お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2015年11月18日

7201:x染色体関連の若年性網膜分離症の遺伝子治療とは?

若年性網膜分離症の治療に進展はないか?という意味の質問を患者の気持ちの質問箱に戴きました。網膜分離症は比較的若い人の網膜の中央部が内側と外側にちぎれて別れ、中に水が溜まり、視力も下がるという病気です。
juvenileretinoschisislarge
(図はhttp://www.goodhopeeyeclinic.org.uk/armdcase26.htmlから借用)

いつものように、キーワードを英語に換えてグーグルで juvenile retinoschisis treatmentとググって見ますといくつかのページが出てきます。しかし、夢のようないい話、人での実験がはじまったというような話は出ていません。

しかし、その一つにHUMAN GENE THERAPY 23:345–355 (April 2012)ª Dextran and Protamine-Based Solid Lipid Nanoparticlesas Potential Vectors for the Treatmentof X-Linked Juvenile Retinoschisisという論文がありました。この著者はスペインのバスクの大学の研究者でDiego Delgado氏。まあ新しい部類の情報です。

その論文の前書きの中に、「遺伝性の網膜変性症のは成立は4000人に一人で、進行性の経過を示し、しばしば治療法がなくて失明に至る。たとえばx染色体関連の若年性網膜分離症は男性における網膜分離症の主な原因で有って、5000人から25000人に一人の発生率である。 (Mooy他,2002年の文献).XLRS遺伝子(X遺伝子関連網膜分離症遺伝子)の置換法による治療の適用はこの疾患に対して結果を約束できるような治療法として考えられている。この治療概念に対するよい証拠は、レチノスキシンが先天的に欠けたマウス(小さなネズミ)に欠如した遺伝子をウイルスをベクター(遺伝子を運ぶ担体)として使う方法がいくつかの研究室から発表されている。(Minet 他 2005年; Janssen 他 2008)。しかし、これらのベクターによる方法には免疫学的な問題や発がん性に関連して未だに重要な限界がある。(Kumar-Singh 2008年)。さらに、これらのウイルスベクターが眼球内に注射された後で、脳の中に残る可能性があるという欠点もある(Provost他2005年)。これらの欠点を考慮して、私たちはビールスを使わない方法を開発しようと考えた。」

と言っています。私はこのウイルスを使わない遺伝子導入方法が「遺伝子導入にはウイルスベクターを使う物だという世界の流れ」の中で、特別に良い方法であるとは考えませんが、上の文章の中に「世界でいくつもの研究室がXLRS遺伝子を患者の遺伝子と置き換える研究を動物での基礎実験段階ま持って来ている」、という事を伝えています。おそらく人間での実験は2012年段階では始まってはいなかった(そしておそらく今でも行われてはいない)のでしょう。

というのが現状のようです。今後の研究の発展にご期待ください。

Categorised in: 未分類