro-ophthalmology の 2015年第4号が届きました。

1)まず驚いたのは「Ronald M. Burde」先生が2月に亡くなったという追悼記事。

 神経眼科を知る人々の間では、柏井聡先生の師匠として認識されています。時々、柏井先生が準備して日本の眼科学会の中でもロンバード神経眼科勉強会が開かれています。このセッションでは最初になされる症例の提示と、そのあとに続く画像や病理によるその病気の解説で参加者にその病気を深く理解させるという教育的なシステムが取られます。私はこれを、Walshソサエティー(や北米神経眼科学会NANOS)で始まったバード先生を中心とする会合のスタイルだったと理解しています。

 バード先生は第2代編集長として本日届いたJournal of Neuroophthalmologyを一流の医学雑誌に育て上げた功績も大きいとされています。また、私の在米時の師匠であるPeter Savino先生とJonathan Trobe先生との共著書Clinical decision in Neuro-Ophthalmologyが1985年に出版されています。その本は臨床症状から可能性のある病気を挙げて、説明してゆくという従来にはなかった書き方がなされた画期的なものでした。

 眼科学を教えるときバード先生は「治療をする人間性に満ちた臨床家」であることの必要性を常に強調し、「私は科学と人間性の混合されたものを教える。医師は科学を身につけねばならない。しかし患者から何かを感じ、患者に改善感を与えられなければ、あなたは単に良い医者であるだけで有って、優れた臨床家と呼ばれることはできない。」と言っていたと書かれていました。

2)この号には眼瞼けいれんに関する2つの総説も出ています。
それはBench to bedside(研究室から臨床へ)という特集で、次の2つの総説が出ています。

(1)良性原発性眼瞼けいれんは神経可塑性の異常である、動物モデルからの教訓 Creig Evinger
 この論文には医科歯科大学神経眼科グループからの2010年の江本論文(Mov Disord)と2009年の堀江論文(Acta Neurol Scand)の2つが誇らしいことに引用してもらえていました。

(2)良性原発性眼瞼けいれんには瞬目の増加以上のものがある Kathaleen B. Digre
Digre先生は現在の眼瞼けいれんの最大のオーソリティーと言える人でしょう。

 丁度先週は以前日本眼科学会理事長をされた偉いM先生に「清澤君、眼瞼けいれんについてはボトックス以外のより良い治療法は出てこないのですか?」と聞かれて、「残念ですが、まだ無い様ですね。」とお答えしたところでした。
 今後、ゆっくりこの2つの総説を読み直して、眼瞼痙攣に悩む方々に分る様に最近の趨勢のご説明をこのブログに用意したいと思います。暫時お時間をください。

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