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2015年11月18日

7202:眼由来:ブドウ球菌分離株の多くが多剤耐性?:記事紹介

無題
眼由来でも黄色ブドウ球菌分離株の多くが多剤耐性、メチシリン耐性が蔓延
(提供元:ケアネット公開日:2015/11/16)

清澤のコメント:
先ずは、眼における耐性菌の率は増えていなかったという結論をもって良しとしますか?。

眼由来の菌とされていますが、その対象疾患が結膜炎、マイボーム腺炎、角膜炎そして涙嚢炎のような外眼部の菌なのか、それとも眼内炎を起こした原因菌なのかが記載されてはいないように思われます。

下の原文で見ると、prevalentは「流行っている」というような単語なので、その翻訳は「メシチリン耐性が分離されたブドウ状球菌において多く見られた」となりますが、実際には「黄色ブドウ球菌の42%、とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)の49%」だと言っているのですから過半数がそうであるかのような表題の訳に、私は不満があります。
むしろ『ブドウ状球菌群のほぼ半数が多剤耐性』でしょうか?

私も最近は眼感染症か?と思えば結膜炎でも全例バクテリアカルチャーを出すことにしています。菌が分離出来ることもあり、出来ないことも多いです。ほとんどは菌が解った時には炎症は既に抗生剤クラビットの点眼で治癒しています。たまにレボフロキサシン(クラビット)に耐性があるというものが出ますが、それも多くは一週間後には治癒しており、治癒していない場合には薬剤耐性を見て、ベストロンには感受性があればそれにしています。

理屈を考えてバンコマイシン軟膏までを使ったことがありましたが、保険請求では耐性菌であると注記をつけても通らなかったように覚えています。(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54554593.html)
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 米国・マウントサイナイ医科大学のPenny A. Asbell氏らは、ARMOR研究の最初の5年間に採取された眼由来臨床分離株の耐性率と傾向について調査した。ARMOR研究は、眼感染症の病原体に関する唯一の抗生物質耐性サーベイランスプログラムである。

その結果、黄色ブドウ球菌分離株は多くが多剤耐性を示し、メチシリン耐性が蔓延していることを明らかにした。眼以外の感染症由来黄色ブドウ球菌株で報告されている耐性傾向と一致しており、5年間で、眼由来臨床分離株の耐性率は増加していなかったという。

Conclusions and Relevance : Methicillin resistance was prevalent among staphylococcal isolates from ocular infections, with many strains demonstrating multidrug resistance. These findings are consistent with resistance trends reported for nonocular staphylococcal isolates. Overall ocular resistance did not increase during the 5-year study period. Continued surveillance of ocular isolates provides critical information to guide selection of topical antibacterials used for empirical management of ocular infections.(http://pmc.carenet.com/?pmid=26502312)

著者らは、「眼由来臨床分離株の継続的な調査は、眼感染症の経験的治療に用いる局所抗菌薬の選択に重要な情報を提供する」と述べている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2015年10月22日号の掲載報告。

 2009年1月1日~13年12月31日の5年間に、眼由来臨床分離株(黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)、肺炎レンサ球菌、インフルエンザ菌および緑膿菌)を集め、2015年1月16日~5月15日に中央の施設にて抗生物質耐性について分析した。

 米国臨床検査標準委員会(CLSI)のガイドラインに基づく微量液体希釈法で、各種抗生物質に対する最小発育阻止濃度(MIC)を測定し、ブレイクポイントに基づき感受性、中間、耐性で表記した。

 主な結果は以下のとおり。

・72施設から眼由来臨床分離株計3,237株が集まった(黄色ブドウ球菌1,169株、CoNS 992株、肺炎レンサ球菌330株、インフルエンザ菌357株、緑膿菌389株)。

・メチシリン耐性は、黄色ブドウ球菌493株(42.2%、95%信頼区間[CI]:39.3~45.1%)、CoNS 493株(49.7%、95%CI:46.5~52.9%)で確認された。

・メチシリン耐性分離株は、フルオロキノロン系、アミノグリコシドおよびマクロライド系抗生物質に対しても同時に耐性を示す可能性が高かった(p<0.001)。

・3種類以上の抗生物質に耐性の多剤耐性菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が493株中428株(86.8%)、メチシリン耐性CoNSが493株中381株(77.3%)であった。

・すべての黄色ブドウ球菌分離株は、バンコマイシン感受性であった。

・肺炎レンサ球菌はアジスロマイシン耐性株が最も多く(330株中113株、34.2%)、一方、緑膿菌およびインフルエンザ菌は検査した抗生物質に対する耐性は低かった。

・米国南部で分離された高齢患者由来の黄色ブドウ球菌株は、メチシリン耐性株が多かった(p<0.001)。

・5年間で、黄色ブドウ球菌株のメチシリン耐性は増加しなかった。一方、CoNS株およびメチシリン耐性CoNS株のシプロフロキサシン耐性、ならびにCoNS株のトブラマイシン耐性はわずかに減少した(p≦0.03)。

(ケアネット)

原著論文はこちら

Asbell PA, et al. JAMA Ophthalmol. 2015 Oct 22:1-10. [Epub ahead of print]

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