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2015年12月9日

7253 「デュポンとダウ合併交渉、縮む米国の野心」という象徴的な記事

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「デュポンとダウ合併交渉、縮む米国の野心」という象徴的な記事がWSJ日本版に出ています。解り難い長い記事ですが要約してみました。

デュポンとダウ・ケミカルの合併交渉の背後には米国の野心の縮小が垣間見える By DENNIS BERMAN 2015 年 12 月 9 日

 ウォール街の視点で見ると、米化学大手デュポンとダウ・ケミカルとの合併は完全に理にかなっている。コスト削減。合理化。最終的に時価総額600億ドル(約7兆3700億円)の企業の一つが繁栄することで2つの問題が終了する。

 しかし、このアイデア全体には悲しい側面もある。それは米産業の盤石な基盤を形成する2社が、自社への信頼と将来性を断念したように見えることだ。

 デュポンとダウ・ケミカル、両社の歴史を通じて繁栄し、生き残り、適応するだけでは各社が自信を保ち続けるのに十分でなかったのか。アクティビスト(物言う株主)よりしたたかに、両社はさまざまな出来事に耐えてきた。米国の産業界全体に、コスト削減、合併、そして「少ない資源で多くをやる」という目標が行き渡っている。(中略)今の米国は勝つためにプレーしているのではない。負けないためにプレーしている。

 主な理由は3つある。

 1. 大企業にとって、コストを削減し続ける以外にできることはほとんどない。今年に入って総額4兆ドル(約490兆円)を超えるM&A(買収・合併)を生み出した。その大部分は「製造業で」行われているが、これはコスト削減の実施を意味する銀行用語だ。

 2. アクティビストの影響:企業行動を変えさせるという彼ら独自のやり方が取締役会を根底から揺り動かしてきた。アクティビストは「刑務所の看守のように警棒を持って市場をパトロール」している。

 3. 最後は中国だ。国有の中国社が徐々に小さな市場でシェアを獲得し、そこから苦労しながらもアジアやアフリカ、欧州、南北アメリカに勢力を進めていく未来は簡単に想像できる。中国の勢力拡大は欧米企業で最後まで残った4社――ルーセント・テクノロジー、アルカテル、ノキア、シーメンス――を合併に追い込んだ。

 これらの教訓はすべて、デュポンとダウ・ケミカルの合併が知的には完全に道理にかなった結果であることを示唆している。ただし感情は別だ。最終的には誰かが研究開発や雇用、コミュニティーに対する経済支援の損失を負担することになるだろう。

 そして恐らく最後になるが、忍び寄る恐怖がある。ファイザーやABインベブ、デュポン、ユナイテッドヘルス、アメリカン航空が将来への確信を失ったのなら、私たちもそう感じないわけがないのではないか。
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清澤のコメント:米国の医薬業界でもファイザーとアラガンが合併し、本社を米国から税率の低いアイルランドに移すという計画の報道が最近ありました。経営的にあるいは法的には合理的であっても、強いアメリカが失われてゆくことに対する疑義もあるようです。

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