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2015年11月10日

7165 IgG4関連眼疾患の10年と今後の課題 (高比良雅之 金沢大講師)を聞きました。

IgG4関連眼疾患の10年と今後の課題 (高比良雅之 金沢大講師)を聞きました。

【要旨】
○IgG4関連眼疾患(IgG4-related ophthalmic disease )の概念は2004年のIgG4関連Mikulicz病の報告に始まった。初めての報告から10年を経て,IgG4関連眼疾患の知見を概観し,今後の課題を検討した.

○IgG4関連疾患とは血清IgG4の上昇を伴って全身の様々な部位にIgG4陽性形質細胞浸潤による病変が見られる病態。2001年IgG4関連自己免疫性膵炎の報告が草分け。

○IgG4関連眼疾患の最も重要な鑑別疾患はMALTリンパ腫。本邦での多施設調査によれば
MALTリンパ腫の10%以上はIgG4染色陽性。IgG4関連眼疾患を背景にMALTリンパ腫が発症することも知られている。

◎IgG4関連疾患の治療の基本はステロイドの全身投与。長期投与や減量時における再発の問題がある。

○IgG4関連疾患の眼領域での病変は,涙腺腫大,三叉神経周囲病変,外眼筋腫大の3主徴のほか、血管周囲、眼窩脂肪、強膜,涙道など多岐にわたる.最も注視すべきは視神経症の併発。

○金沢大学2004-2014年IgG4関連涙腺炎と病理診断された36症例において4症例で視神経炎を併発し、1例は無光覚。視神経炎併発の4症例では血清IgG4値(正常値:135mg/dl以下)は概して高く(500mg/dl以上)である。眼症状が軽微でステロイド治療を見合わせる症例でも血清IgG4が高い場合には慎重に経過を見るべき。

○IgG4関連外眼筋炎と視神経症に対して,眼窩減圧術とリツキシマブの局所注射で,視機能が維持できたとする報告もみられる.しかしながら,本邦ではリツキシマブのIgG4
関連疾患に対する保険適用が無い.

○IgG4関連視神経症の特に初期では緑内障として加療される可能性もあり、注意を喚起したい。

注:リツキシマブ;リツキシマブ(rituximab)は、抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル抗体であり、その製剤は分子標的治療薬のひとつとして抗がん剤などとして使用されている。製剤としてのリツキシマブが注射剤であり、日本はリツキサン(Rituxan)®の商品名で全薬工業[1]および中外製薬から発売されている。

金沢大学大学院医学系研究科 視覚科学・眼科学

参考ページ;IgG4関連眼疾患の10年と今後の課題 [日サ会誌 2015; 35: 61-64]高比良雅之 http://www.jssog.com/papers/2015-0102_011.pdf

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